第8話 正しい味方

――――――あの日から一週間。

僕は部屋に閉じこもっていた。卒業式も出なかった。

母の呼び掛けにも答えなくて、スマホも出なかった。


痺れを切らした麗子が部屋の前に来た。

……空気で分かった。


自分でドアを開けて麗子を引き入れた。


「こもってんだって?」

「うるさい」

「元気な事は元気みたいね」


「大晴が来た」

「麗美から聞いた。麗美くらい入れてあげなよ」

「やだ」

「なんで。」

「……来るのおせーんだよ。」

「なんで連絡よこさなかったの。」


ベットに座る僕の横に座って僕を抱き寄せた。


「……迷惑かけたくなかった。」

「水臭い。」

「呼ばずとも来いよ。」

「……そうね。ごめんね。」

「謝んなよ……俺のわがままじゃん」


「…ねぇ流星」

「ん?」

「あんたさ、大晴って子好きなんでしょ?」

「うん」

「…あたしが焼きいれてあげようか?」

「いいよ。時間の無駄。」

「でもさ、本当に好きだからこうなってんでしょ?」

「うん。。」

「話してみたら?」

「……怖い。」

「きっとあんたのこと待ってるよ。」

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