第6話 母

幸せな日が続いていたある日、

突如として大晴から別れを突き付けられた。

目の前が真っ暗になった。


僕が高2の時だった。

一番そばでいつも声をかけてくれていたのはやはり、竜也だった。



竜也はその日、優しく抱いてくれた。

でも元には戻らなかった。



―――――――――――――――この時期、僕の話をよく聞いてくれていたのがおばの麗子だった。


僕はこの日、そのまま麗子の元へ向かって初めて求めた。


でも結局…物足りなかった。

自分でもわかってた。



帰宅して、チラッと母の顔を見ると母は僕を呼び止めた。


「流星。」

「なに。」

「今日なに食べたい?」

「……」


僕はせきを切る様に涙で溢れた。

母は真っ直ぐに僕の元に来て抱き寄せた。


「戻っておいで。あたしはあんたの全部分かってるから。」


母は言わずとも理解してくれていた。

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