第4話 煩悩に支配されそう
少し戻って……
”姫様がそう言うなら間違いないとは思うでござるが……本当に人間が居るのでござるか?”
「そのはずだよ」
そうコメントに答えながら、足を進めていると魔物の気配を肌で感じる。
「……これは、ちょっとエグイかも?」
魔物が強いというわけではない。
何なら普通に余裕で倒せる。
「……たぶん、すぐに死ぬってことはないかもだけどさ」
”というと?”
「あんまり詳しくは言えないけど、そうだね……人間の尊厳みたいな感じ」
そう言うと俺は配信してたドローンに手を伸ばした。
「ちょっと……今日はもう配信切るな」
俺はそう判断する。
ここから先は、配信していいものではないと判断したからだ。
”了解。お疲れ様”
”おつかれさまです”
”お疲れ様でござる”
そうコメントに流れてくるのを見て、俺は配信を切る。
「……よし」
配信が切れたことを確認し俺は走り出す。
数分と、数秒後。その場所へとたどり着いた俺が目にしたのは今にも襲われそうになっている女の子と、彼女に襲い掛かろうとする★17の魔物、オークキングの姿だった。
それを見た俺は刀を構えて一直線。
「チェスト――!」
がら空きの背中に大太刀を振り下ろした。
真っ二つに裂け、オークキングは血の海に沈む。
さてと……
「おい、大丈夫……そうじゃないな」
そう声をかけてみるが……まあ、大丈夫じゃないかどうかは見てわかるくらいにはボロボロだ。
可愛かったであろう服は服として機能しているかと怪しくなるほどにはだけ、ほぼ下着姿と言ってもいい程。
顔立ちは整っているが、極限環境にいたせいかやつれきっており、目は虚ろ。
彼女がへたり込んでいる地面には水たまりがあり、若干だがアンモニア臭が漂ってくる。
……漏らしたのか。まあ無理もない普通の人間なら★17の魔物を見ただけでも恐怖体験だからな。
――まあ、ここまで潜れてるからそれなりの実力はあるんだろうけどね。
まあ兎も角、もうすでに限界ギリギリって感じ……
「人、だぁ……」
そう言って彼女は気絶してしまう。
「よっと……」
やっぱ限界だったか。
俺は彼女を抱きかかえ上げると、近くに運んで上に来ていた羽織を彼女に着させる。
羽織を彼女に着させると、俺はの上半身はさらし一枚になってしまうのだが……まあ問題ない。
何故ならば可愛いけど俺は男だからな!
「……まだ見えちゃいけないようなところが見えそうだけどね」
そう思いながら背中に背負う。
背負うと彼女のお胸の二つの感触が当たってしまう。
ぷにぷにでふにふにで……
「……エッチだ」
こんなことを考えるべきじゃないが、思わずそう思ってしまう。
だって仕方ないだろう?ここ数日ダンジョンやらなんやらで抜いてないんだから。
「あ、ヤバイ煩悩に支配されそう」
そんなことを考えながら、煩悩から逃げるようにしながら、なんやかんやでダンジョンの外へと彼女を連れだしたのだった。
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