第4話

 寝台に寝かされた私は、抵抗しようとするけれど、全て止められていた。何度も唇や肌にキスの雨を降らせながら、ルゥは器用に私の服を脱がせていく。胸がはだけられたところで、私は観念した。


「わかった。もう好きにして」

 

「おねえさんがほんとうにいやなら、やめてる。でも、いやじゃないでしょ? ぼくとこづくりするの」

 

 夏の暑い日、海に行ったときに、ルゥの気持ちは聞いていた。その日から、毎晩眠る前のとりとめもないことを考える時間に、ずっと考えていたのだ。確かに、嫌ではない。嫌なわけではないけれど、怖いのだ。未知の世界に足を踏み入れることが。

 

「おねえさんはかわいいよ。すごくかわいい。だから、おねえさんのすべてをぼくにみせて」

 

 甘い囁きが、電流となって私の身体を駆け巡った。私は彼に身を委ねた。未知の感覚が身体を支配した。



 それから、数日。ルゥは夜になるたびに私を抱いた。私は身体に子種を注がれる感覚に、日に日に慣れていった。

 そして、今日も抱かれるのだと覚悟して、寝台で着ているものを脱ぎながら待っていると、現れたルゥは私を抱き寄せながら言った。

 

「きょうからはもうしないよ。あかちゃんができたからね」


 きょとんとした私に、頭を優しく撫でながら、ルゥは言った。

 

「ぼくにはわかるんだ。おねえさんのなかにあかちゃんができたよ。ぼくと、おねえさんのこどもだよ」


 なぜか私は涙を流していた。どんな感情がこの涙を流すのか、わからなかった。悲しみでもなく、喜びでもないような気がした。

 

「でも、おねえさんがさびしそうだから、これからもいっしょにねようね」

 

 そう言って、ルゥは私のはだけた胸をまさぐった。驚いた私が彼の方を向くと、唇で唇を塞がれた。唾液を交換するような濃厚なキスに、頭の中が痺れそうだった。

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