第12話 FRIGHT <会合>
「……
「地溜が戻った」
「おお。戻ったか」
「首尾はどうだ」
「……エライメニ、アッタ」
「どういうことだ」
「……ニンゲンガヤトッタ、アノハンターハ、ウデガイイ」
「その傷は何だ?」
「ヤケド、ダ。ハンターニ、アブラヲカケラレ、ヒヲツケラレタ」
「地溜が手傷を負うなど、まっこと珍しいな」
「並の賞金稼ぎなど、問題にならない貴様が」
「情報よりもいい働きをするようだ」
「……オドロイテイルノハ、オレダ。コノヤケドノウラミ、ワスレマイゾ」
「昨日放ったイナゴは三匹とも殺された」
「実にあっさりと、な」
「瞬きするほどの間に」
「その賞金稼ぎ、只者ではないな」
「報告は奴からあらかじめ受けている。確かに並の賞金稼ぎではない、と。だからこそ地溜りが向かったのだ」
「どうするか」
「どうするかな」
「時をおくか?」
「妙案ではないな。月詠は近い」
「我らが一体ずつかかっても、殺られてしまうか?」
「……ヤツハ、ツヨイ」
「強いか」
「知己にも長けているようだ」
「どうしたものか」
「長に相談するか?」
「手をわずらわされるのを、長は嫌う」
「目的は生け捕りだ」
「そうだ。あくまで生け捕りだ」
「しかし鬱陶しい奴だ。その賞金稼ぎ」
「我らで一斉にかかろう。我ら全体で取り囲んで一斉にかかれば、さしもの奴もただでは済むまい」
「どうやってここまでおびき出す? 町中では我らは集団では動けん」
「公安どもがすぐにやってくる」
「他のハンターも、な」
「多対多では、我らも無傷ではおれん」
「おびきだす餌が必要だ」
「馬鹿どもが」
「何だと?」
「それならば、答えは出ているではないか」
「ソウイウコトダ」
「地溜。すぐに動けるか」
「マモナク」
「月詠までまだ日はあるが、いた仕方がない。――餌を調達に行くぞ」
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