第3話  明日が白いこと


明日あした

明日になる

その保証は


白い


そして水に溶けない

きっと猫の犬歯よりも

白いからだ


白いことは

そこに何も描かれていない

何も書きこめないということ


明日のたくらみが

くじらの皮をかぶって

階段を降りてくる

こちらは真っ黒なんだな


企みというものは

いつもひととおりでしかない

明日を

望まれた明日を

一日はずし

消してしまうことだ


少女の夢が叶わないのは

この企みが風のように

日々を通り抜けているからだ


何も思わずに人は

手をつなぎ歩いてゆく

明日を言葉にすることのあやまちを

静かに肌懐はだえに感じながら


わたしも

一度も

明日を見たことがない

わたしが

良き日であれと望み

それを思った時

明日は消えるから


だから明日は

いつも

何気なく


白い


その白さは


彼方かなたの道で


死のパレードを待っている


何かを

口ずさみながら


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