第7話 開戦〜叫喚地獄〜

くっそ、後ろにあいつがいるから逃げることできねぇ…


逃げることを考えるのだがすぐに断念する。さっきの首を締められたときに思い知った。


次この人に反抗したら確実に殺されると。


だが、そのまま従い続けていても殺される。いつか脱出しないと…


「おい。逃げ出すとか考えんじゃねぇぞ。」


「え、ええ…も、勿論。流石にそんなことはしませんよ…はは…」


「そうだ。お前、役職は何だ。裏切り者とかだったらすぐにお前を殺す。」


「ただの市民ですよ。だから期待しないで下さい。」


「本当かぁ?じゃあスマホを見せてみろ。」


フッフッフッ。こう言われると思って誰かのスマホを拾っておいたんですよ。ロックついてなくて助かった〜


「よし。市民だな。まあいい。俺の盾になって進め。」


ほんっと、鼻につく言い方するなぁ!鬼と会ったらお前なんか…


「楓!」


飛鳥!?なんでこんなにタイミングが悪いときに来るんだ!


「楓!さっきはごめん!だけど早く逃げよう!ここは危な…い…」


飛鳥のお腹が血に染まる。


「誰がこいつに話しかけていいと言った?言ってねぇよなぁ!言うだけなら殺さないであげても良かったが逃げようとしていたからなぁ。殺すことに決めたんだよ。その行動を取ったお前が悪いんだからなぁ?あぁ?」


「かえ…で…逃げて!鬼が…鬼が近くに…がぁっ…」


「ほう…喋るとはいい度胸してるじゃねぇか。なぁ、知ってるか?ナイフをな、捻って抜くとな、足から力が抜けていくんだよ。」


「かえ…で…は…や…く…に…げ…て…」


飛鳥が足から崩れる。


「あす…か?」


僕は何もできなかった。ただただ見ているしかなかった。助けに行けなかった。足がすくんで…いや、助けに行く勇気がなかっただけだ。あ、あ、あ。


「あー?逃走者同士で殺し合ってんのか。滑稽だな。まあいいや。俺はハゲのほうを殺せばいいし。もう片方は…まいっか。これの家族に危害加えてないし。」


僕の後ろから青年の声がする。振り向いて見たところ、18歳ぐらいだった。


「鬼…なんですか?」


「ん?そうだが。」


僕の体が何かに乗っ取られる気がした。


「はは…あはははははははははHAHAHAHAHAHAHAHA!ようやく、ようやく復讐するときが来た!どんな手段で殺してやろうか?ああ!?なぁ鬼さんよぉ、俺の役職裏切り者なんだわ。だからよぉ、このハゲをぶっ殺そうぜ!となぁ!」


殺意を全面的に出す。ぜってぇこいつを殺す!あ、そういえば武器持ってなかった。


「おい、鬼。」


「は、はい?」


「武器なんか持ってねぇか?」


「一応ダガーナイフなら…」


「よこせ。」


「は、はい〜」


鬼からダガーナイフを受けとる。使いやすっ


「な、なあ。君の名前は、なんだい?」


鬼が聞いてくる


「あ?俺の名前か?」


ハゲのナイフでの攻撃をダガーナイフで受け、折る。


「俺の名前は だ」

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