第12話 同盟条約と建国

タラーナの森

難民避難所(後の首都)

勇者との闘いより11日後

午前11時15分頃


僕たち、全員は長方形のテーブルに、向かい合って座った。

僕の右にはミラとインムンが座り、左にキュリーとサマリナが座った。

後ろにラームネンと5名の超(ハイパー)人間(ヒューマン)の元戦闘奴隷が立っていた。

テントの周りにサマリナの警備部隊20名、入り口に超(ハイパー)人間(ヒューマン)6名も立っていた。残りの警備担当及び元戦闘奴隷部隊のメンバーが避難所を巡回していた。

調理担当のゴベアとその部下5名のゴブリンと獣人が飲み物や軽食を運んできた。


僕、改めてゴベアを見た、彼はホブゴブリンに進化していた。

ミラもサマリナも何か変わった気がした。

この会議が終わったら、本人たちに聞いてみようと思った。


僕たちの向かい側に大使のエイーサノ・ノブタダ、その右側は皇国の勇者である別の世界の転移者の黒岩弥生、彼女の右側に飛行戦艦ヤマトの艦長、クシヤメン・チズエ大佐が座り、大使の左側に彼の警護官で従妹のギモラ・カイラ隊長が座った。


「皆さん、どうぞ、召し上がってください。」


僕は前に置かれた飲み物と軽食を手で指しながら、笑顔で言った。


「それではお言葉に甘えて、遠慮なく、全員でいただきます。」


エイーサノ大使が笑顔で答えてくれた。


「そんな簡単に召し上がってもいいんですか?毒が入ってるかも知れない。」


僕は少しだけ意地悪してみた。


「それはないと信じているし、あったにしても、私の祖父は戦場スライムであり、私は体を部分的にスライム化することは可能でそれに伴い、毒耐性があるので魔王マーシャリ殿下。」


大使の右腕と顔はスライム化した、そしてすぐに元の人間状態に戻った。


「毒入ってない。つまらない意地悪して申し訳ない。」


僕は謝罪した。


「お気になさらず、魔王マーシャリ殿下。」


「マーシャリ様、申し訳ございませんが、これより本題に入らせていただきます。」


黒岩弥生は話した。


「そうですね、弥生さん。始めましょう。」


「私はサンノモト列島皇国の天皇、アサンヒト陛下より魔王マーシャリ殿下と友好な関係を築くため、派遣されました。」


エイーサノ大使が威厳のある声で言いだした。


「僕もサンノモト列島皇国の天皇、アサンヒト陛下と友好関係を築きたいと思っています。」


「魔王殿下、わが皇国と貴殿の国と同じ認識の希望を持ち、この会議で大変大きな成果を得られるでしょう。」


「まだ国ではないのですが。。」


「それでは先ずは国を建国する必要がありますね、魔王殿下。」


「そうですね、大使殿。」


僕の頭にキュリーの念話が届いた。


「マーシャリ様、ご存じの通り、ここ十日前からこのタラーナの森にある他の難民避難所から合流する要請が届いており、実際ここに大勢な難民が合流しました。」


「そうだね、確かに合流を進めるように君にお願いしたはず。」


「はい、その手配は既に済んでおり、この無名な避難所を中心に森にいる全難民が数日以内に集まる。」


「流石キュリー、助かる。」


念話を切り、再びエイーサノ大使に意識を向き合った。


「既にここを中心に避難している難民を集め、国家を建国する予定をしています、大使殿。」


「流石魔王殿下。では、国の名前をご教示いただけますか。」


この数日前に家臣と話し合って、決めた名前を発表することになった。


「僕たちの国タラーナ・パメラン魔導連合王国です。」


「素晴らしい国名です、魔王マーシャリ殿下。」


「ありがとうございます。エイーサノ大使殿。」


「国交の話に移る前に、一つ確認したいことがございまして、魔王殿下。」


「何でしょう。」


「人間の扱いについて。それがわが皇国が知りたい。皇国は一応人間の国家である以上、魔王マーシャリ殿下の本音をお聞かせくださいませ。」


「僕たちの国は争う気がない人間に対して、攻撃をしないと決めている。ここの避難所も多数な人間もいます。」


「なるほど、魔王殿下。」


「タラーナ・パメラン魔導連合王国は魔族、魔物、亜人、超(ハイパー)人間(ヒューマン)、人間が平和に暮らせることを目指す国家です。」


「理想すぎませんか、魔王殿下。」


「理想すぎると僕も思うのだが、人間至上主義の人間の国々、選民思想の悪の神であるエリアスに対して殲滅を目指す。」


「穏やかではない言葉選びですね。」


「はい、大(グランド)粛清(パージ)の傷跡がまだ色濃く残っていますのでその原因は叩きのめすまで先進する意思がある。」


「わが皇国は表面は人間主体の国家だが、実際、500年前から様々な種族が比較的平和に暮らしています。」


「僕たちの国よりずっと前から理想を現実にしているのではないか。」


「そんな単純なことではありませんが、バランスを取っています。」


「では、国交の話を進みますか?」


「はい、悪の神、エリアスの野望を砕ける必要があると我が国は考えています。」


「それでは僕たちの国と大使殿の国は友好的な関係を目指して、国交しましょう。」


「よろしくお願い申し上げます、魔王マーシャリ殿下。」


この日は建国記念日と共にマーシャリアン歴元年の7月1日となった。


それから2日連続で話し合いを進め、タラーナ・パメラン魔導連合王国とサンノモト列島皇国が正式に国交開始し、同盟国となった。

この歴史的な出来事が行われて難民避難所はタラーナ・パメラン魔導連合王国の王都(後のタラーナ・パメラン魔導連合帝国の帝都)マーシャリナと名前が付けられた。


二か国間の機密情報交換も行われ、そこで判明したのは何故、裏切りの勇者のダハラ・ロベルが言った2か月の猶予の真意。

ペイルネ王国は魔法科学の劣化版であるメカ魔法を用いた核攻撃魔法爆弾を製造していた。

爆弾の最終段階に差し掛かっていた。


そしてその標的はこのタラーナの森とサンノモト列島皇国の帝都だった。



次回:勇者襲来

日本語未修正。

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