第18話 決着
威勢を張ったのはいいのらが…普通に不利のらよ?だって、水の柱を作って、上から攻撃してきてるんだもん。ただの陰キャ引きこもり戦法のら。どうすれば…
「どあっ!危ないのら!いい加減上から降りてこいのら!フェアじゃないのら!」
「いやぁ、僕が降りたところでねぇ…貴女、左腕折れてるでしょ。両腕が十分に使える僕と、片腕が使えない貴女では、もうフェアじゃないのよ。だから、僕が降りたところでって話になってくるから、僕は降りなくて良い☆」
「降りてこいのら!すき家で3色チーズ牛丼(特盛・温玉つき)を頼んでいそうな、いかにもな見た目の陰キャ!」
「あ?僕をあのネットミームの絵と一緒にしないでくれないかなぁ?あと僕チーズ嫌いだし。ちょっと怒っちゃったわ。もっと高度を上げてやるわ。」
あ、やべ、もっと高度をあげちゃったのら。どうしようのら…
「あの…ぼくの…能力を…取ってください…できれば…」
私をこっちに呼んできた子がそういう。
「で、でも…」
私が言葉が見つからなくて、黙っていると、その子が、意を決したような顔をする。
「貴女が妖か、マジシャンを持っているのであれば、僕の指を切り取ってでも使ってください!あいつを止められるのは貴女しかいないんです…。」
彼の悲壮な声に対して、私はあの鬼を倒すことしか彼が報われないと察した。
「…っく、分かったのら…貴方の指一本とスマホを貰うのら…」
「お願いします。僕はもう死んでしまうので。」
私は彼の指にナイフをあてがう。罪悪感で涙が溢れ出てくる。
「あああっ!」
私は泣き叫びながら彼の指を切り落とす。
彼は苦痛で顔を歪めたが、その後笑顔になり、
「頑張って」
そう掠れた声で私に向かって言った。彼はもう死んでしまったのだろう。私は鬼の方を見る。
「ぜってぇぶっ潰すのら。」
そう口にする。攻撃が飛んでくる。スピードがゆっくりに見える。彼から貰った忍者。絶対に無駄にしない。
「【忍者】使用。」
体が透明になる。タッチなどは有効らしいので、そこだけは気をつけないといけない。だが、そんなのはもう頭の中にはなかった。
私は無我夢中で水の柱を泳いで登る。途中で攻撃が飛んでくることがあったが、全て遅いため、木刀で全てを斬る。やがて、目から血が出てきたが、気にしない。
「やっとついたのら。さぁ、貴方が死ぬ時間のら。覚悟しろのら。」
「何を言ってる…なっ!」
妖を鬼につける。そして、瞬時に忍者に変える。これで私が鬼のら。
「妖は鬼と交換できないっていう条件はないのら。さぁ、最低でも貴方に無関係ない人の命を1人奪ったんだから、今度はお前の番のら!」
私は元鬼と一緒に落ちる。そして、私はそいつから離れ、水を使って着地する。
それと同時に、隣から「ぐしゃっ」という音と、断末魔が聞こえる。だけど、のたうち回っているからまだ生きているみたいのらね。
私はゆっくりと、元鬼のところに行く。
「ねぇ、聞こえる?人を傷つけたり、殺すことができるのは、痛めつけられて殺される覚悟がある人だけのらよ?私はあるからこんなことができるのら。じゃあね。せいぜい藻掻いて死んでいけのら。」
何を言っているのかがわからない元鬼をおいて、私は二人のもとに帰っていく。
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