第2話 ロリコンクソジジィの粋な計らい

「あのー。『第四部隊』ってのはどういうことですか?『対クガラ対策課』にはどれくらい部隊数があるんですか?」


マル子小さく手を挙げながら訊いた。


「全部で6部隊。 この『第四部隊』はかなり特殊で、普通は一部隊100人ほどいる。」


「100人!?」


彼らは驚いた。




「100人ってことぁ、10人が10個あるってコトやん!」


「そうゆうことになるっすね!」




レイとリリオがそんな会話をしていると、ハッキューは部屋の外から大きめの段ボールを持って来た。


ドスン、と机におくとハッキューはトントンと段ボールを叩きながら、口を開いた。




「拳銃だ。刀がいい、ってやつも一応受け取れ。」




すると、レイやザヤ以外の第四部隊員は何の躊躇もなく、拳銃を受け取った。


しばらくレイは動揺していたがすぐに受け取った。




「え? どういう事?なんでアンタ達、驚かないの?」


「何のこと?」


ザヤの問いにリリオはそう返した。




「いや、銃! なんでそんな当たり前の感じで銃受け取ってんの?」


「アッハッハッハ! ザヤさん!アンタホンマに馬鹿ですやん!」


「は?」


「アンタ騙されたんとちゃいますの?もしかしてクガラ、一匹も倒した事ないとか?」


「ないけど。」


「オーマイガっ! まぢか!」




ザヤは少し焦りながらハッキューの方を向いた。


「ハッキューさん。どういう事?」


「あ?何人か元『掃除屋』が居るんだよ。」


「掃除屋?」


「依頼されたクガラを倒して金を稼いでる奴の事だ。あの町にはあまり居なかったが。まぁ、そういうやつは普段から色んな武器触ってるから躊躇ないだけだ。」


「え、私そんなことしたことないけど。」


「知ってる。まぁお前は格闘術に関してはかなりのモンだからそれを磨くんだな。」




そう言いながらハッキューはザヤに拳銃を手渡しした。


「え!俺は?」


そう口に出したのはレイだった。


「俺、クガラなんて殺したことないし、格闘術もできないっすけど?」


「はぁ? お前は念者だろ?」


「え!? お前念者なの?」




リリオ達は一斉にレイを見た。


「あ、あぁ。」


「マジか、ホントに居るんやなぁ」


「ま、まぁな。 一応自分、『にんじゃ』やらせてもらってるっす。」


レイは少し自慢げにそういった。




「『ねんじゃ』だ。バカガキ。」


「でも、俺どうやってクガラになるか全く分からないっすよ?」


「それは心配すんな。簡単だ。自殺すればいい。」


「自殺?」


「そうだ。お前は何かあれば、喉以外の場所、できれば頭を銃で撃って『人間をして死ぬ』んだ。


喉を打っちまうとクガラになれずに普通に死ぬから気をつけろ。」


「え...いてぇのはやだよ。っていうか、クガラになっても俺、またザヤちゃんの眼ぇ喰っちゃうかもしれないっすよ?」


「その呼びか方もなんかやめろ...」


「自殺する瞬間、意識を強く持つんだ。そうすると、上手くいけば理性を持ったクガラになることができる。」


「へぇー」




「っと、こんなところでダラダラしていい程俺は暇じゃないんだ。明日、初任務だ。ニノ、こいつ等を寮まで連れていってやれ。


後、明日の任務はお前ら4人も出席してくれ。」


「ゲー」




ちなみに彼らは第三部隊所属で、ニノ、ヤス。ミラ、ソルの男女バディだ。




「おーい新兵達ー!寮まで行くよー!」


第四部隊員等はニノが運転する大型トラックに乗せられ、15分ほど移動した。


トラックが止まった先にあった建物は使われなくなったホテルのような建物だった。


「ここが寮?」


「あぁそうだ。」


「ちなみにバディ同士で相部屋だよ。」


黒髪ロングのミラが、煽るような口調で言った。




「お、終わった...」


ザヤの呟きにニノは肩を叩き、


「私も最初はそう思っていたんだよなぁ。でも、やっぱり人間ってのは不思議で男女はがずっと一緒にいるうちに恋心ってのは...」


「う、うるさい!変な事想像させないでください!」


「初心だねー。その気になったらいつでも相談してね?」


「ならねぇよ。」




そうして、バディにつき1つのルームキーが渡され、彼らは自分たちの部屋へと向かった。


「なんで私がこんなことに...」


ザヤが一人で愚痴をこぼしているとレイが尋ねた。


「なんでザヤちゃんはここに入ったんすか?」


「アンタには関係ないでしょ」


「いかにもツンデレってセリフっすね。痴女なのに。」


「ウッセー!寝込み襲うぞ」




そんな会話をしながら部屋を開けた。


「な、ナニコレ」


「こ、これがベット...」




二人は持っていた荷物をその場に捨て


「おりゃー!!」


という雄たけびと共にベットにダイビングした。


したが、ザヤはその後、絶望することになる。




「なんでキングサイズのベット1つなの?マジでバカだろ。分けてくれよ。」


ハッキューにザヤは相談したが、


「シングルサイズは全部病院やらに運ばれた。我慢しろ。それにお前男と寝るのは慣れてるんだろ?」


「いや、そういう問題じゃねーつぅの このロリコンクソジジィ!」


「はぁーあ? 俺のどこにロリコン要素があるんだよ!」


「私の着替え姿みて興奮してたじゃねぇか!」


「してねぇよ、このクソビッチがよぉ。」




そして、彼らの初心な夜が来るのであった...

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