第7話 追い返し

時は流れて、高校卒業前日。


家のチャイムが鳴って出ると、そこにいたのは…。



「卒業おめでとう。明日学校まで迎えに行ってやるから。」


大晴だった。


「ごめん。母さんとご飯行く。」


真っ赤な嘘だ。そんな予定は無い。


母は影から出てきてすかさず言った。

「流星の事これ以上傷付けるのやめてもらえない?まだ竜也の方がよっぽどいい、」


「僕は…どっちも要らない。だから帰って。僕は、ママが居ればいい…。」

「流星。いつまでも親は生きてないんだぞ。」


僕は初めて大晴にキレた。

拳を握りしめて少し固まったあと、


「……お前に何がわかる!!お前は嘘つきだ!!お前はいつだって嘘つきだ!!本当に好きだったのに!!本気だったのに!!お前から居なくなったんだろ?!消えろ!!…消えろ!!」



母は僕を包み込んで、

「大晴、帰って。もう来ないで。」と追い返した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る