テールがミアのいる食糧庫に父より許可を頂いた事を伝えに行ったのを僕も追いかけるように食糧庫に向かうと真正面からテールとミアが一緒に歩いてテールが先に僕に声をかけた。

「ニック様、先程ミアにガリアス様よりいただいたホップンの歓迎パーティーの許可を伝えたので、これより他の使用人にもミアと共に伝えてまいります」

「そうか、それじゃあ僕も一緒に行くよ」

「あ、あのニック様はもうお部屋に戻っていただけますか」

「どうしてだいミア？」

　どういうわけかミアは僕に部屋に戻るよう言って、その理由を話し始めた。

「あのですね、先程テール様より提案していただいたんですけど、最初はニック様の初陣を終えたパーティーとして始めるようにお伝えして、ニック様がご登場した際にホップンの紹介もするという形はどうかと」

「これならホップンの存在もみなが一気に知る事になりますでしょうし、ニック様が従えているので害はないという事もアピールできるかと思ったのですが、いかがでしょうか？」

　いわゆるサプライズパーティーってわけだな、そういう事なら僕も大賛成だ。

「いいよ、それじゃあパーティーまで部屋にいるね」

「はい、ごゆっくりとお休みください」

　テールとミアの提案を受け、僕は自室に戻り、ホップンと過ごす事にする。

　あ、ホップンも僕の部屋に入るとすっかり眠ってしまったな、疲れていたのかな。今はいいけど、ホップンをずっと部屋に置いとくと汚されてしまうかもしれないし、掃除が大変になるだろうな。ゲインに頼んで小屋みたいなのも後で作ってもらおうかな。

　それにしてもこのモンスターテイムのスキルがどうして僕に与えられたんだろうか？魔物を使って悪さをするのを防ぐため？それとも人間と魔物も仲良くするべきって考えなのかな？よし、ちょっと聞いてみるか。

『女神様、どうして僕にこのスキルを与えてくれたんですか？よろしければ教えていただきたいです』

　……、反応がない！こっちから呼びかけてもダメなのか、何かの時に女神様が助言をくれるパターンか？うう、これは少し不便かもしれないな。

　少なくともモンスターテイムを使えば魔物をある程度の強さまでなら懐かせる事ができる、これだけは確かだ。少し試したいが、当分戦場に出る事はなさそうだしな。

　こうやっていろんな事を考えていたら部屋の扉をノックする音がした。

「ニック様、パーティーの準備ができました、おいでくださいませ」

「ああ、今から行くよ」

　さてとホップンの紹介をみんなにしないとな。

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