第5話 デアマントの森
エメリアと別れてから数日たった。朝、目を覚ますと、鳥のさえずり声が聞こえる。朝日が部屋の中に差し込んでいた。今日は、デアマントの森に行く日だ。
寝間着を脱いで、服を着て、食堂に行くと、父と母とエドワードが食事をしていた。
両親やエドワードとあいさつを交わして食卓に着いて、食事をとっていると、父が俺に口を開いた。
「お前は、エドワードと今日、デアマントの森にいくんだろう? あそこの森は狂暴な魔物が出ると聞く、お前や
エドワードだけで本当に大丈夫なのか?」
「そうよカイン、二人だけじゃ魔物に太刀打ちできないんじゃないの? 心配だわ……」
「父上、母上、心配には及びません、私は最強の魔法が使えますし、エドワードも剣も魔法もかなりの腕前、十分に魔物と
やりあえると思います」
「公爵様、奥方様、私はこう見えて自分には自信があります。カイン様を十分守って差し上げられます」
エドワードが言うと両親は黙ってうつむいてしまった。
「わかった、それほどまでにいうならこれ以上なにもいうまい」
「ありがとうございます。父上」
「危ないと思ったらいつでも帰って来てもいいのよ」
「母上、お気遣いいただき、ありがとうございます」
朝食をとった後、しばらくして、俺はエドワードとともに屋敷を後にした。
デアマントの森は、王都から3日かかる、広大な森だ。
俺とエドワードは二人で歩いて向かっていた。
「カイン様、森に行くのが楽しみですね」
「ああ、どんな魔物がいるのか楽しみだ」
それから三日後、二人はデアマントの森に着いた。
「ここがデアマントの森……」
森は、うっそうと木が生い茂っていた。魔物の鳴き声が森から聞こえてくる。
「ここで、これから狩りをするんだな……」
そう言って、俺たちは、森の中に足を踏み入れた。
森の中に二人で入っていくと、ゴリラのような魔物が、襲ってきた。
すぐに自分に防御魔法をかけた。
魔物は、こぶしをぶん回して攻撃してきた。
それをかわして、氷魔法を叩きこむ。
魔物は、氷漬けになって動かなくなる。
動かなくなったところに、エドワードは魔物に剣を突き立てる。
剣を突き立てられて、魔物は絶命する。
「いっちょ上がり!」
「うまくいきましたね」
「ああ」
魔物を倒した後、気持ちよさを感じた。経験値でも入ってるのかな?
俺たちは魔物を倒して満足した後、さらに奥地へと進んだ。
クジャクのような魔物が襲ってきた。
それに対して俺は多数の氷の矢のような氷魔法を使った。
氷の矢が魔物に当たり、地面へと魔物が落ちていく。
地面に落ちた魔物に対してすかさず、エドワードが首を切り落とした。
魔物は首を切り落とされて、絶命した。
「この調子でどんどん魔物を狩っていこう」
「はい、カイン様」
その後、二十体もの魔物を狩った。敵を全部倒すころには夕方になっていた。
森の外にでることを決め、森の外に出て、野宿した。
夜ご飯を食べて、エドワードと話をした。
「デアマントの森って強い魔物がいるからと思って用心していたけど、どうにかなったよな」
「そうですね。手こずると思ってましたけど、うまくいきましたよね」
「ただ、森のもっと奥にはもっと強い魔物がいるようですから、過信は禁物かと」
「そうだよなーまだもっと奥に行ったわけじゃないので、なめてたらいけないよな」
「用心しないといけませんね」
「これから寝るけど交代で寝ような」
「そうしましょう」
俺たちは交代で寝て明日を迎えるのであった。
翌朝、日光が俺の体を照らすと、目が醒めた。
「おはようございます。カイン様」
「おはよう」
起き上がって手を空に伸ばして、あくびをした。
「今日もうまくいくといいな」
「うまくいくといいですよね」
「それじゃ、行こうか」
俺たちは、森に入り魔物を倒しながら昨日よりも奥へと足を踏み入れた。
奥に足を踏み入れると、いままでよりも強い魔物の気配を感じる。気を引き締めておかないとな。
そう思いながら俺は、自分に防御魔法をかけた。
進んでいくと、突然、狼のような魔物が2匹で襲ってきた。
一匹の魔物が獰猛な牙で俺にかみついてきたが、防御魔法のおかげでダメージはない。
魔物を振りほどくと、即座に氷魔法で矢を作り、魔物に打ち込んだ。
魔物は、無数の氷の矢を受け、息絶えた。
エドワードはもう一匹の魔物の攻撃を躱して、剣で魔物を切りつけた。
魔物は、切りつけられてもエドワードにかかってきたが、剣で真っ二つにされた。
「魔物も強くなってきてるな。この先の魔物はもっと強いんだろうな」
「気を引き締めないといけませんね。カイン様」
「そうだな」
それから二人はさらに奥へと進んだ。奥へ行くと、筋肉質の大きな体をした
棍棒を持った魔物がいた。
「オーガか、ランガート村で倒したオーガよりも強そうだ」
「お気を付けください。カイン様」
俺は防御魔法を自分にかけると、魔法を打つ準備をした。
エドワードが、オーガに切りかかっていった。
オーガは片手で握った棍棒でエドワードの攻撃を受け止めると、もう片方の拳をエドワードに
ぶつけようとした。
エドワードは、魔物の拳を躱すと、飛び退った。
態勢を立て直すと、オーガに再び切りかかった。
オーガは棍棒で受け止めようとしたが躱された。
エドワードは棍棒ごと魔物の腕を切り落とした。
魔物は腕を落とされてのた打ち回った。
それを見た俺は、雷魔法を使い、魔物を攻撃した。
魔物は、魔法をもろに受けて、動かなくなった。
エドワードは、とどめとばかりに魔物の首を切り落とした。
「はあっ……はあっ……倒せましたね……」
「ああ……」
オーガの死骸をみながら、達成感をかんじる俺たちだった。
「これ以上奥に進んだら、今の俺たちではかなわないかもしれない」
「……そうですね。ここまででしょうかね?」
「十分満足したし、ここまでで終わりかな」
「屋敷に帰りましょう」
「ああ、帰ろう」
俺たちは、森を後にして屋敷に帰るのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます