牙の成長具合
ホップンの餌の為にミアやキャシーを探していた僕とテールはミアを見つけるが早速ミアは僕が魔物といる事に驚きを隠せないでいた。
「ミア、驚かせてごめんね、でもこの魔物は人を襲ったりしないから大丈夫だよ」
「そ、そうなのですか?」
「ああ、実はね……」
ミアにも女神様の事は伏せながら僕がモンスターテイムというスキルに目覚めた事を話し、そのスキルによりホップンを手懐けた事を話し、同時にホップンの名前も伝えた。
「父上より、スキルの事もあるから当面は僕が直接世話をする事になったから、なにかホップンの餌をもらえないかな?」
「餌とおっしゃられましても魔物、そのアルミラージはどのようなものをお食べになるのですか?」
「待って、僕がホップンに聞いてみる」
「ニック様、そのような事もできるのですか?」
実は僕はモンスターテイムを使ってからホップンの訴えたい事が分かるようになり、言語として正確に伝わっているのだ。
「ホップン、君が食べたいものを教えてくれるか」
「キューーーン」
「ふむふむ、なるほど、ミア、野菜の残りはないかな?」
「はい、ご用意いたします」
そう言って、ミアは食器を用意し、食糧庫に残っている野菜を探しに行った。その間にテールが僕に話しかける。
「ニック様、元々アルミラージは草食でしたが魔法の影響か人間である我々を食す勢いの牙の向け方をしていました」
「そうなのか、その魔法は食の好み、というより魔物の嗜好まで変えてしまうんだな、でも気になる事もあるな」
「何でしょうか?」
「見てくれテール、ホップンの牙は大分立派な牙だ、いくら魔法の影響下を受けていたとはいえ、草食の魔物が一代でこんなに発達するとは思えない」
魔物というより、動物の歯はその動物が肉食か草食かによりその発達具合は大きく異なる。しかもそれは個体にとどまらず遺伝していく要素でもある為、先祖の食性は無視できない要素なのだ。
「ニック様、それは一体何を意味するのですか?」
「これは僕の推測だが術者は個体でなく一族として囲って、そのような魔法をかけていたんじゃないかと思う」
「……あのニック様、私は魔物や動物の食性は決まっていたものと思っていたのですが、まさか一族内でもそれほど違っていたとは思っても見ませんでした、教育係としてお恥ずかしい限りです」
「あ!い、いやあ、ぼ、僕もなんとなくそう思っただけだよ、ハハハ……」
そっか、この世界はそこまで遺伝学が進んでいないのか、気を付けないとな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます