第3話 げぇむすたぁと
「ん…?」
目をパチっと開ける。体が重くて起き上がれない。体に力をこめているが異様と言っていいほど起き上がらない。なんで…
「全員起きたか。今君たちには《私たちの幹部》にちょちよいとやってもらっている。大丈夫だ。そのまま《空気の質量》を変えて押し潰そうとかは考えてないからな。安心しろ。じゃあ、スマホに役職。配ってあるから。見とけ。それじゃ。げぇむすたぁと」
彼女はガチャという音とともに声が聞こえなくなり、体がふっと軽くなる。よかった。そのまま動けなくなるかと思った。でも困るな…飛鳥と離れちゃった…
「とりあえず…スマホとやらを確認するか。って、どこにあるの?」
僕は体中を触って確かめる。すると、胸ポケットの辺りに硬いものが触れる。
「あったあった。」
自分のスマホじゃないのが出てくる。よかった。勝手に解除とかされてなくて。僕はスマホを開いて【役職兼ルール説明】というところを見る。まずルールから見るか。
【るぅる】
このげぇむでは、鬼と逃げで分かれている。鬼には赤いリストバンドが配られており、それを付けないとタッチすることができない。
鬼にタッチされた場合は脱落。簡単に言えば死ぬ。制限時間はない。鬼は全員を捕まえれば勝利。逃走者は定期的に行われるイベントなどでここから逃げ切れば勝利。
だが、逃れるイベントは2日後以降に出現する。能力以外で相手を倒した場合、仮死状態になる。仮死状態になったプレイヤーは、ゲーム終了時にその状態であった場合、そのまま死亡する。
「…馬鹿げていやがる…なんでこんなことをするの?」
僕はるぅるを見て気分が悪くなる。これ、鬼にタッチされたら死ぬんでしょ。絶対に嫌だ…僕はまだ…
「大丈夫デスカ?」
後ろから声が聞こえる。誰…?
「君、弱そうだねwwwだから助けてあげるよww」
「は?」
へらへらと彼が歩いてくる。こいつ…鬼だったら絶対に許さない。
「あなたの名前は?答えてください。」
多少キレ気味で僕が言うと、
「HAHAHA☆僕ゴンザレス、山田ゴンザレスだよ!」
初っ端からやばい人物に出会ったが、敵意は感じない。自分、敵意がある人は話すだけで分かるんだよね。この人は一旦信用しよう。
「はぁ、僕の名前は三風楓。一旦一緒に行動するけど、完全には信用してないからね。」
「別に良いデスヨ!IT'Sもそう言われますノデ!」
「…ゴンザレスさんって、外国人?」
「そうデスヨ!なのでちょっとカタコトなんデスヨ!」
「な、なるほどねぇ…」
僕は変な人と行動することになってしまったようだ…トホホ…
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