紹介の為に
遺伝学があまり進んでいないであろうこの世界では魔物や動物の食性は種族により固定化されていると考えている。もちろん基本的には種族によるベースはあるが個体によっては主に草食動物に多いのだが、一部は肉食の可能性もあった個体も存在する。
それは牙の発達具合等から推察される、人間のように雑食動物といって、肉も野菜も主に食べる動物も存在する。
「確かに牙の発達具合は肉食のそれに近いかもしれませんが、アルミラージはこの身体の大きさではそこまでの肉食はできたのでしょうか?」
牙の発達具合では肉食はあくまで可能性を僕は推察したに過ぎない、そこで僕も今回の状況から思った事を述べてみた。
「そうだね、多分だけど普段はそこまでの肉食はしていなくて、人を襲わせて結果肉食をした事になったんじゃないかな?」
「そうですね、ホップンは別としても、普通のアルミラージはこの鋭い前歯で人や他の魔物にかみつくき、大きな傷を負わして死に至らすことはできますが、自ら食す事は考えにくいですね」
「うん、より凶暴性を引き出された結果の肉食かなと僕は思うな」
ホップンの先祖に魔法をかけて、凶暴性を引き出し、それを代々行っていたとしたら、戦闘用への育成をしていた事は想像がつくな。
思わず言ってしまったが、まだこれだって推測の域をでない。そんな話をしていたら、ミアが餌を持ってきてくれた。
「お待たせしました、ニック様」
「ありがとう、さあ、ホップンお食べ」
ホップンが美味しそうに野菜を食べていた。僕はなんかその様子が微笑ましかったが、テールより世話についての質問をされる。
「ニック様、ニック様が当面お世話をなさるとの事ですが、どのようにお考えですか?」
「モンスターテイムの効果を考えると僕から逃げる事もないだろうけど、他の人を襲わないか心配だな、よしまずは屋敷の人にホップンを紹介しよう」
「それがよろしいかと、ニック様に敵意のある者がこの屋敷にはいないと認識してもらう必要があるでしょう」
「ええっと、父上、テール、ミア、ゲイン、衛兵はもう大丈夫だろうから、母上やファル、キャシー、他の使用人にも紹介するか」
僕がそう発言するとミアがある提案をする。
「あのニック様、それでしたらホップンの歓迎パーティーをするのはいかがですか?」
「歓迎パーティー、そうかそれでみんなに知ってもらえばいいのか」
「ニック様、そうするのでしたらガリアス様にお話ししてみては?」
「そうだな、言ってみるか」
ホップンの歓迎パーティー、喜んでくれるといいな。
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