第2話 消えてく
僕は小さな頃から脆かった。
ストレスがかかるとふわふわしてスーッと消えていきそうな命だった。
母は、おばが居ない時に僕に手を上げていた。
小学校低学年までそれが続いた。
でも僕は…笑っていた。
「ごめんなさい。僕が悪いから。」
口ではそう言っていた。でも…嬉しかった。
母は僕の腕や、胸ぐらをつかんで、僕の目を見てつねったり、叩いたり、殴ったり…。
心の中で、『ママ、大好きだよ。ずっとしてて。どこにも行かないで。』と願っていた。
でも母が疲れて手を止めて離れると僕はよく抱きつきに行っていた。
「ごめんね。ママは悪くないよ。僕が悪いから。だから…やめなくていいよ?」
すると、母は僕を抱きしめて、『流星、大好きだよ』と言ってくれていた。
この最後の優しが欲しくて我慢していた。
最後は必ずこうしてくれる。それを知っているから、僕は母の目が好きだった。痛みの後に温もりがあるから。…いや、痛みの中にも温もりがあるから。
でも、僕が大きくなるにつれそれが減って行った。僕の背も伸びて、母の機嫌も取れるようになっていたから。
でも反面僕は壊れて行った。
寂しかった。孤独だった。
母とに2人暮らし。変わらない。けど、触れられることが減った。目を見られることが減った。
だから言って母を悲しませることや悩ませることはしたくない。
だからいつの間にか自分で自分を傷つけるようになっていた。
当時はよく首の後ろを爪を立てて引っ掻いていた。
それを知っていたのは
要するにおばにはバレていた。
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