第7話 急報
隔離された国『トランザニヤ』では‥‥ ある異変が起きていた。
国は2000人程しかいない小さな国。
『始祖の一族』の末裔か
この国は爵位制度で王様とは言わずに『王爵』。
トランザニヤ家の長男である者だけが‥‥
王であり『
弟達は『ファン』を使うことを義務とされる『公爵』。
他の重臣達や眷属の一族にも
『侯爵』以下の爵位を与えこの国を治めていた。
数百年の間 ‥‥この地に移り住み平和に暮らしている。
トランザニヤ家には大きな特徴がある‥‥
=髪と眉や髭の色は銀色・目は赤・瞳は銀・肌は薄青・犬歯を持つ=
特殊な
例外もたまにはいるのだが‥‥
トランザニヤ家3兄弟の仲はとても良かった。
代々受け継がれていた『家訓』が彼らをそう育てた。
長男のオブリオは威風堂々として‥‥ 『玉座の間』の王の椅子に座っていた。
身長は2
銀色の長い髪を後で束ね
鍛え上げられた肉体なのか胸板の厚さがわかる。
人とは思えないほどの美形。
次男のマグナスは知的で厳格そうに見える。
やはり美形で30歳前半だろう。
銀縁の眼鏡をかけていて細マッチョ。
身長は兄より低い‥‥ 銀色の口髭が似合っていた。
特有な紫色の
末弟のドミナスは1人だけ髪色は紺色。
優しい雰囲気を出す紺の瞳。
兄達とは違い顔はそこそこ。
ぽっちゃりして背も低かった。20代後半位に見えた。
特有な群青色の衣に紅いローブを着ていた。
「..ご報告が.......」
年配の侯爵から話があった。
末弟のドミナス・ファン・トランザニヤが‥‥
「何事かね?」
優しく
この国の王爵長男のオブリオ・ロイ・トランザニヤ三世が
白亜の王宮の広い『玉座の間』で‥‥
いつもの定時報告を黙って訊いていた。
「どうした?‥‥」
横で立っている次男の
マグナス・ファン・トランザニヤもその報告を聴いていた。
3兄弟に年配の侯爵からまさかの報告が‥‥
報告を聴いた玉座の間の一同は
「
上位の龍種ならわかります。この地にも
現れたブラック・ドラゴンをマグナス兄上が討伐隊を率いて
討ち払ってくださり.... その時は大事に至りませんでしたが.....
ヒドラとは最上位の龍種.... 別界で生まれし
この世には存在しないはずの龍と....... 亡き父 王爵より訊いております」
末弟のドミナスが長男のオブリオに進言した。
「現れたものは仕方あるまい ...... 討伐隊をまた編成するしか.....」
そう言って顔を
弟であるマグナスの方を”チラリ”と見た。
「閣下!我にご命令を!!」
察したのか‥‥マグナスは
「討伐隊を編成するのは マグナスに任せよう....
いいか..... 決して死ぬようなことがあってはならんぞ...」
弟の身を心から案じて不安な顔になるオブリオだった。
「兄上....」
ドミナスも兄の身を案じていた。
「なぁに.... いくらヒドラでも
我が家系の力を存分に見せてくれよう.....」
そう言う自信満々のマグナス。
「御前達!! 我に続け!!」
部下達に命令し‥‥
重臣達を引き連れ『玉座の間』を勇ましく出ていくマグナスだった‥‥
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