第28話 しぶとい奴
さっきから、こっちに向けられている視線が痛いんですけど…。しかも、今システムのせいで、鬼の能力が使えなくなってるんだよね。立場が逆転したときには使えると思うけど…
まだ水浸しになってるから動きが鈍くなってるんだけど、多分、水が抜けたら確実に殺しに来るよね?だって、殺そうとしたもん。殺そうとしたら、殺されるのも無理はないからね。
「うん…大久保さん、三島くん。逃げよっか!」
「ふざけるなのら〜!」
「僕まで巻き込まないで下さい!あー、もう!」
ごめんねぇ!でも、傀儡化の作業は僕がやったわけじゃないから!やったの大久保さんだから!
後ろからバシャバシャという音がする。これはまずい!
「まぁ…お二人共逃げないんだったら別にいいけど。じゃあ、僕は逃げるわ。じゃあね〜」
おい!という声が聞こえたが、聞かないことにした。立ち止まってたら死ぬからね!
「置いてくなのら!危うく捕まるところだったじゃないかのら!」
そう文句を言ってくる。仕方ないじゃん。自分だって生きたいもん。
「はぁ…はぁ…それで、どうするん…ですか?いま…めちゃくちゃ…追いかけられて…ますけど…。」
息を切らしながら、こちらに聞いてくる。え?まだ300mも走ってないよ?
「とりあえず、固まっていると危ないのら!一旦離れるのら!」
そういう意向で、三人離れることになった。できれば、氷室さんと会って行動したいけど、会えるかどうかすら怪しいからな…
後ろから声を受け続けながら、僕は走る。さっきまでついてきていた、鬼たちはもういない。はぁ…疲れるな…8人の逃げる側に対して、30人で襲いかかってくるんでしょ?辛いなぁ…
すると、ふらつきながら誰かが歩いてくる。これで鬼でも捕まえるのは無理があるから、ちょっと近づいても大丈夫かな?
しっかりと僕が認識できるぐらいに近づく。え…?見間違い…かなぁ?
「氷室…さん?」
「ん…?あぁ…楓か…」
何故か左の手首の下からがなくなっている。そこから血が滝のように出てきているのが見えた。このままじゃ…
「今、手当をしますから。とりあえず、血を止めます。少しの間、動かないで下さい。」
僕は靴紐を取り、手首の骨の出っ張りあたりの上を縛る。頼むよ。血が止まってくれ…
滝のように流れていた血が、だんだんと流れる量を減らしていくが、まだ止まらない。そこで、僕はもう一つの靴紐を取り、きつく結ぶ。そして、完全に血が止まった。
「あぁ…ありがと…でも…少し寒いな…」
そんな事を言われましても…僕の服は少し小さいからな…どうしよう…
「おお、おお!また会ったな!クソガキ共が。一緒にあの世送りにしてやるよ。」
聞きたくもない声が聞こえる。実際見たくもないのだが、声がした方を向く。
「ほんっと。しぶといよな。田中…」
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ほんっと。しぶといよな。田中…
どうも。こんにちは。むぅです。投稿が遅くなりました。はい。
やっぱり作中の田中って、本当にしつこくて、しぶといですよね。お前一回死んでんだから大人しくしとけって感じです。こいつについてキャラ構成を作ったらこんなキャラになってしまいました。こんなんじゃないと連続快楽殺人鬼じゃないから。と思い直します。
以上!
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