タイトル[時間の神殿でタイムキーパーはかく語りき]

絶望を超越するもの

タイトル[時間の神殿でタイムキーパーはかく語りき]

二人のタイムキーパーは神殿の中の

大量の椅子がある教室のような場所で話をしていた。


「タイムキーパーはタイムキーパーでなければならない

それ以上にもそれ以下にもなってはならないんだ

絶対不動の存在それがタイムキーパーという存在なんだわかったか?」


「わかりました」


「そしてこれは基底時間軸から大きく外れ剪定対象となったもの

隣接する時間軸に悪影響を与えるため切除する必要があるものだ」


「剪定されたその世界に住む存在はどうなるんですか」


「それは無にすら還らない本当の終わりを迎えるだが

二者択一だ多くを救うためには少きを切り捨てる必要があるのだよ」


「それを救う方法はないんですか?」


「あるにはあるだがそれを行うほどに

価値のある存在はこの世界には無い」


「確かに知的生命体は人間以外にいない世界

ですがそれでも救う価値はあると私は思うのですが」


「人間なんて反吐が出る存在を助ける価値はあるか?」


「人間に価値は無いと仰るのですか!」


「自分たちの世界を守るために

他の世界を切り捨てる

これはよくある設定だと思わないか?」


「えっ?」


「自分たちの世界を守るために他の世界を切り捨てるという

設定の作品がよくある設定と言えるほどたくさんあるなんて

人間の想像力には心底反吐が出る本当に悍ましい生き物だ」


「だからと言って人間に価値が無くなるわけでは


「人間に価値などないそれは人間の歴史を知っているのならば

絶対に思うことお前のそれは何も知らぬ無知からの傲慢に過ぎない

そしてそろそろ剪定を行う時故に行かせてもらうぞ」


そう言う言って一人のタイムキーパーは剪定を行いに行った。 


「……………………私は


そうして様々なことを悩みながら

タイムキーパーとして長い時を過ごして一つ結論を出した。




◇◇◇




「お前は何をやっている!」


「あらゆる時間軸を繋ぎ合わせて作られる理想の世界

私の計画が成功すれば誰も傷つくことのない

完璧な世界が生まれるんです

誰も生きた証を世界ごと消されることはない

崩壊したマルチバースも最終的には

私が作る時間軸に統合され幸せになるんですよ!」


「それは一体どれほどの確率で成功するのか言ってみろ!」


「無限分の刹那もありはしないだがやる価値はある!」


「マルチバースの破壊者になるつもりか!」


「いいや全てを救う救世主となるだけですよ!」


「タイムキーパーはタイムキーパーでなければならない

お前は剪定対象になったゆえに選定をさせてもらう!」


「私は二者択一では無く全てを救うんだ!」


そうして二人の戦いは始まり一種で終わったその結果は


「剪定終了………………………さてと

他の世界の剪定をしに行くとするか」


そうしてタイムキーパーは世界を剪定しにまた向かった。

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