頼みごと
「助けてくれてありがとうございます」
「はぁはぁ、意外に足速いね、流石だよ」
あ、危なかった〜
ま、まぁボクなら、こんな危機なんてすぐに解決できちゃう!
わけないから、かなり助かった
「ぎゅぅぅぅ〜!」
「わっ!苦しい苦しい……」
いきなり抱きついてくる
な、何がしたいのか、まったくわからない
「あ、ごめんねっ!自己紹介しなくちゃ!」
「いや、それより早く離れ……」
「わたしの名前は
「わっ、わかったからわかったからぁ……落ち着いてくださいっ!」
なんとか離れることに成功した
今のボクのどこかいいのか……わけがわからないよ
いきなり抱きついてボクの匂いをクンクン嗅ぎやがって……
ま、まぁ別にいいけどさ……
「わたし、キミと一緒の1年生なんだ!幽香って気軽に呼んでほしいな!」
「ふ〜ん、ま、まぁボクにはキミに助けてもらった恩があるから、こほんっ、特別に呼んであげよう、幽香……こ、これでいいかい?」
女の子のことを名前呼び……
ち、ちょびっとだけ恥ずかしいな……
「は、はわわぁ……」
「ち、ちょっと!しっかりするんだ!」
「──名前呼び……」
な、名前呼びだけでこんなになるものなのか?
まずは色々と確認しないと…-
い、息はあるな……?
うん、脈もある
うん、心臓動いてるのか確かめたいけど、セクハラになるかもだから……やめておこう
顔が真っ赤になってるけど、満足そうな目をしている
と、とりま、脈を測ってる手を離してみよう……
「はっ!わたし、気絶してた?」
「う、うん……」
「ま、まだ頼みたいことがあったの……!」
頼みたいこと……?
ボクに、今のボクに、かぁ……
役に立てそうにないな……
「あ、あのね!わたしとね、」
「うん、わかった、落ち着いて」
「うん、すーっ、はーっ、えぇと、ね」
落ち着きがないな……
ま、ままままさかボクにとんでもない要求をしてくるんじゃないだろうな?
いきなり抱き着いてきたから……
裸見せろ……とか……
た、確かに、助けてもらった恩はあるけど、そこまではしたくはないさ!
それにボク、すごく華奢だしさ……
「んと、んと、すっごく恥ずかしいことだけど……」
ま、ままままさか!
せ、せ、セックスしてほしいとか言わないよな!?
ボクまだセックスしたことないし、なんならキスだってまだだし……
なんなら、セックスしたくないし……
あぁ!もうっ!なんでボクはこんな思いをしなくちゃならないんだよ!
早く言ってくれ!頼むから!
「と、と、」
「と?」
「お友達……わたしとお友達になってくれませんか!?」
なんだ、そんなことかぁ……
ボク、てっきりもっとやばいことさせられると思ってドキドキしてたんだよ?
まぁ、お友達、かぁ……
ふふっ、いい響きだ
そ、そういえばボク、入学してから作ってなかったな……
……よし!
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