第8話 聖女の雫2

 エルシアの汗が地面に落ちる。

 エルシアは疲労が蓄積していた。

 エルシアの反応が遅れ始め傷を負い始めた。

 

(私の全魔力を込めます)


 そう思うとヒスイは魔法を発動した。


「ジャイニング」


 ヒスイは魔力を使い切り仰向けに倒れた。

 光がヘルツを強烈に照らし闇が弱まった。


「ぐっあ」


 ヘルツは苦しみ出した。


(これで)


 エルシアは全力で剣を振り下ろした。

 直撃しヘルツは消滅してゆく。

 一瞬、微笑んだヘルツがエルシアの瞳に映った。

 ヘルツを見届けるとエルシアはヒスイの下へ歩き出した。

 エルシアのマイクロビキニは戦闘によりずれていた。

 丸見えの胸が揺れていたがエルシアは気づいていなかった。

 エルシアはヒスイに手を伸ばした。

 

「エルシアさん。見えてます」


 ……


 エルシアは下を向いた。

 エルシアの顔が赤くなった。

 胸が丸見えだとエルシアは気がついた。

 エルシアはヒスイに背を向けた。


(何時から?)


 そう思いながらエルシアはマイクロビキニのずれを手で直した。

 エルシアはヒスイの方へ向いた。

 風が吹いた。

 ヒスイのスカートが捲れ純白の下着が丸見えとなった。

 ヒスイの顔が赤くなり悲鳴を上げた。


「きゃーー」


 エルシアは苦笑いをした。

 ヒスイへ右手を伸ばすエルシア。

 右手を掴みヒスイは起き上がった。

 気まずい空気が流れる中、エルシアとヒスイは聖女の雫の方へ歩き出した。

 エルシアは頭を横に向け言った。


「ヒスイさん、助かったわ。ありがとう」

「いえ。私にできる事はあれぐらいしかありませんので」

 

 ヒスイは前を向いた。


「あの中に聖女の雫があるみたいです」


 エルシアも前を向き聖女の雫が入った岩を見た。

 

「そうね」


 エルシアとヒスイは聖女の雫の前で立ち止まった。

 岩の中央にくぼみがあった。

 くぼみに聖女の雫が溜まっていた。

 エルシアはヒスイの方へ顔を向けた。


「聖女の雫を体にかければ良いのよね?」

「はい。頭からかけて下さい」

 

 エルシアは銀色のマイクロビキニアーマーへ視線を向けた。


(こいつともこれでお別れなのよね)

 

 そうエルシアが思っているとガートンが声を掛けた。


「エルシア、俺は満足しているんだぜ。俺をあそこまで使えたのはお前が初めてだ。あばよ」


(なによ、こいつ。呪われたビキニアーマーのくせに)


 エルシアはそう思ったが声に出さなかった。


「さようなら」


 エルシアは小声で言うと聖女の雫を頭にかけた。

 銀色のマイクロビキニアーマーはビキニアーマーに変わって行く。

 ヒスイがエルシアに声を掛けた。


「呪いが解けたのを感じます」


 エルシアは空を見上げた。


「そうね」


 エルシアはヒスイの方へ頭を向け言った。


「聖女の洞窟から出ましょ」


 エルシアとヒスイは聖女の洞窟を後にした。


         ***


 クリスタル国にある神殿。

 エルシアはヒスイに声を掛けた。


「私、行くね。ヒスイさん。ありがとう」

「こちらこそ良い経験が出来ました。ありがとうございました」


 エルシアはヒスイと別れた。


         ***


 ビキニアーマーをエルシアは着ている。

 エルシアはビキニアーマーに視線を向けた。


(あ宝はどこにあるのかしら?)


 エルシアはビキニアーマーを着て数年が経過していた。

 いつの間にかビキニアーマーに愛着がわいていた。

 エルシアの宝さがしの冒険はまだ終わらない。


                                    完



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呪われたビキニアーマー kuu @kuu

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