第39話  魔性の3姉妹③


「ロカベルの魔法薬材と薬店」

ミーアの部屋で仮眠を摂っているメンバー達。


俺はソファーで寝ていたがなんだか寝苦しい‥‥


目が覚める。


『”シューピー”..”シューピー”..』


寝顔も.... 可愛いいぞ...アリー...

でもなんで?...ここで?....


アリーが俺の胸の上で丸まって寝ていた。

起き上がる訳にもいかず‥‥ 仕方なく腕力を駆使して持ち上げる。

そのまま身体を横にずらしてアリーをソファーにそっと寝かせる。


『”シューピー”..”シューピー”..』


寝息を立ててそのまま寝ていた。


んーん...かわいいぞ....アリー...


[”声にならない”声]で‥‥[”シ────”]


寝汗をかいていたせいなのか無性に喉が渇いていた。

キッチンにある鉄製の水差しを見つけて

[”シ────”]と心の中で呟きながら‥‥

ラグで寝ている2人を起こさないように

[そうっとそうっと]抜き足差し足で歩く。

起こさないようにアカリの横を無事通過。


[ふぅ] 一息入れた。


ジュリの横を通る。

[そうっとそうっと]抜き足差し足で歩いた。

ジュリの横を抜けようとしたら‥‥


『んん....変だー....』


ジュリが声を出した。

”ビクッ”として俺はジュリの顔を見る‥‥

寝言のようだ。 

”ほっ”とする俺だったが‥‥


『んん....』


寝言のような声を出しながら‥‥

ジュリが片膝を立てた‥‥


 [!!!]──── 


ジュリの美しいスレンダーな太ももがあらわに‥‥

「赤と黒の極小パンティー丸が出航します」と旗を上げる。

「ボ────ボ────」と汽笛を鳴らす。 

 美脚がなまめかしく出航を見送って‥‥

「暫くは会えないから元気でね...」と訴えかける。


俺は猛烈に血が昇る。


ミーアの部屋で性懲りもなくまた「△テント△」を張る。

ジュリの「赤と黒の極小パンティー」にどうしても目がってしまう。


”いかんいかん”....


気を取り直してキッチンの方へ目を向けて‥‥

[そうっとそうっと]抜き足差し足で歩く。

上手く横をすり抜けキッチンに辿り着いた俺は‥‥


『ふぅ』


小さく吐く。


[カップは‥‥どこだぁ...?]

さっきのジュリの「赤と黒の極小▽」に動揺してカップが探せない。

カップは洗ってあった‥‥ 目の前の「〝フック〟」にかけてある。


目の前にあったな...


自分自身恥ずかしくなってまた顔に血が昇る。


”ゴク”っと生唾を飲み込んで‥‥

カップを取って鉄製の水差しを傾け”コココ” とカップに水を注いだ。


あれ?...あまり入ってないのかな?....


あるだけ注ごうと更に傾けた‥‥

”ガッシャ────ン” と物凄い音 。

ふたがキッチンの洗い場に落ちる。


『うわぁ!』


声が出てしまう。


[やってしまった────]


更に顔に血が昇った‥‥


『なんの音にゃー.... ふぁ────..』

『なんの音?はぁ────』

『もう起きる時間ですか....』


音に敏感なアリーが起き上がり欠伸あくびして目をこする。

ミーアも音で欠伸しながら起き上がる。

アカリは冷静に起き上がる。


寝ているジュリが片膝を伸ばして寝返りを打った。

キッチンで立っている俺の方を見て‥‥

”ニコッ”と笑って”パチッ”とウィンクする。


『んん... はぁ────...』


知らんふりして欠伸して起き上がるジュリだった。


[お気に入りのボーダー....やっと見せれて良かった...

「紐」のやつじゃ無かったのは...残念だったけど...

変だーって「見ないよう」に焦ってた...

"ククク".......笑いをこらえるのに苦労したー....

あの顔...見れただけでも大満足...可愛ゆかった────!!...

美脚だけが取り柄だもの...

わたしがネーとパメラんさんに〝勝てるもの〟...

ミーアには全て負けてるけど...わたしも頑張らないと....]

考えているジュリだった。


ジュリが起き上がって俺を見て苦笑していた。

俺と目が合うと”ニコッ”として”ペロ”っと舌を出す。

俺は”ドキッ”として頭にも血が昇る。


おいおい... ジュリさんや....やってくれましたな...

メンバーの中でも確かに...その美脚には...一目置いてますよ....

その”パチッ”とウィンクしたり...

”ペロ”って舌を出す仕草は....可愛いいけども....

ジュリさんや....〝「騙し討ち」〟は.....やめてください...

お願いデス....


俺は”ボ────”っとしていたが‥‥


『すまん....』


メンバー達を起きてしまったので頭を下げた。

顔の血がゆっくり降りていく。


顔を上げると起きた2人が‥‥

ミーアとアカリの視線がアリーに向いてる。


『アリー....なんでそこに?...そこはダー様が寝ていた所....』


不思議に思って言うアカリだった。

アカリはアリーを見る目がやたらと怖い。


『ミーアが僕をにゅいぐりゅみぬいぐるみ抱っこにゃから... 息が苦しかったにゃ...』

『ごめんね... アリー...ウチ.... 胸に抱く癖あるの...』

『大丈夫にゃ。ゴクトーにぃの胸の上にゃ‥‥ 寝心地最高にゃ!!』


アリーはアカリとミーアに自慢するように「OK」のサインを出す。


『羨ましいですわ‥‥』

『ウチも‥‥』


アカリが顔を朱くして悔しがり‥‥

ミーアも顔を朱くして”ポツリ”。

アカリとミーアを見てしまい‥‥

動揺した俺は顔に血が昇っていった。


『そろそろじゃない?』


ジュリが「万能巾着」から

懐中タイプの鎖がついた金の「時を刻む魔道具」を見て‥‥

メンバーに見せ俺と目が合いまた”ニコッ”とする。


もう昼前だった。メンバーもそんなに寝てないが立ち上がる。


”ニコッ”とされて”ボ───────”としていたが‥‥

”ハッ”と我に帰りコップを持って”ゴクゴク”っと水を飲んで‥‥


『宿に行こう』


俺が声を掛けると‥‥

メンバー全員が出かける準備を始める。


『ウチ.... タイツ履いていく... トイレで履いてくるね。

 ついでにミリネア姉様にも声がけしてくる...』


ミーアが慌ててクローゼットを”ガラッ”と開ける。


「-万国博覧会-」が俺の目の前に広がる‥‥

何段も‥‥それもセクシーブラパンティーやら色っぽいスキャンティーのセットで‥‥

収納用ガラス棚の上に展示されている。

まるで「キャリーズ・パミュ」のセクシーコーナー女性下着売り場のようだった。


俺はそれに目がってしまい‥‥

”ふらっふらっ”と倒れそうになる。


ミーアがクローゼットに収容されている

もく目のタンスの引き出しを開ける。

ミーアは黒の柄タイツを引っ張り出して‥‥ 

引き出しを閉めたが‥‥

慌ててたのかクローゼットを開けたままで‥‥

黒の柄タイツを持って”パタン”とドアを閉めて部屋を出ていった。


広がり続ける「-万国博覧会-」

金・銀・黒・赤・茶・紺・緑・青・桃・黄・柄・縞‥‥


凄い数に"目点”になる。

"ふらっふらっ”となっていた俺は”ピン”と固まる。


『このっ変だ────!!』

”ガラッ”とクローゼットを閉めて‥‥ジュリがいかって喚く。  


『私もこれぐらいは...ダー様の色に...』


アカリが言いかけて‥‥

”ガチャ”ミーアの部屋のドアが開いて‥‥


『ワタクシもお供させていただきます』

『行こうにゃ!!』


ミリネアが入って来てアリーが俺の手を引っ張る。


"ハッ"と我に帰り‥‥ 冷や汗が出る。


『ああ...』


テンガロンを被って俺はアリーと部屋を出た。


アリー....”ドンブラコ”姉さん..ありがとう...助かった...


タイミングよくミーアがトイレから出てくる‥‥

黒の柄タイツがよく似合っていた。


階段をメンバーで降りて玄関で靴を履く。

順番待ちしながら俺は最後に靴を履いた。

ドアを開けてメンバー達が”ゾロゾロ”出ていく‥‥


『帰るの〜? あら... 珍しい... 姉様どちらへ‥‥』


カウンターの前で接客中のミンシアが

不思議に思ったのかミリネアに尋ねる。


『ワタクシの同僚に会って参ります。

 貴方あなたはお客様に失礼のないように...』


ミリネアは分厚いレンズの眼鏡を外して来店中のお客に頭を下げた。

その隙にミンシアは”ベ────”と舌をだす。


『行ってきます姉様...』


ミンシアにミーアが小さな声で言いながら軽く手を振る。


『お邪魔しました────!』

『お邪魔いたしました...』

『また来りゅニャン!』

『お邪魔した。ありがとう...』


最後にお礼を言って頭を下げる俺だった。

微笑むミンシアはお客とまた話し始める‥‥


「ロカベルの魔法薬材と薬店」を出た。


路地を出てメインストリートを”ゾロゾロ”歩く。

行き交う人達の目が”キラキラ”している。

先頭を歩くミリネアの美しさは一際ひちきわ目をく。

風が吹くと”サラッ”と長い髪が流れて‥‥ 

いい匂いを周りに振りいている。

鎖付きの分厚いレンズの眼鏡が〔大峡谷大きい胸の谷間〕の上で弾んでいた。

群青色のワンピースでV字に開いた〔大峡谷〕の胸元と

細い腰回りに黒のベルトで締められた

はっきりと形がわかる「〝たわわに実ったお尻〟」‥‥

先ほど履いていた「TTバック」の「超ハイレグスキャンティー」を履いているからだろう。

すらっとした美脚の太ももを

惜しげもなく大きく出しながら闊歩かっぽする‥‥

同じ群青色のハイヒールを”カツカツ”と音を鳴らして歩く。

そんな姿で闊歩して歩く様に‥‥

メインストリートの商店の人達も見惚れていた‥‥

超絶美形で「魔性の3姉妹」の長女ミリネアに人々は魅了されている。


『ミリネア姉様....宿をご存知なのですか?...』

『ワタクシとしたことが‥‥気が急いて...』

『私が先導いたしますわ...』


ミーアがミリネアの元に駆け寄ると真っ赤な顔をした。

アカリが俺の腕を掴み「ボイン」に”むにゅーん”と押し付けて引っ張る。


『ワタクシもついて参ります...』


ミリネアが俺の腕を引っ張り

無しセクシーNOブラの〔大峡谷〕に押しつける。


2人にまた顔に血が昇る。


『なんでよ.....』


後ろでジュリの声がする。

振り向けないのでわからないが‥‥

背中に〝「もの凄い圧」〟を感じる。

メインストリートを歩きながら‥‥ 

行き交う人々に羨望の眼差しで見られる。


前にもこんな事あったな...デジャブ?...


考えて苦笑してしまう。


角の路地を曲がると「帰巣 まちわビル曲がってすぐ!」の広告看板。

角の建物はこの村では珍しく3階建てだった。

今更気づいた。確かに入り口に「〝まちわビル〟」と書いてある。

舗装された道が終わり‥‥ 土と砂利の道に変わっていった。


ミリネアのヒールが”カクッ”となって俺の肘が〔大峡谷〕に刺さる。


『”あん”』


ミリネアが声を出す。 

”むにゅにゅにゅ────ん”と柔らかい感触が俺の腕に伝わる。


ミリネアの「”あん”」の声と”むにゅにゅにゅ────ん”で‥‥

頭にも血が昇り宿屋の前で「△テント△」を張った。


『大丈夫ですか?...』


アカリはミリネアを心配しながらも俺を見る目が”ヤバイ”ことに‥‥


『失礼致しました。参りましょう....』


ミリネアは顔を真っ赤にする。

2人に挟まれながら「宿屋帰巣」に着いた。

受付に誰もいないので‥‥


『すいませ────ん!!』


ジュリが呼ぶと‥‥

”ガチャ”っと 応接室のドアから涙ぐんだ女将さんが出てきた。


『失礼致しました....そちらの... また..随分と大きな方は?』

 

女将さんが〝「やり手ですねの目」〟で俺に尋ねてくる。


『すみません... 連れの知り合いで...』

『わかりました... ごゆっくり。あの少しお話が....』


女将さんがハンカチで目を押さえながら優しく言う。


『わかりました。皆 ... 先に部屋に行っててくれ...

パメラとノビはもしかしたら‥‥ 昼時だから食堂の方にいるかもだ...』


喋るのは苦手だが‥‥ 珍しく言えた。


メンバーは先に階段を昇っていく。

ミリネアも腕を離してついていった。


『ダー様... 顔には出さないように...』


腕を「ボイン」に押しつけているアカリは俺の耳元で囁く。

”パチッ”とウィンクして腕を離してメンバーについていった。


顔に血を昇らせながらも「OK」のサインをアカリに出した。


『こちらへ.... 』


女将さんに応接室に案内される。

ソファーに座るように促されて座った。

女将さんが対面に座って話し始める‥‥


『昨日お話しをさせてもらった主人が... 今朝無事に帰って来たんです...』

 

女将さんはそう言って‥‥目が涙であふれている。

俺はおくびにも出さず‥‥


『それはよかったですね。何よりです.... お怪我は?』

『目と足を少し痛めてましたが大事には.... ご心配おかけしました』

『良かったです。では昨日聞いた話は無かったことに....』

『そうして頂ければ... 』


涙を拭く女将さんに一礼して応接室を出た。

2階にいく階段を上りながら‥‥


[良かった人の役に立てた‥‥師匠も喜んでくれるに違いない‥‥]


そんなこと考えてる中‥‥


『よくやった』 


上で声がした。極小のしゃがれ声だった。

見上げても誰もいない‥‥

空耳か? 後ろを振り返ってみたがやはり誰もいない。

きっと師匠の事を考えてたからだ‥‥

やはり気のせいだ‥‥


俺は2階に上がる。


”コンコンコン”ノックする


『変だーでしょ!どうぞ...』


ジュリの声。

”ガチャ”っとドアを開けると‥‥ ノビもパメラも部屋にいた。

ミリネア・ミーア・パメラ・アカリ‥‥

対面にジュリ・アリー・ノビがソファーに座っている。

パメラとノビは座っていたソファーから立ち上がり‥‥ 

俺に凄い勢いでせまってくる。


『ゴクちゃん..うぅぅ...どこ行ってたのよん?あたい心配で..』

『ゴクどーさんいっだいどごに?』

『貴様!!先に私が聞いてるのだ!黙っておれ!』


パメラが啜り泣くが‥‥ノビが尋ねただけで睨まれていた。

パメラに何かを言いかけてたミリネアだったが‥‥ 

”パカ────ン”と口を開けたままでいる。


そうだ..メンバーは...見慣れてるけど...

”ドンブラコ”姉さんは知らないもんな....


恒例行事を見て俺は嬉しくなる。 


 ”ニタリ”。 


『ちょっとな.... 心配かけたな』


『アカリちゃんもジュリちゃんも....アリーとミーアも

聞いても皆んな「ちょっとね」としか言わないのよん....』


パメラはまたすすり泣く。


『大した用事じゃ...な・なかったんだが...その...つまり...なんだ...』


ジュリが”見てこい”のサインをアカリに出す。


『パメラさんとノビさんは寝てしまって....

飲みたりないからまだ飲もう。なんならうちに来る?と

ミーアに誘われて.... 気がついたら

皆んな寝てしまって...こんな時間まで.... ごめんなさい...』


察したアカリが”サラリ”と言った。


『俺もぎがづいだら部屋で寝でだんさ.... さっぎごの部屋に...』

『貴様には聞いとらんと言っておるだろうが!!』

 

 ”ケロッ”としているノビはパメラの顔を見る。


『”ぁははは”可笑おかっしい。サイコーよ... パメラ姫様...』


ミリネアが腹を抱えて笑う。


『ゴクちゃんホントなの?あたい信じていいの?』


ミリネアそっちのけでパメラはお構いなしに聞いてくる。


『ああ...』


パメラとノビを見ながら俺は「OK」のサインを出す。

アカリとジュリが先に「「OK」」とサインを出して‥‥

それを見たアリーとミーアも「「OK」」のサインを出した。


俺はテンガロンのつば

右手で持ってメンバーに頭を下げた。


俺の我儘わがままに付き合わせて〝ごめん〟と‥‥

メンバーに感謝を込める俺だった‥‥





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