第5章 暗躍

第31話  事後報告


宿屋についた俺とミーアは、女将さんに訝しい目で見られる....。

エルフを連れて来るのは、初めてだけど‥‥。


『あら....これまた。大きい....綺麗な方ね 。』と言われる。


『宿泊するわけじゃないんだ。入っても大丈夫かな?』

  

「不遜ですねの目」で『どうぞごゆっくり。』と応えられる。


(...エルフだからかな?...ちょっと..女将さんの目....怖いぞ...。)


気にしても仕方ない。俺とミーアは、皆がいる大部屋に向かう 。


”コンコンコン”とノックする 。返事が無い。

また 、”コンコンコン”とノックするが...。やはり 返事は無い。

仕方ないので 俺の部屋に連れて行く。 鍵を開ける。


その ‥‥皆が来るまでここで待っていてくれ...、                   俺は、ちょっと食堂の方を見に行ってくる 。』


『...私もいきます。』小さな声だ。

 

部屋を出て、 2人で食堂に向かう。

そこに、皆の帰りを待つ、ノビとパメラがいた。


『てっきり大部屋に、いるかと ‥‥。』


『先生が入れでぐれないんさ ‥‥。』ちょっと不貞腐ふてくされるノビ。

『当たり前だ!!貴様と2人っきりで、部屋にだと ‥‥苦痛だ ‥。』


”ケロッと”しながら『買い物は一緒に ‥‥』言いかけるが、

パメラの表情を見て、珍しく口を閉じる、ノビ。    

      

『ゴクちゃん ‥‥その綺麗な方は ?』俺に作り笑顔で、聞くパメラ。


『ミーアだ。』


『先生のが綺麗だ‥‥。』自慢気に言うノビ。


『貴様は!!余計なことを言わんでいい!!』パメラに睨まれる。


”ケロッ”と恒例のお家芸である。

  

『3人は、まだ帰ってきてないのか?』俺が聞くと、


『ええ‥‥ まだなのよん。今のうちに ‥。』パメラが言いかけ、


『先生.‥‥。』ノビも言いかけ、


『貴様は.‥‥少し黙っていろ!!』恒例のやり取り。


 俺は、笑ってしまう。

  

 このやり取りを見ても.....。ミーアは、平然としていた。


(...大丈夫か.....ちょっと安心...。)


 仕方ないので....。食堂にいる女中さんに、お茶を頼む。

出されてきた ハーブティーを、4人で飲む。


『ゴクちゃん 、この人とは?......。説明してくれない?』パメラが聞く。


 ミーアは、無言で、お茶をすする。

俺は、薬屋のお姉さんと、会話した内容を、2人に話す 。


『そう‥‥人見知りなのねん 。』パメラは怪訝けげんな目をする。


『そうらしい.‥‥。遅いな‥‥ちょっと、大部屋を見てくる。』

     

食堂を出た。


帰ってきた3人。部屋に向かう。部屋に入ると、まだパメラが居ない。

   

『ダー様は、帰って来てらっしゃるのかしら?』


『変だーは‥‥まだじゃない?』『僕が見て来るにゃ?』


『私が見て参ります‥‥。』アカリがすぐに、部屋を出る。


俺の部屋に行って、居ないのがわかったアカリが、

食堂の方に来て、俺と”バッタリ”。


『帰って来たんだな‥‥良かった‥‥。2人は部屋にいるのか?』


『はい‥‥。』何故なぜか顔が赤い。


『食堂にパメラもノビもいる‥‥あと‥‥もう1人。』


『もう1人?‥‥わかりました。2人を連れて来ますわ。』

アカリは、大部屋に向かう。俺は、食堂に戻って、

3人が帰ってきたことを伝える。食堂で待ってると、3人が入ってきた。

食堂に来た3人は、ミーアを見て少し驚くが、新調した服で座る。


ジュリは、V字カットの紺色の短い丈の、トップスを着ている。

谷間が見える‥‥。へそ出しでヘソピアスが揺れる、

短いお揃いの色のミニスカートに、素足にスリッパ。


アカリは、赤のノースリーブのトップスと、

お揃いの色の超ミニスカートに、素足にスリッパ。

      

アリーは可愛いい紅生地の柄アロハシャツに、

デニムのオーバーオールで裸足。


(..ジュリさんや....それかなり詰めてる?...大きいぞ?..。)


『みんな、おされだな‥がってきだ服‥‥似合っでるな〜〜。』


ノビが誉める。『‥‥‥‥‥。』無言のパメラ。

          

(..あれ?....いつものは?....ほら.....恒例の...。)

      

..................。  影のリーダーが、口火を切る。


『 その綺麗な方は‥‥どなたかしら?』

(..ダー様はお胸が大きい方が.....お好きね..。)

      

『変ダー !!‥‥‥誰その人?!』

(..なになになに....また胸が大きい..。)


 『きれいにゃ 人にゃ!!』(...ジュリねぇ...可哀想にゃ...。)


後から来た3人にも、薬屋でのことを話す。アカリが納得顔で、

『まぁ人数は、いた方が、いいでわね‥‥。』

 (..エルフ族だから....綺麗でも....平気よね?..。)


 『もうギルドにも、パーティーの、登録をしてきた‥‥。

皆に、話す前に、勝手に決めて、すまん。』言葉に、詰まる俺。


俺は、皆に謝る。


『 まあ ‥‥別にそれに問題はないですわ。 』

(..エルフだから...ね...胸は大きいけど....水玉柄よね..。)


アカリの言葉に‥‥皆、頷く。

   

『 それで、わたし達と一緒の部屋に泊まるの ??』

(..エルフ....大丈夫?...大きい...水玉..。)ジュリが聞く。

 

 『 ウチは、姉様の薬屋に泊まってるから大丈夫。 』小さな声。


(..ミーア..1人称....ウチ....なんだ...。)


 パメラが、柔らかい顔と口調で.....、

『ミーアちゃんは、狩人なのよねん?エルフの弓って、

魔力を込めることができて‥‥矢を放つって‥

‥聞いたことがあるんだけど‥‥そうなのん?』


『ウチの矢は、魔力を纏わせて放ちます。

遠距離からの攻撃は、得意なので、中後衛向きです。 』小さな声。


『すごいにゃ!僕の魔導銃と変わらないにゃ!!』アリーが耳を立てる。


『 ハゴネには、何回も行ったことがあるので‥‥ 、

 道案内は、大丈夫だと思います 。 』 ”ニコッ”っと小声のミーア。


『すごいーー!戦力じゃなーい‥変だー。』

(..お胸.......好きだよね..。)

        

珍しく俺を褒めながら‥‥残念そうに「しょんぼり」するジュリ。

  

(..おいおい....どうした?....ジュリさんや..。)

 

『うちのダー様と私が前衛‥ジュリとアリーが中衛‥‥

 ‥ミーアさんとパメラさんとノビさんが後衛。

 良いバランスね。』

(..これで...押し当てて...歩けるわ..。) 影のリーダーが、編成を組む。


(..うちのダー様?....ん?..。)


 『俺‥‥先生ど‥‥ごうえい‥‥嬉しいんさ‥。』喜びを隠せないノビ。


 『貴様は‥‥オマケだーーーー!!』半分捨て鉢で、睨むパメラ。


(..はい....出ました....恒例の奴..。)

     

『俺は賛成だけど‥‥皆はどうだ?』


『良いにゃ!!』『ええ。』『ゴクちゃんが決めたのなら‥‥。』

 『早く、早く、討伐に行こうーーーー!!』『おーげー。』


 皆、賛成してくれた。


 (..良かった....勝手に決めたからな..。) 


皆を見て笑っている俺に、ジュリが、顔を朱くして、


『へ..へ..変だーに‥‥これ‥‥..。』

 ジュリが「万能巾着」から布油紙袋を出して、俺に渡す。


『なんだい?‥‥、これは?』


『お礼‥‥。』ジュリは真っ赤に。


中身を見て、『ありはっとぅ。』顔に血が昇る。


嬉しさのあまり‥‥変な言葉で、お礼を言ってしまう。

見ていたアカリとアリーは、”ゲラゲラ”と笑う。

俺は、「アイテムボックス」に布油紙袋をしまう。


(..恥ずかしー....喋りは苦手だ..。) 


 俺は、1人で赤くなる。

ここでいきなりパメラが‥‥。


『ゴクちゃん‥‥今日は、2人で乾杯しましょ...。』艶かしい声のパメラ。


『先生ーーー!俺も行くさ!!』  『............。』無言のパメラ。


(..あれ?...また??..ノビも??って顔.....。)


『あたいは‥‥。ゴクちゃんの部屋に行くのよん。

           ...また貴様は‥‥邪魔するのか!!』


(...初パターン...あれが原因か...。) 俺は、ちょっと申し訳なく思う。


落ち込むノビ。  お家芸が出ない。

     

『パメラさん‥‥皆んなで飲もうよ‥‥。』

(...パメラさん...だけにしたら...まずい...。) 気遣う発言のジュリ。


 (..あれ...ジュリさんや...いつもの変.....は?..。)

   

『ジュリの言う通り‥‥皆んなで飲みましょう‥‥。』

(..パメラさんだけにするのは..まずいわ..。)

こちらは、至って冷静なアカリ。

      

『皆で飲もう。酒場で飲むか?』俺も気を遣う。


『 うちは、 人がいっぱい いる所は、苦手なので帰ります。 』

小さな声。 ミーアが帰ろうとする。


『仕方ないわねん‥‥あたい達の部屋で、飲みましょう。』

パメラが折れる。


『ミーアもくるにゃ!!さびしいにゃ!!』アリーが誘う。


『おいでよーーー!!ミーア!!』ジュリも誘う。


『ミーアさんは、飲めるの?』アカリが聞く。


『俺も‥‥おねがいじます‥‥。』泣きながら言う、ノビ。


(...かなりさっきの....効いた....挫けるな...。)


『ミーア‥‥‥どうだ?無理しないでいいぞ。』

    

 (...まだ数時間しか経ってないからな...。)


 『 ‥それなら うちも 飲みます‥ 。』 極小声。


ミーアのパーティー加入と、大部屋での酒盛りが決定した。


     


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