第8話 開戦〜大叫喚地獄〜

解離性同一症…いわゆる二重人格である。

二重人格が発生する原因は自身に極度のストレスなどがかかると発生すると言われている。この症状が出た患者はトラウマになった出来事、又は外傷的出来事などを普通なら容易に思い出せるはずの情報を思い出すことが出来なくなる。つまり、極度のストレスがかかることで新たに作り出した人格にストレスなどを肩代わりして貰う。そう言ったものである。

楓は田中に家族を殺されたのと、目の前で飛鳥が殺された。この2つが合わさり、楓に極度のストレスがかかった。よって、人格を生成できる状態になったのだ。そうして作り出された人格が だったのだ。


【龍勢視点】

「おっそ…よくそんなんで人沢山殺せたな…」


軽蔑したような声で言う。さて…どうやって殺すかねぇ…


「んだとぉ…お前…ふざけるのも大概にしろよ…」


あいつの頭に血が昇る。いや、本当の事言ったまでだがなぁ…


あいつが直線的に突っ込んでくる。あー、だりぃ。なんか死ねぇ!とか言ってるし。ま、いっか。


「なぁ鬼。トドメ、刺したいか?」


「あ、あぁ。刺したいさ。そりゃ…」


「桶丸水産」


俺は相手の手を止める。


「ははっ…お前は今片手しかない。だからなぁ、この攻撃は受けられないんじゃねぇかぁ!?」


そう言って、あいつは右手に隠し持っていたナイフを俺に向けて刺そうとする。だが、その手にナイフはなかった。あったところで知ってたからなんとかなったんだけどね。


「なっ…!なんでないんだよ!俺の…」


「君の探しているのはこれかな?」


鬼が笑みを浮かべてあいつのナイフを持つ。


「おい!お前!返せ!」


「え?嫌だ。それよりそっちの心配したら?」


「はっ、あいつは片手しか無いんだぞ?そんなの心配したってあいつが攻撃してくることぐらい、事前に分かるわ!」


「そういうの、フラグっていうんだよ。」


俺は足に付けておいたダガーナイフを使い、アキレス腱を切る。


「鬼さん、さんきゅ。」


「会ったのが僕でよかったね。僕の能力【隠密】じゃないとこんな芸当できないから。」


そう。こんなことになるのを見通して頼んでおいた。何故か【隠密】とかいう能力が使えるから、透明になってもらって、その間に付けてくれた。


そうして、両方のアキレス腱を切ったところで…


「さぁ、人体解剖ショーの開幕だよ!」


鬼に腕を押さえつけて貰う。その時、あいつが救いを求めて来た。


「な、なぁ。す、すまなかった。だから、命だけはっ…」


「あぁ?聞こえねぇなぁ?なぁ、って知ってるか?俺はなぁ、 

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