第13話  赤三角

宿屋に着いた。俺達が入ると、受付にいた女将さんから、いぶかしがられる。

『1人増えるならあの部屋は銀貨8枚‥‥。

まったく‥‥今どきの若い子は‥‥真昼間から男を連れ込んで。』


『そんなんじゃないわー!!』(..タイプだから..嫌じゃ無いんだけど...。)

      

顔を真っ赤にして怒る妹。


『連れ込んで‥‥まぁ私達の部屋は広いし‥‥間違ってないわね。』

(..顔に出てるかしら....ここは..。)

         

姉は至って冷静。 


俺は困惑していたが、

『この村に、来たばかりなんだ、1人部屋は‥‥空いてる?』

(...丁度よかったし...。)

『1人部屋なら‥‥銀貨5枚!』『ああ。』と銀貨を渡す。

   

女将さんは、鍵を寄こして『”ふん”!』鼻息荒く、

さっさと奥に引っ込む。


(...とばっちり....なのか?...。)


『ベーーーぇー。』舌を出して、宿屋の奥に向かってする妹。


『田舎の宿屋なんてこんなものよ。とりあえず私達の部屋で。』

掴んでいる腕を、ボインで離さないまま、部屋に向かう。


部屋に入る。『広いなぁー。』見廻みまわす。


すぐに、部屋に干してあるセクシー下着に...。目が止まる。

「赤・白・黒・金・緑?」まさに...フェスティバル。

目が点になる。


慌てて気付き、顔を朱くして下着を取り込む妹に、

(...ちょー......恥ずい....白と緑....あとほとんど...ネーのやつ..。)

        

『‥‥このっ‥‥変態っ!!』ののしられ、さげすんだ目で見られる。

     

『ここに掛けて、お茶をれるわ。』(...下着ぐらいで...。)

姉は気にも止めず。

       

目点な...俺は、ソファーに腰を下ろす。


妹は俺を睨みにらつけながら腕を組み、

右足のかかとを”トントントン”‥‥‥踏んでいる。

(...あーー.....はずかしー......どうしよう...。)


どうにも居心地が悪い。

 

『粗茶ですが‥‥どうぞ‥‥。』(...ジュリ...照れてるわね...。)


すまして‥姉が丁寧にテーブルの上に置く。


初めてみる濃い緑色のお茶...。カップには取っ手も無い。

まずは匂いをいでみる。なんだか不思議な香りだが落ち着く。

カップは,熱かったが、両手で持って、

『アチッ!フー‥‥フー‥‥。』息を吹きかけて、飲んでみる。

渋みと少しの甘味が、口に広がりさっぱりした。


 『ふぅ‥‥美味い。』感嘆かんたんの声が出る俺。


『ヤマトの煎茶よ。 ”ふふ”美味しいでしょ?』

(...まずは...よかったわ...気に入ったみたいで...。)


姉は、にっこりする。


自分達のお茶もテーブルに置いて....。『ジュリもお座りなさい。』 

 (...そこに立ってたら...そっちにも目が行くでしょ...。)

淑やかに言う姉。


姉は俺の前に座った。黒編みタイツを纏ったセクシーな赤三角が、

美脚の間から垣間見える。どうしても目がってしまう。

(...”ふふふ”....見てるわ....殿方は...好きよね...。)


妹も仕方なしにソファーに、美脚を横に投げ出して姉の隣に座る。

(...わたし...今日のは....見せられないの...。)


多分‥‥俺の目線を、キャッチしたんだろう‥‥鋭い。

言われようの無い罪悪感の中‥‥熱いお茶?で、額に汗が滲んでくる。


『姉のアカリと申します。聞きたいことがたくさんあります。』

(...しっかりみてるわね... ...”ふふふ”...。)


『早くナガラ兄の居場所を教えなさいよ!!』

(...ネー....わざと...見せてる...。)

またまたわめく妹。

         

『ジュリ‥‥あなたは、ほんとせっかちね。』

 (...みてもらうのよ....ゆっくりと...。)              

クスッと笑う。

        

『私達と兄は一緒に暮らしていたの‥‥長い間‥‥探したの。

教えてくださる?』(...聞くことは聞いておかないと...。)

真顔に戻る。


『師匠とは‥‥2年位前から‥俺がA級に‥なると同時くらいに

 ‥刀と装備一式を置いて‥急に居なくなってそれからは‥‥。』


『どう言うことなのかしら?2年前突然消えたのかしら??』

    

『そうなんだ‥‥。俺も当時は‥‥かなり驚いたんだけど‥‥。』


 『なんで急にいなくなるのさー‥‥愛想尽かされたー?変態だから?』

(...ちょっとーー!!......見過ぎ...。)


『言葉が悪いわよジュリ。態度もね‥‥。』

(...あら.....見せられない可愛い抵抗ね...。)


『だってさー‥ネーも‥やっと見つけたのにぃ‥。』

(...タイプの人.....なのに...。)


『ゴクトーさん‥‥あなたはそれから‥‥どうしていたの?』

(...急に居なくなるとは思えない....あの兄様が...。)


『師匠を探して旅して‥‥。ここのダンジョンの話を聞いて‥‥。』


『あたしらと同じじゃんかぁーー!!‥‥。』涙ぐむ妹。

(...そんなぁ.....ネーとの旅が...。)


『私達もここのダンジョンで待ってれば現れるんじゃないかと‥‥。』

(...兄様のことは.... ..ここでは...一旦諦めて....。).

 

 姉妹はがっかりする‥‥。


『そうだったんだな‥‥。なんか申し訳無い‥‥。』


 俺は目線がまたセクシーにく。

(...気づいたのか?.....気にする素振りもなく...わざと開いた?..。)

 

”ゴクっ”と生唾を飲む俺に‥‥姉は尋ねる。


『ゴクトーさんはヤマトの生まれですか?』


『ゴクトーでいい‥‥。』

       

『なら、私達もカオリとジュリ...呼んでくださいませんか?』

   

『見たところ‥お淑やかで、育ちの良さが出ているが‥貴族なのか?』


『この大陸で言うなら‥貴族ではありません‥‥。』

(...見たところとは?...お淑やかに?...もっと見せねば...。)


『変態ってヤマトの人なのー?!』(..ネー...開いてるよねー?...。)


『ほんっとに‥ジュリは変態って‥。』(...ジュリに気づかれた?...。)


『それもわからない‥‥10歳ぐらいまでの記憶が無いんだ。

気づいたらコリン神聖教会の孤児院にいたんだ。

シスターに頼まれて、仲間の孤児達と、薬草採取に出かけて‥‥。

仲間達と魔物に追われてるところを、偶然、師匠に助けてもらって‥‥。それで冒険者に憧れた‥‥。

師匠は、俺に冒険者になってみるか?と言ってくれた。

俺は弟子にしてもらい、孤児院を出た。

長い間‥‥一緒に冒険しながらいろいろなことを教わった。

厳しいがとても優しい人だった。1人前にしてもらった。

桃色の髪の妹達の話は、師匠から聞いてたんだ‥‥。』

  

それから俺達はお互いが知ってる「ナガラ」の話で

朝方まで話し込んだ。

ずっとその間、俺は姉のセクシーを堪能たんのう

(...顔に血が昇ってるの...気づかれてたな...。)


姉妹の部屋を出ると、朝食の準備をする女将さんに”バッタリ”.....。

『別部屋じゃなくっても、良かったんじゃないのかい?若いねー。』

『”ふん”。』と、また鼻息を荒くされた。

多分...顔が火照っていたからだろう。(...タイミングが...。)

           

部屋に帰りベッドに入った。


すぐ、”ドンドンドンドン”びっくりして跳ね起きた。

『お客さん‥‥チェクアウトの時間!!起きて!!』

『”ふん”。』と女将さんの声。


(....また”ふん”....とばっちりだ...なんで??...。)


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