第31話 治療

「起きてのら。お願いしたいことがあるのら。」


彼女がそう起こしているがなかなか起きない。かれこれ起こし始めてから、5分は経ってるぞ?


「む…全然起きないのら…仕方ない、水攻めにして起こすのら。」


そう言って彼女は下の方から彼の体に沿うように水を形成する。おぉう…


「ん…?って、なになになに?!ちょっと待て。話せば分かる。」


「やっと起きたのら。お願いしたいことが…」


「断る。」


氷室が二度寝をしようとする。それにキレたのか、彼女は笑顔で水を滝のようにかける。


「どわぁっ!なになになに?あっ…ごめん!ごめんて!やるから!やるから許して!」


あっ…の時点で全てを察したのだろう。助けを乞うてきていた。最初から受ければよかったのに…


「全く…最初からそうしておけばよかったんですよ。」


「んで、なにを…あぁ…なるほどね…」


俺を見た瞬間に彼女の言いたいことが分かったのだろう。『やらなきゃいけないのか』という声が氷室の心の中から聞こえる。ごめんねぇ!わざとじゃないんだよ!


「よろしく。ちょっとこいつだと、俺が死ぬから氷室しか居ねぇんだよ。」


「分かりましたよ…やればいいんでしょ!やれば!」


氷室がそう諦めたように言ってこちらに歩いてくる。え?まさかナイフ抜いて氷で固めるとかいう、荒業しないよな?そんなことしたら死んでも恨むぞ?


「はぁ…まず、ナイフを固定しますね。帰るときまで生きていたら病院で抜いてもらって下さい。よく、そんなに深く突き刺さっているのに助かりましたね。でも、動き回ったせいで出血がひどいので、直接、圧迫止血法を行いますね。少し痛いかもしれませんが、我慢して下さい。」


なんでこんなに詳しいのだろう?普通の人間だったらこんなに知らないはずなんだが。って、痛った!え?こんなに押すん?


「なんでこんなに詳しいのら?医師とかのらか?」


「違いますよ。まぁ、医師になろうとしているのは正しいですが。だからこんなに知っているんです。」


そうなんか。なんかここに集められているやつ有能じゃね?戦闘能力高いやついるし。田中も…まぁそうか。あと、この女の人とか。


「大久保、ありがと。清潔なガーゼを持ってくれてて。あと、なんかうまく、ナイフを固定しといて。僕、左手無いから無理なんだよ。」


「わかったのら。というか、なんで左手が無いのら?さっきからめっちゃ、気になってたけど。」


おい!そっちを向きながら固定しようとすんな!痛い痛い!


「大久保…だっけ?しっかり見てやってくれないか?めちゃめちゃ痛いんだが。」


「あ、ごめんのら。…固定するの難しくないかのら?どうしてもズレるのら。」


「結局、僕がやるのか…仕方ないなぁ…」


手際よくナイフを固定して、氷室は壁に寄り掛かる。


「じゃあ、話すね。僕がどうしてこんな状態になったのかっていうのを。」


俺は黙って楓と交代した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「断る。」


どうもこんちは。むぅです。


今回の【治療】の回。めちゃくちゃ調べたんですよ。グーグル先生に、


ナイフ 刺された時 治療法 とか、

ナイフ 刺された時 応急処置 とか検索したんですよ。そうしたら、グロテスクな画像がヒットして、今ちょっと気分が悪くなってます。(バカか?)


治療法は分からなかったので、応急処置の方を選択しました。検索に一時間ぐらい掛けましたね!


以上!

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