第32話  峡谷 



 

 俺達は、食堂を出て‥‥大部屋に向かう。

 大部屋の前で 俺達は、    

『ちょっと待って‥‥。』ジュリに止められる。


ジュリ が、部屋の中に入っていく 。ドアの入り口で皆が待つ。

暫く待っていると、ドアを開けて 、

『お待たせ。”ふぅー”。』と軽く汗をにじませて、俺達を招き入れる。


俺達は、部屋の中に入った 。

部屋に入って、俺は、すぐに勘ずく。


(...片付けたんだな...さては...。)


部屋の物干しには、何もかかって無かった。


(...今回は...残念...ノー...フェスティバル...。)


俺は、平静を保ち、ジュリに勧められた、ソファーに腰掛けて、


『酒とつまみは、どうする?』

   

聞いたパメラが即、『あるわよん‥‥。』

俺に”パチ”っと、ウィンクして怪しく、

アイテムボックスから、酒を3本出す。


『これ 、これ、 ゴマで作られてる 、バルボンっていうお酒よん。

アルコール度数 55%のお酒だけど、 これを飲みましょん。』

バルボンの瓶を、頬に付けながら、また、”パチ”っと。   

パメラに負けじのアカリも、「万能巾着」から、

透明な、バルボンより大きな瓶を、2瓶ふたびん出す 。


『これは、大和ヤマト酒っていうお酒ですわ。お米で作ってるお酒で、

アルコール度数は、20%ぐらいのお酒ですわ‥‥。

私もジュリも‥‥このお酒が大好きなのです。

実家から持ってきて、 2本だけ取って置いたの‥‥。』

何だか、つやっぽい声を出し、俺を見つめる。


『そんな貴重な酒を、いいのか?勿体もったい無くないか?』俺は、躊躇ちゅうちょする。


『 平気ですわ。ダンジョンも攻略した事ですし‥‥

                     ‥‥また買いますわ。』

アカリは、色っぽく、また俺を見つめる。

何だか、2人の視線が恥ずかしくなって、

『俺が、女将さんに‥‥つまみを何か、頼んでくるよ。』


立ち上がり、部屋を出ようとする。


『私も行くーーーー!。』ジュリがついてくる 。


『僕も行くにゃーーーー!。』アリーもついてくる 。

  

3人で大部屋を出て、食堂に向かう。

   

食堂にいた女将さんに、俺達は、何品かの料理を見繕ってもらい、

つまみの料理を、食堂で作ってもらう。

           

出来上がるのを、待ってる間に、3人で話す‥‥。


『新しい‥‥どうだ ‥?』ジュリに聞いてみる。

        

(..ミーアの.....印象は?...。)


俺は、真剣に、ジュリを見る。


『どうって‥まだ‥ わからない‥間もないのに‥。』

(...どうって...これ...最新の...出来てるでしょ...谷間...。)

      

そう言いながら 、俺の顔を....じっと見て、照れるジュリ。


(...おいおい...ジュリさんや....どした?...そんな顔して...。)

          

『アリーは?』


『声は、小さいけど‥‥ジュリねぇより‥‥お胸は、大きいにゃ!!』

       

『アリーまで‥‥”うぅぅぅぅ”。』涙目のジュリ。

(...でも...もう平気...最新のこれで...。)   


(...アリー...おい...いつもの可愛いいのは?...お胸って...。)


俺は、困り、違う話をしようと‥‥考える。

そんな会話のやり取りをしていると‥‥。

呼ばれたので、アリーが、厨房に入って行き、

食堂の女中さんが、料理が出来た事を教えてくれた。

      

フォークとスプーン、ナイフの入った、カトラリーセットと、

皿や、コップも借りる。

俺とジュリとアリーだけでは、持ちきれないので、

女中さんにも、運んでもらう。女将さんの特別な計らいだ 。


ジュリが”コンコン”と、ノックして部屋に入る。

俺達も続けて入る......。                     

つまみが来る前に 、もう飲み始めてる。

ソファーにいる、ノビ・ミーア。対面に、パメラとアカリが座ってる。


ノビが『今日は、とことん‥飲むんさ。』ミーアにからんで飲ませてる 。

ミーアは小さな声で『 ウチ このお酒大好き 。』”ガブガブ”飲む 。

釣られてノビも、パメラも、バルボンを飲んでる。

すでに3人共、良い顔色になっている。


アカリだけは、取っ手のないカップに、大和酒を入れて飲んで 、

『 フーー ‥。』

色っぽい声を出している 。だいぶ酔ってるようだ 。顔が赤い 。

          

アリーが『おまたせにゃ !!』つまみの皿を、

大きなダイニングテーブルに置く 。

食堂で作ってもらった‥‥つまみ料理は、

「鶏の唐揚げ」「羊肉の串焼き」「牛のメンチカツ」「豚の生姜焼き」

いろどり野菜のサラダ」「玉子のだし巻き」「ポテトフライ」「腸詰炒め」

女将さんのナイスなチョイスだ。 

運んでくれた女中さんは、『失礼します。』と、部屋を出て行った。 

  

置かれたつまみに、パメラ・ミーア ・ノビが、詰め寄る。 

俺は、食堂で借りたカトラリーや、皿を置く。


ソファーに座る。アリーは、ノビとミーアの隣、

ジュリは、対面のアカリ、パメラの隣に座る。

俺は、ノビとミーアの横で‥‥1人床に座る。


『僕は、コレにゃ!ペプシュコーラ!』”ポン”と、栓を抜き、

”プシ””プシューー”と、あふれそうになるのを、

急いで口に持っていき‥‥、

”ゴクゴクゴク”と、飲んで『プッハーー。』満足顔のアリー。


(...食堂で頼んだのか...んー可愛いいぞ....アリー。)


俺とジュリも、飲み始める 。


俺は、バルボンをノビに注いで貰って、飲む。

ジュリは、大和酒をアカリに注いで貰って、飲んでいる。

つまみを‥‥「美味い美味い」言って、食べながら、

「あーでもない‥‥こーでもない」と、

酒を飲んで楽しそうに、皆で、”ゲラゲラ”と笑う。

初めての宴会で盛り上がる。


『いやー‥‥だいぶ‥酔っ払っで、すまっださ。』 ノビが一言。


『貴様ーーー!!飲みが足らんぞーーーー!!』絡むパメラ。


『先生ーーー!!ノビが足らんぞーーーー!!』”ケロッ”と。


そのやり取りを聞いて、ミーアが『”ははは”』と、小さく笑う。

俺も皆も、”ゲラゲラ”と、笑う。


ソファーから”ムクッ”と、立ち上がったアカリが、大和酒を持って、

俺の横に来る。床に”ペタン”と座り、俺に寄りかかる。


『ダー様‥‥この部屋暑い‥‥。』

(...チャンス...到来...成果を...。)


着ている‥‥赤のノースリーブのボタンを外していく。

外れたボタンから、「ジェット機」が、飛び立つ。

現れた桃色に黒の縦ストライプの「セクシージェット機」が、

「こんばんわ」する。

「ジェット機」の飛ぶ間からは、‥‥すごい峡谷が見える。

いきなり酒瓶を持ち上げ‥‥峡谷の谷間に、大和酒を注ぐ。

アカリ峡谷に、湖が出来る。

  

俺の横から『ダー様、どうぞお召し上がりくださいませ...。』

(...これで........殿方は....イチコロと...。)   

          

俺の目の前に、湖を突き出す。(...瞬死寸前...。)

飲んでた酒を『”ブーーーーー”』‥‥と、吹き出してしまった。

酒のせいでもあるのか、顔に、猛烈な血が昇る。

誰にも‥‥吹いた酒が、かからなかったのは、何より。


見ていたパメラが‥”ふらっ”と酒の瓶を持って、立ち上がり、

俺の前に、胡座あぐらで座り、片膝を立てる。

「黒編み様の奥に控える黒三角姫」が、目の前に‥‥。

  

顔が大噴火。 (..ダブル「ダイ」...。)


『ゴクちゃん‥‥あたいのも飲んでぇん‥‥。』なまめかかしく‥‥。

セクシーダイナマイト峡谷に、バルボンを注ぐ。


横のアカリは、『ダー様‥まずは‥こちらから‥‥。』と、突き出す。

    

部屋にいるのに、「大和式テント」を張る。

    

『‥ち・ちょっと‥アカリ‥待って‥パ‥パメラ‥。』どもる。

俺は‥振り切るように、両手でパメラのダイナマイト峡谷を制御‥。  

恥ずかしいのと、見れないので‥‥ジタバタする。

  

『‥いただぎますさ‥‥先生‥‥。』だいぶ酔ってるノビ。

ソファーから、倒れ込むように‥パメラの胸元に、顔をダイブ。


『貴‥貴‥貴様〜〜〜〜!!ここで死ぬかーー!!』

     

パメラは、怒鳴るが‥‥。『スーピー‥。スーピー‥。』

ノビは、そのまま寝てしまった。

   

『この‥‥馬鹿モンが‥。』と、優しく床に寝かせるパメラ‥。           

      

(...やっぱり....この師弟コンビ....いいな...。)  

    

 俺は、パメラの気遣う姿を見て、師匠を思い出す。

    

 (...俺も.....師匠にヤマト酒....飲まされたな...。)


ちょっと落ち着いた俺は、すごい視線と圧を感じる。

俺をすごい顔で、睨むジュリ。


(...ジュリさんや....睨まれても.....俺はなんにも...。)           

 

『ミーアのお酒が‥もうないにゃ‥‥。』アリーが、空き瓶を振る。


『ミーア‥よかったら、これ飲む?』と、アカリが、ヤマト酒の瓶を掴む。


ミーアが、アカリの前に来て‥座り‥アカリの「峡谷酒」を、”ぐびっ”

 

『 エルフは、注がれたお酒を、勧められたら‥そのまま飲みます。』  

 

小さい声。アカリ本人、俺とアリー、ジュリもパメラも、皆、固まる。


 『‥そうなのですね。‥でもこれはダー様に‥。』顔が怖いアカリ。

(...せっかくの.....チャンスが...台無し....。)


 ミーアが『エルフの仕来しきたり教えます‥。』小さな声で、

 自分のトップスを脱いで、綺麗な白い肌と、水玉柄のセクシーをあらわに。

『お酒‥‥もらいます‥。』 自分の大峡谷に注いで‥‥。


『次は、誰ですか?‥‥。仕来り‥‥。』小さな声で、皆に勧める‥‥。


 ‥‥‥。皆、固まる。目点の俺は、また顔が、大噴火。

 

 ソファーから、飛び出して『わたしが飲むわーー!!』

”ぐびっと” ジュリがミーアの大峡谷酒を飲む。

  

 『これでいいのね‥‥。わたしも‥‥ネー‥‥注いで。』

(...最大のチャンスよ...これを逃したら...。)

   

 『‥‥ジュリ。仕方ないわね‥‥仕来りだものね‥‥。』

(..ダー様...の...番...には...私が...。)


アカリに無理やり、胸元の「さっき出来たばかりの峡谷」に注がせる。


『‥次は‥‥。』言いかけ、峡谷の「ヌーブラン」ががれて、 

ジュリの胸元の酒が、全部こぼれる‥。

紺のトップスと、スカートが酒まみれに‥。


『あにゃー‥ジュリねぇ、粘着が剥れるからにゃ‥‥アルコールを、

 含んだクリームとかにゃは、ダメって、店員さんが、言ってたにゃ‥‥。』   

アリーが、俺をチラ見しながら、こぼれた酒を見ていう。


谷間が出来たことで、有頂天になっていたジュリ。

店員さんの説明を、あまり聞いてなかったようだ。

     

『ううぅぅ‥‥。』泣いてるジュリ。


『仕来り‥終わり‥‥。』脱いだ白のトップスを、着るミーア。

     

皆は、暫く‥‥固まっていた。 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る