第4話 活気のある町
町に着くとそれはもう面白いものだらけで、フォルテはすぐに夢中になった。
急いでこの宝石をお金に換えないと。
近くにあった宝石店に入る。店主は気のよさそうな小太りの男性で、フォルテが入るとすぐに笑顔を向けてくれた。
「いらっしゃい。売りに来たのかな?」
「はい、これいくらになりますか?」
持っていた袋をひっくり返し、宝石を出す。
「これはっ。お嬢ちゃんこれ、一体どうしたんだい?格好からして、ギルドの人間でもないだろう?」
「ギルド?」
「なんだ、お嬢ちゃんギルドを知らないのか。ギルドってのはな、ここら辺を守ってる騎士団と違って、自分でいろんな所に行って魔物とかを狩る職業のことだよ。確かここら辺だと、町の中心の方にギルドの店があったはずだ。興味があるんなら行ってみるといい。8歳から、ギルドに登録できるから、お嬢ちゃんなら大丈夫だろう。」
ギルド・・・それなら私の学びたかった魔法や剣術を学べるかもしれない。
何か理由があるということを察してくれた店主はそれ以上の追求はしなかった。
「また来てね」
店主に別れを告げお店を出る。袋の中はとんでもないお金でいっぱいになった。
あの袋には入らなかったため、店主が袋に拡張魔法をかけてくれた。
魔法・・・すごかったな。私も使えるようになりたいっ。
そんなことを考えながら、とりあえず町の中心まで行った。目の前に宝石の店主が言っていたであろうギルドの店があった。
これが、ギルドのお店。
ごくりと喉をならし、店の中に入る。
中は涼しく、様々な人種、性別の人々がいた。私が入ると受付にいた女性が私の方を見て、にっこり笑った。
「こんにちはっ。ご新規様ですよね。まずは受付にて説明をいたしますので、こちらにどうぞ。」
「あ、はい」
「まずは当店、ギルドについて説明させていただきます。当店ではギルドに登録していただき、万が一任務中になにかあったさいには、治療の負担や救助などこちらでさせていただきます。また、任務はそちらのボードに載っているものをこの受付までもって来ていただければ申請完了です。任務が完了した際には、また受付まで来ていただき、報酬を渡す仕組みになっています。次に任務について説明しますね。」
そのまま女性は受付から出て、右手側にあるボードの前で説明を続ける。
「こちらが任務書です。任務書には様々な依頼が記載されています。例えばこちら魔物の討伐です。右上に数字が書いてありますが、これは数字が大きければ大きいほど難易度の高い依頼となります。これ以外にも、この依頼書は薬草採集の依頼ですね。討伐がほとんどですが、中にはこういった採取の依頼もたまにあります。ほとんどのメンバーの方がパーティを組んで、団体で討伐に行かれます。ですので、どこかのパーティーに入れてもらうか、パーティーをつくることをオススメします。どちらも受付にて申請をお願い致します。以上で説明は終わりです。何か質問はありますか?」
「えっと、ないです。ギルドへの登録をお願いします。」
「かしこまりました。」
早速受付に戻り、登録をする。登録の際には血を垂らすため、針で指をさした。
その瞬間、周りが光り登録完了の文字が見えた。
「これで登録完了です。これとは別にこちらの紙に名前をお願いします。」
言われるがままに、紙に名前を書く。ガーデン家の名前を出すのはまずいと思ったため、フォルテとだけ記した。
「フォルテ様ですね。もう一つ魔法の属性をお調べいたしますので、こちらの水晶に手をかざしてください。」
もう一度、言われるがままに手をかざす。すると水晶のなかには濃い黒色が浮かんで消えた。
「え・・・これって」
受付のお姉さんは、呆気にとられた様子で水晶を見ていた。
「あ、ありがとうございます。後ほど、どの属性があったかお知らせ致しますね。」
「お願いします。あっ、お姉さんのことはなんと呼べばいいですか?」
「あ、失礼致しました。自己紹介がまだでしたね。私リリーと申します。」
「リリーさん・・・よろしくお願いします。」
頭を下げてギルドから出る。
私、ギルドに入ったんだ。どうしよう・・・・楽しみすぎる。
「なぁ、リリーちゃん。さっきは呆気にとられてたけど、そんなにすごいのかあの子」
ギルド内にいた、黒豹族の一人がリリーに声をかけた。
「全・・属性持ちでした」
「・・・・・・・・・はぁぁぁぁぁぁ!?」
その瞬間、声をかけた黒豹だけでなく店全体が震えるほどの悲鳴が響いたのだが、当の本人はルンルンで図書館へと向かっていた。
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