第4話
寝台に寝かされた私は、抵抗しようとするけれど、全て止められていた。何度も唇や肌にキスの雨を降らせながら、ルゥは器用に私の服を脱がせていく。胸がはだけられたところで、私は観念した。
「わかった。もう好きにして」
「おねえさんがほんとうにいやなら、やめてる。でも、いやじゃないでしょ? ぼくとこづくりするの」
夏の暑い日、海に行ったときに、ルゥの気持ちは聞いていた。その日から、毎晩眠る前のとりとめもないことを考える時間に、ずっと考えていたのだ。確かに、嫌ではない。嫌なわけではないけれど、怖いのだ。未知の世界に足を踏み入れることが。
「おねえさんはかわいいよ。すごくかわいい。だから、おねえさんのすべてをぼくにみせて」
甘い囁きが、電流となって私の身体を駆け巡った。私は彼に身を委ねた。未知の感覚が身体を支配した。
それから、数日。ルゥは夜になるたびに私を抱いた。私は身体に子種を注がれる感覚に、日に日に慣れていった。
そして、今日も抱かれるのだと覚悟して、寝台で着ているものを脱ぎながら待っていると、現れたルゥは私を抱き寄せながら言った。
「きょうからはもうしないよ。あかちゃんができたからね」
きょとんとした私に、頭を優しく撫でながら、ルゥは言った。
「ぼくにはわかるんだ。おねえさんのなかにあかちゃんができたよ。ぼくと、おねえさんのこどもだよ」
なぜか私は涙を流していた。どんな感情がこの涙を流すのか、わからなかった。悲しみでもなく、喜びでもないような気がした。
「でも、おねえさんがさびしそうだから、これからもいっしょにねようね」
そう言って、ルゥは私のはだけた胸をまさぐった。驚いた私が彼の方を向くと、唇で唇を塞がれた。唾液を交換するような濃厚なキスに、頭の中が痺れそうだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます