第2章 いざダンジョンへ

第17話  集合

翌朝。早めに起きた。緊張であまり寝れなかった。考えすぎて‥‥。

洗面所で『おえーー』と...何回もえずいてしまった。

食欲は、あまりなかった。

   

(..ダンジョンに潜るんだ.....飯は食っておかないと...。)


食堂に向かう。


今日もパーティーが、何組か居たが、空いていた。

テーブルに座って、朝食が来るのを待っていると.....。

        

急に睡魔が襲ってきて‥‥ウトウトしてきた。”コックリ”と何回も、

頭が落ちる。耐えきれず.....テーブルに顎を乗せて目をつむる。

それにも耐えきれず、左頬をテーブルにつけた。


ものすごく良い香りがした‥‥。

昔、シスターのシャワーを、覗いた直後のような香り‥‥。

甘くなんとなく切なくなる香り‥‥。


『食堂で、寝ないでちょうだいね!!”ふん”』 びっくりして目を開けた。


女将さんが、朝食のトレーを”ドン”と置いていった。


(...ちょっと....そんな?...。)


 姉が覗き込むように俺を見る。

(..かわゆい寝顔だったわ....いいわーーー...。)


妹がこの男は、本当にという感じで俺を見る。

(...びっくりした顔も... ...いい!!...。)


姉妹が顔を見合わせ、”ゲラゲラ”と笑う。


びっくりしてる俺の前に、立っている。


『おはようございます‥‥ゴクトーさん。』

(...このブルー.. ...どうかしら?...。)


風呂上がりのようだ。

       

姉は‥まだ乾いていない桃色の髪をまとめて、

バレッタで留めている。薄い生地の大きめの白いシャツ。

ブルーの上下のセクシーが透けてる。

下はセクシー以外、履いてない美しい素足。

( ...うふ... ..ガッツリね...。)

          

視線が釘付けに。( ...いやいやいや... ...いかん... ...いかんぞ....俺...。)


目を妹に向ける。


妹は‥‥黒いブラトップに黒い短パン。スレンダーな綺麗な素足。

ヘソだしスタイル。首にタオルを掛けて片手で髪を拭いてる。


『変態‥‥ちょっとー‥‥。”よだれ”よだれ”!!』

( ...拭いてあげたいけど....ネーを.. ..見過ぎ!..。)

さげんだ目の妹。


(...決して... ...ブルーの... ...見たからって...

...お口ぱっかんでの...”よだれ”.....じゃないよ...。)

          

その目にあらがう俺。


姉妹の色香に、食堂の冒険者達も色めき立つ。


(...目立つのよ......あなた達.....姉妹...。)


そのままには捨て置けず、

『お‥おはようございます。あ‥あのどうぞ。』座るように促す。


(..何を話そうか?......困ったな...。)


『いつもおふたりはそんな格好で?』

    

(...ここは無難に...。)


 『そんな格好って何よーー!!私はフ・ツ・ウ・ヨ!!』

 (...わたしには....ショック⤵️ ...。)

わめく妹。

     

『何かおかしいかしら??』

(...よかったわ....お気に召したみたいで...。)

あっけらかんな姉。


『いえ‥‥なんでもありません‥‥。』血が顔に昇ってきた。


すぐに食堂の女中さん達が、姉妹の朝食を運んできた。


3人で朝食を食べる。話ながら昨日のあれこれを聞かれる。

  

話は俺の話題へ‥‥。

『へーー‥‥。変態って、魔刀士なんだ。』

(..かっこいいじゃない......魔刀士...。)


『師匠が二刀流を教えてくれた‥‥。魔法も師匠に‥‥。』


(...師匠に感謝だよ... ...ホント...。)


『なら‥‥神代の魔法も教わってるのですか??』

(...照れてるのも素敵...。)


『まぁ‥教えてもらったのは、奥伝まで‥‥。

 秘伝は教えられんって、言われました。

 属性魔法は「全部」使えるから、お前は大丈夫だろ?って、

 お前にしか神代は教えられん‥‥師匠は笑ってましたけど。』


 『『 え=========⤴️⤴️!!』』驚愕きょうがく


 妹は驚きの表情。

(...すごいすごい....神代魔法教えてーー⤴️...。)

            

姉は驚いた事に照れてるようだ。

 (...全属性って....ほぼ無敵.....素敵...。)


(...2人でハモらんでも....人が見てるんだが...。)


 食堂で注目を浴びてしまった。

 朝食を急いで食べて、一旦、各自の部屋に戻った。


 部屋に戻った姉妹。着替える2人....。


『気合いの入った格好ね。ジュリ。』

(...ジュリが...あの色の上下なんて...。)


『ネーも‥‥胸‥‥。自慢してる?』

(...見せつけようって....魂胆ね...。)


姉妹は、顔を見合わせ‥‥また”ゲラゲラ”笑う。

   

 部屋で出掛ける準備を始める。


部屋に戻った俺は、テンガロンを被り、

時間が気になり、早めに部屋を出た。


宿を出ようとした。

『これを持って行きなさい。”ふん”』と女将さんから紙袋を渡される。

中身を見ると美味しそうなパンが沢山入っていた。


『ありがとうございます。』頭を下げた。


お礼を言うと、『”ふん”』と奥に行ってしまった。


(...パン....買えなかったこと...聴いてたんだ......なんだかんだ...

...ツンデレ猪... ...もとい......良い女将さんだ...。)


 ”ニヤッ”として宿を出た。


ギルドに向かう途中で、肉屋の優しいおばちゃんと、すれ違う。


『行くのかい‥‥?ダンジョン‥‥気をつけるんだよ‥‥。』


『ああ。』お気に入りのテンガロンを右手で支え、軽く会釈。

   

『頑張んな!!』”バシッ”笑顔でおばちゃんは、俺の背中を叩く。


(...痛いよおばちゃん...)


 歩き出し、ノビやパメラ.....のことを考える。


 (...もう来てるんだろうか?...。)


ギルドに足早に歩いて向かった。

ギルドに着き中に入ると.....もう昨日の2人が、待っていた。



『ゴクどーさん‥‥よろじくお願いします。』

(...ぎた....このひどのおかげだ...。)


ノビが、なまりながらの挨拶。ゴツい金色のゴーグル。

全身すっぽり緑色のラバースーツで顔出しタイプ。

指にはメリケンサック。白鉄製の胴当て。緑の水掻き付きブーツ。

ある意味‥‥凄い装備だ。‥‥カエル姿??


パメラの装備も、ある意味すごい。

トレードマークの大きなつばの三角帽。両肩の部分がが見える、

胸元のファスナーを下げ、V字に開いたショート丈の、蛇革ブルゾン。

ヘソ出しルック。ヘソには紅い石のピアス。

短い杖を手に持っている。やたら短丈の蛇革スカート。

脚が透けて見える黒ストッキングに、膝丈蛇革ブーツ。

ほぼ全身紅い装備。

昨日よりも大胆に、胸の黒のセクシーを、惜しげもなく披露してる。


(...セクシーダイナマイト.....ヘビ姿?...。)


『あたいのことは‥‥パメちゃんと呼んでね。』

(...この格好でイチコロよん...。)


『先生さ‥‥パメちゃん‥だなんて呼べねす。』

(...先生.....色っぺー...。)

『貴様には言っておらんぞ!!この場で死ぬか!!  ノビ!!』

(...お前じゃない...。)


ノビは、言われても”ケロッ”としている。

              

このやり取りを見て、


(...ギャップ萌えを狙ってるのか.....?パメちゃん?...

...セクシーダイナマイト... ...狡猾こうかつなヘビだな...

...ノビは... ...”ケロッ”としている.....タフなカエルだな...。)

 

『お願いする。』 つい顔が‥”ニタリ”。


黒一色の姿で、テンガロンの鍔を右手で持ち、頭を下げた。

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