第3話§プロローグ①§
§プロローグ①§
いつも同じ夢を見る。
二階建ての木造で出来た家を真夜中に大きな石に座り、その
それはとても懐かしい風景のように確かに僕の心に小さな
大きな石から真っ直ぐ行けば玄関前の引き戸があり、その僕から見て左横には埋め立てられた井戸があり、そこには水が
僕は家から
引き戸はガラガラと音を立てて開いたが、どうやら中にいる人は誰一人として気づいていないようだった。
うん。やっぱりそうだ。と、納得する。
玄関扉を渡った先の左に階段がある。それは左側にあり、右側はガラス
僕は中へと入った。玄関で
中へと入ると左はキッチンやトイレや風呂場と
平凡でどこにでもあるかもしれない
いや、見とれていたのかもしれない。
母と父と姉と弟。
そんな
平べったいテレビのモニターの
母はそんな姉を優しく
弟はまだ幼くお母さんッこなのか、母の近くでちびちびと小さな口で食事をしている。
僕の
その内、家族団欒の光景があまりに
戻れるなら戻りたいと──────
毎日、見るこの夢の終わりには必ずサプライズがある。母が僕を通りすぎキッチンに行く。
あまりに
父は奥の
そうして、父と母の
幼い僕は「見ていい?」と包装の
どうやら食べることを諦めたようだ。姉は
蝋燭6本に灯火がつく、父と母と姉は、あのハッピーバースデーの短い言葉を手を叩いて歌い、姉は手元にあるクラッカーを鳴らして、「おめでとう、
立ち尽くして、うつむく僕はそれから
幼い僕は包装紙を
僕は、そう当時の僕は幼い顔に幸せな笑みを浮かべた。
一連の流れを
そして、僕は囁く───「もうたくさんだ…」と様々な痛みを
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