06_雨上がりとびしょ濡れの彼女

//SE 雨の音(トタン屋根に雨が当たっている音、かなり弱い)



「雨、止んできたね」//優しく



//SE 車の走行音(濡れたアスファルトを走る音)



「うん、名残惜しいけどもう離れないとだよね」


「抱きしめてくれてありがとう」



//SE 彼女から離れる音



「ん~~!」//体を伸ばしている


「ふぅ」


「君と抱き合っているのが気持ち良くて体が完全に固まっちゃった」


「これから帰らないといけないのだるいなぁ……」


「君は明日には向こうに帰るんだよね?」



//SE 雨の音(トタン屋根に雨が当たっている音、かなり弱い)



「そうだよね」


「君は明日には都会に帰っちゃうんだよね」


「じゃあ、この雨、このまま止まないで欲しいなぁ……」//一人ごとのように



//SE 雨の音(トタン屋根に雨が当たっている音、かなり弱い)



「……」


「……」


「ぐすっ……」//鼻をすする音


「あっ……」


「な、なんでもないよ!」


「ただ君が帰ると思ったら寂しくなってきちゃっただけだから……」


「ぐす……」


「ご、ごめん」


「お、おかしいなぁ、楽しい時間が終わると思ったら急に――」//弱々しく



//SE 雨の音(トタン屋根に雨が当たっている音、かなり弱い)



「ち、違うよっ!」


「これは、その……! た、ただ顔が濡れているだけだから!」//声を詰まらせながら


「濡れているからそんな風に……見えるだけで……」



//SE 雨の音(トタン屋根に雨が当たっている音、どんどん雨の音が弱くなっていく)



「うぅ……」


「ぐすっ……」



※雨が弱くなると同時に彼女の泣き声が段々と大きくなる



「み、見ないでぇ……」


「今日は……楽しい時間にしたいと思ってたのに……」//声を詰まらせながら


「もう終わっちゃうと思ったら涙が勝手に――」



//SE 雨の音(トタン屋根に雨が当たっている音、かなり弱い)


※次第に雨が完全に止む



「見なかったことにしてぇ……」


「ぐすっ……ぐすぅ……」


「あ、雨、止んだみたいだからそろそろ行かないと風邪引いちゃ――」



//SE 衣擦れの音

(彼女を抱きしめる)



「んっ……!?」



//SE キスの音



「んぅ……!?」


「んぅ……」


「……」



//SE 衣擦れの音

(彼女から離れる)



「……」


「……」


「……」


「……」


「……い、いきなりキスはズルくないでしょうか?」//とても恥ずかしそうに


「わ、私が雨が弱くなると同時に泣き始めるからって……」


「だって急に寂しくなっちゃったんだもん……」


「……」


「……」


「ねえ、もう一度して?」



//SE 衣擦れの音

(彼女を抱きしめる)


//SE キスの音

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