許可をもらうと

 アルミラージのホップンを手懐け、家族や屋敷の人に紹介しようかと考えているとミアよりホップンの歓迎パーティーを開いてみてはどうかと提案され、僕は早速テールと共に、父の執務室へと再度向かった。


「たびたび失礼します、ニックにございます」

「入るがよい」

「失礼します」


 父に促されて執務室へと入ると、まずは父が口を開く。


「どうしたのだニック、やけに騒々しかったが」

「申し訳ありません、お願いがあって参りました」

「お願い?」

「はい、ミアより提案されたのですが、ホップンの歓迎パーティーを開いてみるのはいかがかと」


 僕はミアにホップンの歓迎パーティーを提案されたことを父に話し、父より返答がある。


「ホップンの歓迎パーティーか、よかろう許可する」

「ありがとうございます」

「見たところ、ホップンはお前が親しい者には危害を加える事はなさそうであるし、ホップンが我々に害のない事を示す意味でもみなに披露した方が良いであろう」

「そうですね、では許可が下りた事をミアに伝えてきます」


 僕はミアに許可が下りた事を伝える事を話すと父に制止される。


「待てニック!許可した事はテールが伝えてくれ、ニックはここに残れ」

「え?」

「承知しました、それでは失礼します」


 テールが父の執務室から出て、ミアの所に向かうと父が僕に対し口を開く。


「ニック、先程の話と少し重なるが、屋敷外の者にはお前のスキル並びにホップンの存在は口外するでないぞ」

「は、はい」

「バイスやオリビア、コールはすでにお前のスキルそのものを目にしたから致し方ないが、今後はせめて陛下より何かしらの沙汰があるまではできうる限り秘匿にな」

「はい」


 父が念を押すように僕に口外するなと言ってくるな。屋敷外には公言するなか、だけど今後も魔物との遭遇があったらどうすればいいんだろう?


「あの父上、今後私が出陣するような事は……」

「当面はテールより剣や魔法等を習っておけ、よほどの事がなければ戦場には出さん」

「人間同士ならばともかく魔物ならば私のスキルで戦わずして味方につけることができますが」

「ニック、スキルの効力がどの範囲の魔物まで有効か分からぬ以上、魔物との戦いであってもおいそれと戦場には出すわけにはいかん、お前自身も剣術等はしっかり身に付けておく必要がある!」


 そういえば女神様もスキルレベルがどうとか言ってたな、全ての魔物には今は有効ではないのか、そうするとどうやってスキルレベルを上げればいいんだ。そう考えながら僕は頭を下げ執務室より出た。

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