　私と彼は親交を深める。独りと独りは、近付いて二人になる。「友人」という名前から、「恋人」になった。彼が私を求めて、私が彼を求め……もうお互いのことは離せない存在となって居た。

「何してたの？」

「考えてた」

「何を？」

「二人の未来。ずっと一緒に居たいな、って思ってさ。……居られるかな？」

「はははっ、何言ってんの。居るさ。言ったでしょ？離さないって」

「うん、ありがとう。離さないで、離さないから」

　そう……もう離れられない。こんなに深く愛し、愛されているということを教わった。彼に、もう苦しんでほしく無い。「貴方はもう大丈夫」と伝えたくて、出来ることは何でもした。それが正しいと思っていた。彼を手遅れになる前に、未練を作らないように、抱きしめて、物語を話して、愛している。

　だが、無慈悲。　

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