第2話 教会

 視線を集める中、エルシアは町中を歩いていた。


(私、見られてる。……恥ずかしい。教会もっと近いと良いのに)


 エルシアの歩きが速くなった。

 

 教会。

 シスターに話しかけるエルシア。

 

「ロゼッタさん、話があるわ。今、良いかしら?」


 ロゼッタは振り向いた。

 ロゼッタの瞳が一瞬、大きくなった。


「何の用でしょうか? エルシアさん」

「呪いを解いてのほしいのよ」


 ロゼッタの口が少し緩む。


「まあまあ呪いですか。今、見ます」


(今、笑わなかった? ロゼッタ)


 そうエルシアが思っているとロゼッタの口が開く。


「無理ですね、私では。神父様でも解けないでしょう。ただ私の知り合いなら解けるかもしれません」

「そう。紹介してくれる? ロゼッタさん」

「構いませんよ。寄付、一万ゴールド頂きますがよろしいでしょうか?」


(高っ。足元見ているわよね、絶対)


 エルシアは出そうになった声を飲み込んだ。

 

(どうしよう)


 エルシアが悩んでいるとロゼッタの口が先に動いた。


「一万ゴールドは高くありませんよ。ビキニアーマー着ているつもりでしょうか?」


(くっ。払いたくないが当てがないし払うしか……)


 そう思うとエルシアは小袋からお金を取り出した。


「払うわ。一万ゴールド」


 ロゼッタはエルシアから一万ゴールド受け取った。


「寄付ありがとうございます。紹介状お書き致しますので建物内でお待ちください」


 ロゼッタは奥の部屋に移動した。

 

 数十分後。

 ロゼッタが戻って来た。


「お待たせ致しました。こちらが紹介状になります。渡す相手はクリスタル国のヒスイさんです。地図も上げます」


 エルシアはロゼッタから紹介状と地図を受け取った。

 ロゼッタの口が動く。


「ヒスイさんは神殿に居ると思います。そうそう。教会のメダルも渡しておきます。メダルがあると関所等で便利です」


(メダル……か)


 と思いながらエルシアはロゼッタからメダルを受け取った。


「一応礼は言っておくわ。ありがとうロゼッタさん。私、行くから」


 エルシアは教会を後にした。

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