第8話 茜と葵

 暫くすると 白いシャツに ジーパン姿の ショートボブ、茜に よく似た女性が 歩いて来た。


 葵だー これまた 美人だ。


 茜に そっくりだ。違いが分かるのは、髪型 洋服の好みの違い位だ。俺は その時 何故か 変な違和感を感じた。


 だが 茜の跳び上がる程の喜びを見た途端 そんな物すっかり かき消された。


 茜「久しぶり 元気だった〜 嫌だー 変わってないじゃん」

 葵「えー髪型変えたのよ 色も入れてみた 少しは 大人の女性に なったでしょー」

 

 茜「もう嬉しくて 涙でちゃうよー」

 葵「茜 泣き虫だなー」 

 茜「もう やだ〜」


 俺は どっちが どっちに 喋っているか 分からなくなった。声もそっくりで しいていえば 髪型だー。やっぱ そこかよー


 そんなこんなで 飛び上がって喜んでた2人が ピタと止まり 2人で 俺を見た。(おーやっぱ双子 同時やん)


 茜「あ!忘れてた」

 竜「忘れてたんかい!」俺ってー、もっと派手な格好してくりゃよかったかなー。


 嫌そこじゃないなー。その位俺も わかっては、いた…。


  茜「あ!こちらは えーと 私の うーん 私の彼氏の竜ちゃんです」 

 竜「はじめまして 立花竜平です 銀行員です。真面目だけが 取り柄です。長いフライトでお疲れでしょう」なんか 俺緊張して仕事で 来客を接待してるように なってしまった。


 まずい もっとラフに するために ジーパンだった。これじゃースーツの方が 会ってたんじゃーん。


 すると マジに 静止していた茜と葵が プッと吹きケラケラ笑い出した。笑いながら


 茜が「竜ちゃん いったい誰よー。私達 何処のお偉いさん」2人のその笑っている姿が 可愛くて 可愛くて 見惚れてしまった。

 

 竜「あー 俺 緊張してるんだよー」

 葵「面白い方ね 私も 竜ちゃんって 呼んでいいの?」と茜の方を見た。


 茜「いいよ!」 俺、かるー、軽いなーお前は と思った。

 

 茜「竜ちゃんはさー私が お祖父様に お見合いを無理やりしろって言われて そんな時に 私の救世主となってくれたの。旅行も行ったのよ。京都 次は 北海道と 思ってたら 吉永さんに 捕まったの」


 茜ペロっと下を出した。 吉永さん?厳ついお兄さんの名前知ってる仲?マジで、早く言ってくれよー と、俺は思った。


 茜と葵は、本当に仲が、いい。話声や 笑顔を見ると、こっちまで 癒され明るくなる。


 茜が運転する車で 又 あの屋敷に来てしまった。俺は数時間前まで、ここに居た。


 帰りは まさか オフィス街の銀行の前じゃーないよなー?次は 俺の家の前にしてくれ と思ってたら ついつい 「俺の家」って所が 独り言で 口から漏れた。

 

 「何言ってんの竜ちゃん ここは 私達の家よ」茜が 言った。

 竜「あーわかってる、わかってる。こんな豪邸が 俺の家じゃーないよ。だったらいいなー的な感じで つい呟いたんだ」ごまかした。


 俺は 庭にあるベルサユー宮殿にありそうな 豪華すぎる白いテーブルと椅子に 座るように 誘導された。

 

茜「コーヒーでも いかが?紅茶もあるけど」俺は、またもや緊張した。

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