第5話
『食べ物をくれる子が好きだそうです』
『???』
『長十郎の好み』
『もう聞いてきてくれたんですか? ありがとうございます!』
『いえ、全然』
『食べ物って具体的にはどんな感じのものですかね? クッキーとか?』
『お菓子よりはご飯ですね。腹持ちの良い食べ物が好まれます。少し難しいかもしれませんがお弁当を渡すと喜ばれると思いますよ』
『お弁当……いきなり渡して受け取ってもらえるでしょうか?』
『やつは食べ物なら絶対に拒みませんので安心してください』
『分かりました。作ります。明日』
『明日ですか?』
『はい。思い立ったが吉日、それ以外は全て凶日と言います。料理は得意と言えるほどではありませんが、頑張りたいと思います』
『分かりました。それでは明日の昼、西校舎の四階、屋上ヘの階段の踊り場に行ってください。私が長十郎を誘導しておきます』
『ありがとうございます。それとなのですが、辰川くんはいつもそこでご飯を食べているのですか? 一人で?』
『基本的にはそうです。すみません、家の手伝いがあるので今日はこれで』
『いえ、こちらこそありがとうございました。このご恩は忘れません』
『(頭を下げる猫のスタンプ)』
『(お別れを言うおばけのスタンプ)』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます