キミを助けるのはいたって普通のことなんだよ
あのキス&告白事件の翌日
ボクはちょっと気まずいなぁと思いながら登校した
だってさ、またあの女と……ばったり会っちゃうかもしれないじゃん
それはイヤだよ……
だってまたキスされちゃうかもしれないし!
あの雰囲気なら……セックスだって、あるのかもしれない
運の良いことに、そいつとはクラスが別だった
運の風向きはこちらにある!
と、言いたいとこだけど、本当に風向きがこちらに向いてるならこんな面倒事なんて起こんなかったはずだ!
「ふんふふふ〜ん♪およ?」
なぜだろう?ボクの下駄箱に一通の手紙……
まさか……まさかっ!
青春あるあるのっ!
果し状
なのかっ!?
ボクはチビだし体重軽いからフィジカルないんだよ……
だから、決闘とか喧嘩はボクには無理だ
ま……まぁ、果し状と決まったわけじゃないし、とりま、とりまとりま、中身見てきますか……
放課後、体育館裏に来い
キスされて動揺していた人へ
スゥ~ッ……
あ、はい、これ完全に果し状すね……
ま、まぁ、来ないって言う手も考えられる
けどね……そしたら、絶対に面倒事になりそうな予感がするんだ!
だから、腹をくくって……行くしかないね……
「呼び出された場所は、ここ……」
放課後になったので、ボクはおとなしく呼び出された場所に行く
この場所、確かに死角が多くて襲撃にはぴったりな場所だ
目的は何かわからないけど……ボクはどの道最善を尽くそう
「ねぇ、あんた?」
「何その格好、男っぽくなくてダサくない?」
来たようだね
人数は2人
襲撃、という手を選ばずに正々堂々と来たのか……
ボクのプライドをぐちゃぐちゃにするためなのかな?
「君たち、ボクに何の用だい?こんな人気の少ない場所に呼び出して、何がしたいのかい?」
「べっつに?ただ、アンタに聞きたいことがあるってだけよ」
「おや?それは何だい?答えれる範囲なら答えよう」
「それじゃ、質問するわね……」
さぁ、ボクに聞きたいことって一体何なんだろう?
ボクはここが地元じゃないし、知り合いもいないはず
しかも、ボクは新入生だ
人間関係のトラブルの線はないと考えるべきだろう
なら……まさか……
「結海……アンタにキスした女との関係を教えて」
なんだ、そんなことか
それなら簡単だな
「初見です、はじめましてです」
「はぁ!?ふざけてんの?」
どうやら、信じてもらえなかったみたいだ
くそ……詰め寄られてしまった……
「本当に?キスの関係なんだよ?」
「本当にはじめましてなんですって!ホントに!」
「でも結海、すっごく気持ちよさそうに満更でもない顔をしていたわよ」
「ボクはそんな顔してないんだけどなぁ……」
なんとか、この危機的状況を打破したい!
でも、どうすれば……
「あっ!先輩!」
「ちっ……」
「ほらキミ、逃げるよ!走って!」
助けに来てくれた女の子
ボクの手をきゅっと掴んで走ってくれる
そんな彼女に、ボクは率直な疑問をぶつける
「なんでボクなんかを助けてくれたんですか?」
「ふふっ、キミを助けることはいたって普通のことなんだよ」
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