第10話 おちつくところ

久しぶりに家に帰ると、母はどこか寂しそうだった。


「おかえり。お腹減ってない?」

「うん。」

「…あんた今幸せ?」

「うん。」


「ママの事、信じても信じなくてもどっちでもいいけど、あの子はまたあなたを捨てる。」

「……わかってる」

「それでも一緒に居たいの?」

「うん。今だけでもいい」

「耐えられるの?その時がきたら」

「……怖いよ。今日かな?明日かな?って。目が覚めたら居ないんじゃないかなって。朝になったら、夜になったら、『お別れ』になるんじゃないかって…おかしくなりそうになる。」

「それでも信じたいか。」

「うん…。」



――――――その日の夜。 大晴のマンション。


僕はソファの上で頭を抱えて膝を立てて震えてた。

すると、大晴が来て僕を包み込みうとしたが、拒否した。


「流星…。」

「怖い。。ずっと怖い。」


直後、チャイムがなった。


…母だった。強引に中まで入ってきて僕を包み込んだ…。


「流ちゃん、帰ろ。壊れちゃう前にさ、おうち帰ろ?」

「……母さん」



―――――――――――それから一週間。


「流星。」

麗子が部屋に入ってきて僕の隣に寝た。



「ちょっと痩せた?」

「……」

「流星。あたしが見てあげようか?」

「こんなやつめんどくさいでしょ。」

「あたしの言う事なら全部聞いてきてるよね?」

「だって聞けるから」

「なんで聞けるの?」

「……」


僕から唇を重ねた。


「私はあんたを捨てない。」

「変わらなきゃいけない?」

「そんな必要ある?」


「……されたい方なんだけど。」

「そんなの知ってる。」


そう言うと麗子が僕の上に乗って頬を撫でて…キスした…。


「麗子の耳とピアス好き。」

「あえて聞くけど、どんなことしたい?」

「触りたい。」


僕が手を伸ばすと耳に触れさせてくれた。


「……麗子。やばい。出る…」

「好きなんだ?」

「凄いドキドキしてる」

「ちょっと可愛すぎない?」


――――――――――――――――――。

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となりで 海星 @Kaisei123

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