第9話 開戦〜焼炙地獄〜

「俺は、何年前だっけな。楓が10歳の頃だから…6年前か。6年前、俺は田中幸三快楽連続殺人犯に殺された。


その時は土曜で、皆が思い思いに過ごしていた。


俺は中学受験のために家で勉強をしていたがな。


午後2時ぐらいだったかな?家のインターフォンが鳴った。


暫くして、母の悲鳴が家の中に木霊した。家内はもう騒然となった。


父が110番をかけて、止めてくれていたがそれも銃声一発で終わった。


俺は楓を物置の隅に追いやり、いろんなもので蓋をした。そして自分も懸命に逃げたが、あと一歩のところで殺された。


死ぬ間際の記憶はある。玄関で刺されて、その瞬間に警察が入ってきた。そしてあいつは俺を盾にしてベランダから逃げた。


俺の家は一軒家だったからな。そして気づいたら楓の精神の中に入ってたって訳だ。


なぁ、なんか違うか?田中幸三連続快楽殺人犯?」


「わ、悪かった!だから、許してくれ!」


「え?やだ。なに?許してくれると思った?滑稽だねぇ。」


にたぁと笑う。それにあいつは怯えて、


「この、この悪魔がっ…!」


「連続殺人犯が何を言ってんの?さぁ!償う時間だよ!タッチで楽に死ねると思うなよ!


鬼さんはリストバンドつけてないからな!さぁ!いままで殺してきた人達の分も償うんだな。うーん。まずはぁ…こいつに手は要らないね!手の指をまずは5本!切り落としていこうか!」


「やめろ…やめてくれ…」


「嫌だよ〜おっ、ラッキー!ライターあるじゃん!これで失血死は無くなったね!」


「いやだ…やめ…ぐああああ!」


「まずいっぽーん!知ってる?小指って失うと握力の50%を失うんだよ!だからまず小指だね!あ!止血しなきゃ!ライターカチー」


「ぎゃあああ!アツイ、アツイ!」


「あとさんぼーん!」


「にほーん!」


「いっぽーん!」


指を切り落とす度に声にならない悲鳴が聞こえる。


「やめてくれ…ほんとに…」


「人を殺すってことは、痛めつけられて殺される覚悟があるやつだけだよ?分かる?」


「分かったから…もう…」


「じゃあ、クイズに答えられたら指を切り落とさないであげる。答えなきゃ続けるけどやる?」


「や、やります!」


「じゃあ、君が代の作者は?」

 

「た、田中角栄?」


「作者不明だろこの非国民が。」


「ぎゃあああ!なんで指2本も!」


「あれぇ?言ってなかったっけ?間違えたら指一本追加って。まあいっか!2問目!金メダルを日本で一番多く取ったのは?」


「え…?知らない…室伏広治?」


「違うだろ非国民。加藤沢男だろ。」


「ぐあああああ!」


「ちょっと2問連続で間違えるはねぇ…だから、3本切り落としちゃった!テヘ!」


「もう、やめて…」


「うーん。それじゃ、最後の問題だよ。これ正解したら解放してあげる。だけと、間違えたら…どうなるか分かるよね?」


「や、やります、やります!」


「オッケー!最終問題!2の100乗は?」


「は?知らないよ…」 


「ごー、よーん、さーん…」


「に、二億!」


「1.2676506e+30だろ。アホが。」


「知らないってぇ!ぎゃあああ!」


そうして、あいつは息絶えた。


「復讐完了っと。」


俺は立ち上がった。

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