3
「どうして生きているんだろう」
私の心が、乾いてしまった。彼には申し訳ないけど、私の出番は、ここまでだ。
「答えは簡単だ。俺はお前が居るから、居てくれているから生きている。お前は俺が居るから、生きている。二人はお互いのために。それだけで十分だ。そうだろう?」
ああ、高貴なる誓いの言葉だ。純粋こそが世界を穿つのだ。私をその言葉が穿いたから。
それから、苦しい時も楽しい時も、どんな時でもお互いを支え合った。逆らいようのない恋に落ち、深いところで繋がった。これでいい、と私は思っていた。
「これだけでいいのか?」
「え?」
「お前が言ったろ、二人の未来って。もう俺たちは離れられない。俺はお前を離さない。例えお前が逃げても、地の果てまで追いかける。もう諦めろ」
「……悪魔。ま、いいけど。温度差はあるけど、私も好きだから」
「ははっ、俺が悪魔ならば、お前は天使だな。俺を癒す、温かい羽で包み込む天使」
そう言って、彼は懐から取り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます