第38話  魔性の3姉妹②


「ロカベルの魔法薬材と薬店」の3点式ユニットバスで‥‥


「!!!」──── 顔の俺は「△大和式テント△」を張っていた。


顔が噴火する。


”バタン”とドアを閉めて

『”すぅ────はぁ────”』 深呼吸。


ノックもせずミーアの部屋に戻った。


『ゴクトーにぃお目々がでてるにゃ!!』

『リーダー‥‥?』


アリーが俺の顔を見る。

焦ってる俺を見てミーアも伺ってくる。


『ミーア... だ・誰か 入ってるよ...シャワー....』


『 あ...ミリネア姉様だ....』


ミーアが頭を抱えながら‥‥話し始める。


『隣の部屋のミリネア姉様。

うちの長女で研究者をしてるの... 主にズードリア大陸史。 

考古学の権威らしいけど‥‥ ちょっと変わっているの。

趣味で部屋にこもってなんたら古代兵器の‥‥ずっと研究してるの...

たまーに仕事でカルディアまで行くから.... ウチが送ってる...』


『す・すまん... 開けてしまった』


『気にしないで大丈夫... それは‥‥ね...』


ミーアの頬が強張る。

凄い顔でアカリとジュリも睨んでくる。


2人とも...そんなに睨まんでも‥‥

ん?.....カルディア?パメラの?...


”ボ────────”っとしてると‥‥


”コンコン””ガチャ”とミーアの部屋のドアが開いて‥‥


『ミーアなんで入って来ないのぅ? おね‥‥』


髪をタオルで拭きながら‥‥

「赤の超ハイレグスキャンティー」だけを身に付けて 

超絶美しい「魔性のエルフ」が部屋に入ってくる‥‥

全員〝「言葉と動き」〟が止まる。


『あら‥‥お友達?ミーア珍しいわね。人見知りの貴女あなたが....』


「超絶ボイン」がちょうど首からかけた 

長いグリーンのバスタオルと肘のお陰で隠れて‥‥

大峡谷大きい胸の谷間〕だけがあらわになっている。

更にスタイルも良く〝超〟が付く程の美形の顔。


俺はユニットバスの光景が頭に浮かんで‥‥

顔に血が昇り憤死寸前になっていった。


部屋の中の視線が俺に集まる。

アリーとミリネア以外‥‥ 凄い目で俺を睨んでいる。


『ミリネア姉様...この方達はパーティーの仲間です』

『そうなのね‥‥美味しそうな匂い。パンね‥‥ も‥‥』


ミーアは丁寧にミリネアに言ったのだが‥‥

”サラ”っと横に座ろうとしていた。

ミリネアは自分の今の状態が「エルフ族」ではなく

「裸族」だということを全く気にしていない様子。


『ミリネア姉様家族しかいない時は‥‥

 その格好でも構いませんがお客様の前では...』

『あ... それもそうね。ワタクシちょっと‥‥ 着替えてきます』

 

ミーアが顔を朱くした。


前から見ていた俺はわからなかったが‥‥

「赤の超ハイレグ「T」Tバックスキャンティー」を晒して

お尻さん」を”ドンブラコ””ドンブラコ”と揺らしながら‥‥

 恥ずかしも無く‥‥

 ”パタン”とドアを閉めてミリネアは部屋を出ていった。


 おいおい...エルフは「裸族」でも...

 あまり気にしないのか?....魔性の3姉妹だな...


 猛烈に血が昇る俺だった。


『”はぁー” みんなごめんなさい。ウチの姉様が...』

『いえいえ....何か作りましょう...』

 

ミーアはため息混じりに言って真っ赤な顔をしていたが‥‥

アカリが仕切り直した。


『これ良かったら使ってくれ...』

俺は顔に血が昇ったまま「アイテムボックス」から

「乾燥腸詰」「干し肉」「鶏モモの燻製」を誤魔化すように出した。


俺の顔を見て‥‥ 

ジュリは何故か不満そうだが

アカリとミーアは気にしてる様子もなく‥‥

食材を受け取って調理を始めだした3人。


3人は料理が上手なようで‥‥ 

キッチンで調理してるのを見入ってしまう。

ジュリは「調理用魔道具」で

野菜の「キャロット」と「ポテト」を”クルクル”っと皮剥きをしている。

ミーアは調理用ナイフで剥いた野菜と「キャベジ」を”ザク”切り。

アカリは大きい鍋に切った野菜と「乾燥腸詰」「干し肉」を入れていた。

材料を切り終えたミーアが取手付きの鍋に「鶏ももの燻製」と

「冷蔵魔道具」から出したあまり物の「ボロッコリ」を炒める。

3人は”テキパキ”と進めていた。


それを見てたら‥‥

なんだか”ほっこり”して顔から血が降りていった。


アリーとラグに座って料理が出来上がるのを待った。


『良い匂いにゃ〜〜』


アリーは食べる事に目がない。

ヨダレを出す勢いでキッチンを見ている。

我慢しきれなくて何回も頭を”カクッ”とさせていた。


『リーダー 今のうちにシャワーをどうぞ...』


気を利かせたミーアが申し訳なさそうに言う。


『ああ... ありがとう...』 


ミーアの部屋を出て‥‥

さっきの3点式ユニットバスに俺は向かった。


『ダー様のあの視線‥‥ 私にも向けて下さらないかしら...』

『ネー.... それより聞きたい。変だーの戦闘ってかっこよかった?』

『かなりの凄さよ...ダー様。もっと大胆にいくわ。ジュリも頑張りなさい』

『わたしは.... ネーと違って胸が.... 無いから...』

『あら... ジュリ... 胸の大きさは関係ないわよ』

『ジュリねぇがんばれにゃ!』

『ウチが見た冒険者の中でも‥‥ 多分リーダーが1番強いと思う...』

『ゴクトーにぃってそんにゃに強いにゃのか....』

『ウチも...もっと揉まれて...強くなって...リーダーに好かれるよう頑張る』

『『え====!!ミーアもなの==??』』

『あ・あのアリーも変だーのことは好きなの?』

『僕もゴクトーにぃ好きにゃけど‥‥ おにぃちゃんにゃ!』

 ‥‥‥〝「ああでも無いこうでも無い」〟


ゴクトーの事を話す4人だった‥‥


『そろそろこのお鍋のスープいいわね...』アカリがスープを深皿に盛る。

『ウチの炒め物も出来た。お皿に移そう』ミーアが大きい皿に盛り付ける。

『お腹空いたにゃ!!』 アリーはラグで仰向けになって腹を押さえる。

 ”ぐうううぅぅ”と腹の音。ジュリは顔を朱くする。

 

そんな会話を4人がしていると‥‥ 

俺はシャワーを浴び終え‥‥ミーアの部屋に戻る。


”コンコン”とノックをして『どうぞ...』ミーアの声。

”ガチャ”

『は・早い‥‥リーダー その服凄く似合う...』

頬を朱くするミーアがドアを開けてくれた。


俺は部屋に入った。


『ダー様.... 素敵』アカリは頬を朱く染めてウットリして見てくる。

『変だー.... 似合うよー!』 ジュリはめちゃくちゃ顔を朱くする。

『似合うにゃ!!』 ”ピョンピョン”飛び跳ねるアリーだった。


『そうかな.... 自分ではわからないが...ありがとう...』


照れてしまい顔に血が昇る。顔を見られないように頭を下げた。


襟に鋲が着いた黒のシャツに黒のレザーベスト。

黒のジーンズ。これにテンガロンを被ると見た目は「カラス」。

俺はプレゼントしてもらった服に着替えていた。


これ似合ってるのか... 同じの買おう... 


顔を上げた俺は”ニタリ”としてしまう。

メンバー全員が俺の顔を見て”ニコニコ”している。


食事の準備は整い‥‥

テーブルに並べられた

「鶏ももの燻製」と「ボロッコリ」の炒め物は美味そうだった。

「ポタフ」と呼ばれる「キャベジ」・「キャロット」・「ポテト」と

「乾燥腸詰」と「干し肉」が入ったスープも良い香りがした。

沢山の調理パンが皿に盛られて並ぶ。

薄い乾燥干し肉を炒めた物と野菜で‥‥

パンの「サンドウィッチ」もあった。


『美味そうだ...』


 ”ぐうううぅぅ”と腹の音。また顔が朱くなるジュリだった。


『リーダー... 食べましょう...』   ミーアがうながした。


『ああ... 食べよう...』


お祈りして 『『『『『 いただきます 』』』』』』  食べ始める。


”コンコン” ”ガチャ” ドアが開き‥‥ ミリネアが入ってきた。

着替えて入ってきた姿は‥‥

緑碧色の髪を片側に編み込んで綺麗にまとめている。

鎖付きの黒縁眼鏡を首から下げていて‥‥

黒縁眼鏡のレンズが分厚いのは目が悪いからなのだろう。

薄い緑色の目に瞳は碧で‥‥ 綺麗な眉は細く整えられている。

鼻も”スッ”と通っていて薄い桃色の唇がセクシーな印象を与える。

群青色のV字に胸が開いたミニのワンピースを着ていて‥‥

太ももが大胆に出ているのも色っぽい。

黒の革ベルトで腰を”ギュッ”と締めているので‥‥

見た目のスタイルは抜群だった。

白い肌にパメラよりも大きな〔大峡谷〕のだけが見える。

その谷間に埋まるように‥‥ 金のロザリオ付きのネックレスが光る。

長い耳にはネックレスとお揃いの金のピアスをつけて‥‥

それがとても似合っていた。


やはり姉妹だな....ミーアとミンシアに似ている‥‥

背は2人のちょうど中間ぐらいか....


超絶美形で「魔性のエルフ」と感じるミリネアの姿だった‥‥


『ミリネア姉様.... 用意してあります。ここへどうぞ...』


ミーアがテーブルの空いてるスペースに促して‥‥

料理が盛ってある皿を指した。

分厚いレンズの黒縁眼鏡をかけて‥‥ 

ミリネアは空いている俺の横に座る。


『ありがとうミーア。先程はみなさま失礼致しました。

改めて‥‥ 初めましてロカベル家長女のミリネアと申します。

人見知りの妹ですが‥‥ どうぞよろしくお願い致します...』


丁寧に挨拶する。


『アカリ・ミシロと申します..』『ジュリ・ミシロです...』

『アリー・ココロにゃ!』 


メンバー達も自己紹介をしている。


[アリーってココロなのね‥‥知らなかった]


『ゴクトーにゃ』 ”ハッ”やってしまった。


全員爆笑。 ”ゲラゲラ”と笑う。


アリーの名前を考えてたら...やってしまった...


顔に血が昇る俺だった。


貴女あなたがリーダーで?...』 

『お隣の‥‥ ダー様がリーダーです.....』 

『”ぁははは” にゃのね』 


ミリネアはアカリに軽く聞いた。

アカリが”もじもじ”しながら応える‥‥

笑いながらミリネアが揶揄からか

メンバーもまた大爆笑した。 


また顔に血が昇っていく。


『あら.... 赤くなって可愛いわね。

さっきは眼鏡をかけて無かったから‥‥ 解らなかったけど‥‥ 

貴方あなたイケメンだし....ワタクシも大好きなタイプの【覇気】...

人をきつける... 何かがありますね...』


色っぽく横で肩を寄せてくるミリネアは

〔大峡谷〕が”ボイーン”と揺れた。


ついその〔大峡谷〕に目がってしまう。

なんと‥‥ セクシーブラをつけて無い‥‥

NOセクシーブラ大峡谷大きい胸の谷間〕が

「豊かな自然をお楽しみください」と訴えかける。


一気に顔が大噴火。


「ロカベルの魔法薬材と薬店」のミーアの部屋で‥‥ 

また「△大和式テント△」を張る。


『変だ────!!また!!』

『お代わりにゃ!』


対面にいるジュリが俺を睨みながらわめくが‥‥

アリーがスープを平らげてジュリの言葉に重ねてくれた。


アリーありがとう...いつも冷ましてくれて...


俺はアリーの頭を撫でた。


ミーアがお代わりを注ごうと立ちかけると‥‥


『私がやりますわ....』


対面に座るアカリがキッチンへ‥‥ 

鍋のスープを注ぎアリーに持ってくる。

半立ちの格好のまま‥‥


『はい....』


「レモンセクシーブラ」の〔峡谷胸の谷間〕が

 俺の目に入るようにアリーに渡した。


『ありがとにゃ!』アリーは普通に食べるが‥‥

それに俺の目がってしまい‥‥ 


大噴火からの爆発。


”ツ────────” と例の赤いものが鼻から‥‥ 


『最低ね....』


ジュリが「万能巾着」から

ハンカチを出して‥‥ 半立ちになって鼻血を拭いてくれる。

嬉しそうに顔を朱くするジュリだった。


ジュリの「小谷山Cカップの谷間」にも目が逝ってしまう。


おいおい...ジュリさんや...偽物とわかってるんだよ...

でもね...「魔性のエルフのさが」ではなく...

 これは「男の性」なのさ...


ミーアが立ち上がり‥‥

後ろから俺の首を”トントン”と叩いてくれる。

一向に鼻血が止まらず上を向いた。


ミーアの〔大峡谷〕が‥‥ ”むにゅ〜ん”と顔に当たる。


『”ア────ン” 鼻血が‥‥』 


俺はミーアの悶える声に弱い。声で意識が飛ぶ‥‥


『ゴクトーにぃ危ないにゃ!!』


大声でアリーが支えてくれた‥‥

俺は何とか「九死に一生を得て」持ちこたえる。 


ありがとう... アリー...助かった...


”クラクラ”しながらも立て直す。


ジュリが優しい目で俺を見ながら

一生懸命にまた鼻血を拭いてくれる。


『ありがとう...ジュリ....』

『変だーだからね...』


真っ赤に頬を染めるジュリだった。


またシスターを思い出して‥‥ジュリの顔と重なダブる。

昇っていた血が顔からゆっくりと降りていった。


『このリーダーの取り合いはいつもの事にゃの?”ぁはははは”』

『”ぅふふふ”...もう1人いりゅにゃ!!パメラにゃんがいりゅにゃ....』


ミリネアが笑ってアリーに尋ね‥‥

アリーも笑って応える。


『パメラ...? もしかしてだけど‥‥カルディアのパメラ姫様?...』

 『そうですが‥‥何か?...』


ミリネアは急に真顔になる。

ミリネアの顔を見て‥‥ アカリが不思議に思って尋ねる。


『ワタクシの同僚です.... カルディア魔法学院の‥‥』


言葉を詰めらせていたが‥‥


『”ぁはははは”』


ミリネアが急に笑いだした。


『『『え────!!!』』』


アカリとジュリ‥‥ アリーも驚愕している。


何となく俺は判っていた。


期待に応えるハモリ... 予想通りだったな....  ”ニタリ”。


『そうだ。パメラさんとノビさんの事....』


 ミーアが”ポツリ”。


『食べ終わったら少し休んで.... 宿屋に帰りましょう』


影のリーダー・デス姉アカリが指示を出す。メンバー全員が頷いた。


『この村に来てるならワタクシもご挨拶に‥‥』

『わかりました』


ミリネアに良い返事をするアカリだった。


食事をしながら‥‥ 

アカリとジュリは「キヌギス砦」での件をミリネアに話した‥‥


『悪者は退治するのが世の常。

「ズードリアの歴史大鑑」の第5鑑につづられてるの...』


ミリネアはやたらと興奮している。


正義感が強いのか... エルフ特有なのか...

ロカベルの家系なのか...面白い「魔性の3姉妹」だな....


苦笑する俺だった。


あれこれあったが食事を終えて‥‥ 後片付けも済ませる。

各自この部屋で仮眠を取ることになった。

ミーアはアリーとベッドへ‥‥  アカリとジュリはラグで横になる。

選択が決まった。 俺はソファーで寝ることにした。


邪魔しないように小声で‥‥


『それでは後ほど‥‥』


静かにミーアの部屋を出て行く魔性の長女ミリネアだった‥‥


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