〜セラさんは宇宙人に誘拐されましたぁ!〜

柚亜紫翼

〜セラさんは宇宙人に誘拐されましたぁ!〜

地球は青かった・・・いや、足元に見える惑星は僕の知っている地球ではない、生まれてから10年間暮らしていた帝国のある・・・名前も知らない惑星はとても青くて綺麗だった。


「わあぁぁん・・・怖いよぉ」


僕の隣で涙と鼻水を垂れ流して泣いているメイド服を着た美少女はミリンダさん、没落した下級貴族のお嬢様で14歳、僕の先輩で教育係、僕達は朝お屋敷の外で掃除をしていたら宇宙人に誘拐されたのだ。


僕の名前はセラ、ミリンダさんと同じ屋敷で働くメイド兼ご主人様の玩具、薄茶色の髪に灰色の瞳、顔は自分で言うのもアレだけど結構可愛いと思う。


貧しい平民の家に生まれた僕は9歳の時に貴族に売られてしまった、広いお屋敷に住むお金持ちのご主人様は小さな女の子を孤児院から引き取ったりお金で買ったり、・・・幼女を集めているロリコンさんだ。


ご主人様は集めた幼女が逃げないように魔法で縛っている、僕の左手に刻まれた契約の印、この印がある限りご主人様に居場所が分かるのだ、僕達が空のはるか上に居る事に気付いたご主人様はどんな顔をするだろう。


あの屋敷に居てもご主人様の好みの年齢・・・12歳になったら僕は他の皆と同じように処女を奪われ身体を汚されてしまうだろう、宇宙人に拐われた方がマシ・・・かといえばそれはまた別の話なのだけど。


「あーあ、魔法のある異世界に転生したのにこんな人生・・・酷過ぎるよ」


透明な丸いカプセルに包まれて僕達は空高く昇っている、周りは真っ暗で星が綺麗、足元には先ほどより小さくなった青い惑星があって、上を見ると予想通り、宇宙船が見えた。


「きゅぅ・・・」


しょわしょわぁ・・・


ほかほかぁ・・・


ちょっと待って!、ミリンダさんが僕の隣でお漏らしをして気絶しちゃった!






がこん!


宇宙船の下が小さく開いて僕達は中に収容された、それからプレデターのような醜い宇宙人に全裸に剥かれた後、謎の液体にドボン!。


溺れて死んじゃうかと思ったよ!。


液体から引き上げられた僕達は別の部屋に連れて行かれて・・・身体の隅から隅まで観察された!。


「ぐすっ・・・ひっく・・・」


たくさん注射を打たれて変なものを無理に飲まされたけどようやく検査が終わって別の部屋に入ると・・・そこには泣いているミリンダさんが居た。


かわいそうとか慰めてあげようとは思わない、だって彼女は皆に隠れて僕を殴ったり蹴ったりしていたから・・・今は流石に僕の事を気にしている余裕は無いようだ。


天井全体が淡く光る真っ白い部屋、そこに置かれたシーツも何も無いベッドが2つ、これに全裸のままで寝るのは少し抵抗があるよね・・・。


「ねぇ・・・ミリンダさん・・・」


「・・・うるさい話しかけるな!」


怒られちゃった。


さて、僕達はこれからどうなるのかな、人体実験の材料、備蓄食料、卵を産みつける苗床・・・前世で読んでいたSF小説ならこんな感じかな、チップか何かを身体に埋め込まれて元居た場所に戻されるかもしれないな、それだとまたご主人様の玩具に後戻り・・・。


別にご主人様が極悪人だとは思わない・・・ロリコンなだけで。


ご主人様が僕たち幼女を性的に弄ぶのは12歳から15歳までの3年間、随分と守備範囲の狭いロリコンさんだ。


12歳になるまで文字の読み書き計算、それからメイドとしての立ち居振る舞いと仕事を教え込まれる、綺麗なお部屋とベッドが用意されていて食事も1日3回とても美味しい料理を食べさせてもらえるのだ。


ご主人様への「奉仕」が終わる15歳になると皆は魔法契約から解放され他の貴族の屋敷に紹介状を持って送り出される、その後の生活は個人の自由だ、紹介された貴族の家を辞めてもいいが給料がとても良いので誰も辞めないらしい。


優秀で容姿端麗なメイドが多いと評判の我が屋敷は上級貴族家からとても人気がある、中には当主や子息から寵愛を受けたり、メイド長にまで出世した人も居るのだとか。


実際僕の周りの同僚は全員美少女だ、ご主人様の審美眼は大したものだと思う、ロリコンにしておくには惜しい人材だね。


ご主人様がロリコンで見た目が豚さんのように肥え太っている事を除けば職場としては悪く無い・・・むしろ良い職場と言えるのかもしれない。


僕の住んでいる帝国はとにかく治安が悪い、街には浮浪者が溢れ犯罪などは日常茶飯事だ、そんな所に住む貧しい平民娘の将来など容易に想像できるだろう。






ぷしゅー


「ひぃぃ!」


ミリンダさんの悲鳴で目が覚めた、どうやら僕は眠っていたらしい。


「プレデターの次はエイリアンかぁ・・・最悪」


部屋の扉が開いて宇宙人が入って来た、これまで僕を調べていたプレデターとは違う種族のようだ、昔映画で観たエイリアンっぽい、・・・苗床にされる未来が頭にうっすらと浮かび僕は激しく頭を振った。


「いやぁぁぁ!、離してぇぇぇ!」


ミリンダさんはエイリアンに腕を掴まれ半狂乱だ、僕を指差しあれを先に連れて行けと叫んでる、見た目は美少女なのに中身は本当にクズだ・・・。


僕は連れて行かれるミリンダさんに小さく手を振った。






ミリンダさんが連れて行かれてどのくらい経ったかな・・・僕は全裸でベットに仰向けになっている、うん、もう今の人生は諦めた、死んじゃっても良いからせめて痛くされないよう祈ろう。


僕・・・いや、私の前世は日本に住む男性だった。


名前は瀬良大樹(せらだいき)、21歳でシステムエンジニアとして地元企業に入社しその後独立して会社を立ち上げた。


まだパソコンが世に普及し始めた時代・・・仲間と共に会社を大きくしつつ微力ながらインターネットの発展に貢献した・・・そして56歳の時に不慮の事故で死んだのだ、色々あったが充実した人生だった。


つまりここに居る幼女の中身は56歳のおっさんだ。


身体の影響なのか時折幼い言動をしてしまうが人格の大半を占めているのは瀬良大樹という男だ、だからご主人様の屋敷に初めて連れて来られた夜、全裸に剥かれて身体中を舐め回されたのはトラウマとなってまだ僕の心に大きな傷を残している。






ぷしゅー


扉が開いた、この部屋の扉は宇宙船によくある中央から開き横にスライドするタイプだ、先ほどのエイリアンが私を連れに来たのだろう、あいつの手は体液でネトネトしていたから気持ち悪い・・・触られる前に自分から出ていこう・・・そう思って立ち上がると・・・。


目の前にはグレイがいた。


僕と同じくらいの身長、大きな頭と黒くて大きな目、弱そうだ・・・もしかして戦ったら勝てるかな・・・一瞬そう思ったのだけど・・・こいつの背後には凶暴なプレデターとエイリアンがついている、怒らせるのはまずいかもしれない・・・。


僕は素直にグレイさんに促されるまま部屋を出た。






グレイさんの案内で宇宙船の廊下を歩く、僕の居た部屋の近くは銀色の金属っぽい壁だったのに奥に進むにつれて次第にH・Rギーガーがデザインしたような触手がぬらぬらと絡みついた禍々しい内装に変化した。


あー、これは苗床確定かな・・・そう覚悟を決めていると気持ちの悪い扉の前でグレイさんが立ち止まった。


ゔぃぃぃぃん・・・


扉の開閉音まで気持ち悪いよ!。


隣に居るグレイさんがこの中に入れと手を引っ張る、どうしても入らないとダメなの?、嫌なんだけど!。


ゔぃぃぃぃん・・・ぶしゅぅぅぅぅ・・・・


嫌々ながらも部屋に入ると入口の扉が閉じた・・・僕の勘が正しければ二度と生きてここから出られないような気がするよ・・・。


やたらと天井が高くて広い部屋の中も廊下と同様禍々しいし蒸し暑い、それに血と鉄錆のような匂いが漂っている・・・もうこの時点で嫌な予感しかしない!。


目の前には薄明かりに照らされた透明な繭のようなものが沢山あった、天井から触手が何本も垂れて繭の中に入ってる、一番手前の繭からは赤い血のようなものが垂れて呻き声がするね、近付いて中を覗くと・・・。


「うん、知ってた・・・」


なんとなくそうじゃないかなーって思ってた、でも実際に見たら怖くて足が震えた、宇宙船に連れて来られてからは比較的冷静でいようと頑張ったけどこれはダメだ、もう限界・・・。


「うぷっ・・・おぇぇぇ」


僕は吐いた、血や体液で元から濡れていた床には先ほど無理に飲まされた緑色の液体が垂れ落ちた。


繭の中には予想通り、ミリンダさんが居た、両肘から先、そして両膝から先が無い、引きちぎられて繭の外に落ちている、元々手足が付いていた傷口には気持ちの悪い触手が貼り付いてミリンダさんの身体と同化しようとしている。


両腕、両足を広げられて口や鼻、お尻・・・身体中の全部の穴に太い触手が挿入されてる、もちろん目玉も抉られて眼窩の中には触手が・・・。


身体の中央には胸からおへそにかけて鋭利な刃物で裂かれた傷、その傷の中にも触手が何本も入ってた・・・多分これから死ぬまでこの繭の中で生かされ続けるのだろう。


「い・・・嫌ぁ!、こんなの嫌だ!、誰か助けて!」


僕は入口の扉に走り外に逃げ出そうとしたけど開かない、後ろからグレイさんが近付いて僕の肩を掴んだ、ものすごい力だ。


「嫌だ、離して!、嫌だぁぁ!」


暴れる僕の身体を軽々と抱えたグレイさんはミリンダさんの隣にある空いた繭の中に僕を押し込んだ。


繭の中から触手が出てきて僕の首や手足に絡みつく・・・もうダメだ、僕もミリンダさんみたいに・・・。


「ぎゃぁぁ!、痛い痛い!、痛いよぉ!」


手足に激痛が走り触手の先端が目に突き刺さったところで僕は意識を失った・・・。






133バン・・・クウチョウセツダン・・・


頭の中に声が響いた、僕は指を動かしスイッチを押す感覚で133番フロアの空調を切る、逆らうと身体に激痛が走るから仕方なく言われた通りにする。


「(133番空調切りましたー)」


あれから何日経ったか分からない、でも僕がどうなったのかなんとなく分かった。


この宇宙船は生き物を使って制御している・・・のだと思う。


だから僕はこの宇宙船の生体コンピュータの一部、僕の役割は「中央」からの指示を受けてとある区画の空調を制御・・・卵を産み付けられて宿主にはされなかったけどこれは酷い!。


しかもお給料も出ないタダ働きの休み無し!、地球のブラック企業も真っ青だ、ご主人様のお屋敷でさえ年に数回お小遣いが貰えたのに・・・。


僕の身体は見えないから分からないのだけど手足は動かない、口やお尻・・・それから・・・お・・・お股の穴にも触手が入ってる感覚があるからミリンダさんと同じ状態なのだと思う・・・。






あれから更に何日も経った。


空調の制御が仕事だけど暇な時もある、暇な時は余計な事を考えるものだ、・・・ある日僕はこの船を乗っ取れるのではないだろうかと考えた・・・。


僕の前世・・・瀬良大樹(せらだいき)の仕事はシステムエンジニアでありプログラマー、若い頃はハッカーの真似事もしていた、だから僕に指示を出す「中央」にアクセスして乗っ取る・・・までいかなくともイタズラくらいならできるのではないか・・・。


考え始めたら夢中になって思わず実行してしまった。


結果は・・・乗っ取り成功、案外ちょろかった、セキュリティは地球の中小企業のサーバー並みだ、まだ半分程度しか乗っ取れていないが空調、照明、生命維持機能を掌握できた。


命令される側からする側に立場が逆転したのだ、まだ宇宙人どもは僕の行動に気付いていないし気付かれないように慎重に作業している、ふふふ・・・見てろよ宇宙人・・・。






僕が誘拐されて・・・母星の時間でちょうど1年だ。


何故1年だと分かったのか・・・それはこの船の頭脳を完全に乗っ取ったからだ、ふはははは!。


あれから更に「中央」を踏み台にしてこの船の頭脳にアクセスした、船長の指示を最優先とあったので「船長」を「中央」に書き換えてやった。


全ての権限を取得した後、僕はこの船のデータベースにアクセスして情報を読んだ、もちろん僕がこのシステムに「部品」として組み込まれた時点で言語は理解できるようになっている。


この船は僕の住んでいた星、ジュノス星系第4惑星から数億光年先にある母星を出発し空間転移を繰り返してここに辿り着いたらしい、彼らの星は異種族間の紛争で壊滅、奇跡的に宇宙に脱出できたのはこの船だけだった。


立ち寄った惑星で物資を補給しつつ何世代にも渡って宇宙を旅しているこの船は何千回も繰り返した「部品交換」で僕とミリンダさんを「拾い」古い部品と「交換」した、それが船の乗員を全滅させる厄災の元凶だと知らずに・・・。


この船の乗っ取り計画は最後まで誰にもバレずに実行できた、彼らもまさか「部品」が知能を持って船の頭脳を掌握するとは思わなかっただろう。


何しろ僕が生まれた国は中世ヨーロッパ並みの文明だから油断したのだと思う、しかも僕達には魔力や魔法がある、僕は魔力を薄く伸ばして触手というケーブルを辿りこの船の頭脳を完全掌握したのだ。


最初は僕も宇宙人たちに「話し合い」を求めた、圧倒的有利をちらつかせ、お互いの利益を共有しようと提案した、だけど彼らは僕の居るサーバー室・・・繭のある部屋を攻撃しようとした。


だから報復として僕の居る部屋以外の生命維持機能を止めた。


死体は全部で132体、作業用ロボットを使って宇宙に捨てた、ちなみにあのプレデターとエイリアンは作業用ロボットだった。


そしてこの船には僕以外誰も居なくなった、船外カメラから見えるのは青い惑星・・・ジュノス星系第4惑星、僕が転生して10歳まで生きた星だ。


ピピッ・・・


あ、培養機の処理が終わったようだ・・・生成開始から30日、結構時間かかったな。


僕は室内モニターを培養室に切り替え作業用ロボットを向かわせた。


バックアップ2番から3番培養機にデータ転送、ファイル名「セラ」。


転送完了・・・っと。






ざぱぁ・・・・


培養機が自動的に起き上がり蓋が開く、中の培養液が外に溢れ格子状になった床から排水された。


ぺた・・・


ぺた・・・


むくり・・・


「うん、手足は自由に動くね、視界も良好・・・」


僕は培養機から身体を起こし作業用ロボット(プレデター型)に支えられて立ち上がった、この視線の高さは久しぶり、ちょっと感動。


視界を部屋の監視モニターに切り替えて・・・うん、完璧にセラの姿だね。


そう、この船には文明の存在する惑星を探査する為に機械の内蔵と骨格を持つ「人形」が製造できる装置があった、培養機と名付けられたその装置は対象の惑星に存在する生命体に似せて自由に製作できる、だから僕はかつての自分の肉体を再現し、僕自身の脳のコピーをインストールした。


僕・・・セラの容姿は気に入っていたので変にいじっていない、身長は少し伸ばし僕が成長して15歳になった時をイメージした、ちなみに僕・・・瀬良大樹(せらだいき)は貧乳派だったので胸はささやかにしてある。


「まるでアイドルみたいな美少女だ!、ふふふ、僕は美しい!」


ぺたぺた・・・


僕は今全裸だけど他に誰もいないので気にしない、培養室から出て通路を歩き、船の展望室に入る。


「うわぁぁ・・・綺麗!」


展望室に入ると巨大なモニターに僕が生まれた星の青く美しい姿が映し出されていた、大きなモニターを肉眼(機械だけど)で見ると迫力が違う、暗い所は夜、明るい所は昼・・・あ、あの辺は暗いけど電気・・・魔導灯が所々ついていて薄明るい・・・大きな街かも。


「よく見ると部屋の隅の方が埃っぽいな、作業用ロボットは細かい所のお掃除できないのかも・・・まぁ自由に動ける身体が手に入ったからお掃除しよう・・・ご主人様の所で教わったメイドスキルが役に立つ時が来たね」


「・・・」


「・・・」


「誰も話し相手がいないのも寂しいなぁ・・・そうだ、もう1体「人形」を作って・・・は却下かな、一人漫才みたいになるし・・・星に降りて街を探索してみたいな・・・これまで街で遊んだ事ないし、うん、そうしよう!」


「この宇宙船は大気圏の中と外を転移できるから、高度1000mくらいで浮かせて船の下を光学迷彩で隠せば気付かれないと思う、それから惑星探査用の小型戦闘艇で地上に降りて・・・」


本当に楽しみだ、ワクワクする、お金は全然持ってないけどハンターという職業があって魔物を退治したり薬草を採って来るとお金が貰えると先輩のメイドに聞いた事がある。


僕の身体は機械だから寝たり食べたりしなくても大丈夫、危ない事があれば船に逃げて来ればいい、ここは僕のお家だ!。


船内のお掃除が終わったら惑星探索用戦闘艇を整備して・・・っていうかこの船は広い、東京ドーム何個分あるんだろう、まるで街、これ全部僕がお掃除してたら大変だ、やはり「人形」は増やそう。






ゔぃぃぃぃん・・・


僕が自由に動ける機械の身体を手に入れてから2日が経った、服が無くてまだ全裸だけど・・・部屋のお掃除は順調に進んでいるもののまだ終わっていない、部屋数が多過ぎるのだ!。


今僕が居るのはサーバー室、繭のあるお部屋、ここに外から入るのは2回目だね。


この部屋の中には僕の「本体」が眠っている、脳の機能はすでにこの船の頭脳に移してバックアップも取ってあるからこの身体が死んでも大丈夫だ、それに僕の担当していたフロアは人が居ないから今は空調の制御は必要ない。


僕が今悩んでいるのはこの身体をどうするか・・・だ。


自分の身体だから捨てる訳にもいかないし、正直どうなっているのか見るのが怖い、この部屋にあるカメラも繭の中まではっきり見えない、でも・・・10年間お世話になった身体だからちゃんと向き合わないと・・・。


「これだね・・・覚悟を決めて・・・」


・・・


「わぁ・・・」


ミリンダさんと同じ感じで程よく触手と融合してるね、既視感あると思ったら転生前に持ってたH・Rギーガーの画集にこんな感じのあったなぁ・・・。


つんつん・・・


ねちゃぁぁ・・・


「触手から出た液が糸引いてる・・・これ抜けるのかな」


ずずっ・・・


「・・・うん、知ってた」


触手は完全に皮膚と溶着して抜けなかった・・・。


廃棄処理の信号を出せば切り離せるけどあれって使用済みの身体をぐちゃぐちゃに潰して宇宙に捨てる機能だからダメだよね・・・。


「さて、船の中をお散歩しようかな」


僕は問題を先送りにした。



















投稿中の〜隻眼の令嬢、リーゼロッテさんはひきこもりたい!〜

Side-15で、いつか使おうと思って寝かせていたお話です、半年以上経っても使わなかったので本編から切り離し、3話分の文章を削って1話完結の短編として投稿しました。


もちろんリーゼロッテさんが住んでいるところと同じ世界のお話です(たぶんミラージュ大陸のどこかの国)。


(補足)

当時書いた文章からご主人様視点のお話をまるっと削ったので本物の鬼畜ロリコンっぽくなってしまいました。

でも実際には医者でもあるご主人様が貧民街の夫婦から購入したセラさんに虐待の跡を見つけ、全裸にして触診した結果、衰弱して意識朦朧とするセラさんには裸に剥かれて舐め回されたと思われています、他のメイドさん達にも頻繁にお触り(重罪!)しますがえっちな事はしていません。

魔法契約は大事な子達の迷子&誘拐防止です・・・2人のメイドが行方不明になってご主人様は部屋で泣いています。

書き直そうかと思ったのですが本筋に影響がない、お話が長くなる、ご主人様が変態なのは間違い無いという理由でそのままにしました。

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