第10話 皇国の使者

タラーナの森

難民避難所(後の首都)

勇者との闘いより11日後

午前4時頃


僕は日が昇る前に起きて、簡易ベッドに座った。

ここ数日のうちにある程度自分の力を把握できたと思った。

ゲームでよくあったステータス画面とかなかったものの、自分の目で相手の力と強さを見抜くことは可能だった。


相手の力と能力(スキル)は数値として僕の目には見えた。

その測定単位はポイントと名前を付けた。


昨日、寝る前に初めて気づいたので今のところ4人の家臣の力しか見てなかった。


ミラは4921ポイント、インムンは4957ポイント、キュリーは4977ポイント、ラームネンは4899ポイントだった。力と能力(スキル)及び適正の詳細を見ることも可能だったが、もう少し、この能力(スキル)に慣れるまで、確認しないと思った。


一番驚いたのはキュリーの助けなしでこの世界にいる勇者の気配と大体の位置がわかるようになった。

現時点でこの世界に5人の勇者がいること、男性3人、女性1人、識別困難1人であることと4人はエリアスの勇者であること。エリアスではない勇者がサンノモト列島皇国の巨大な中心島の東海岸、静かな大海に面した皇国の首都にいること。

皇国にいる勇者はエリアスの勇者ではないと言っても味方であることと限らない。

転送魔法が使えるのだが、行ったことない場所に行くのは危険すぎると思い、

会うのは一旦接触するのを保留にした。


初夏の空が少し明るくなってたのでテントの外に出た。

入口をガードしていた4人の超(ハイパー)人間(ヒューマン)の元奴隷がすぐに敬礼した。


「もう起きたので、休んでください。」


「わかりました、魔王様。」


敬礼し、自分たちのテントへ歩き出した。


近くに立っていた、ラームネンと3人の超(ハイパー)人間(ヒューマン)が近づいてきた。


「おはようございます、お供致します、マーシャリ様。」


「大丈夫、少し歩くだけだ。」


「承知しました。」


ラームネンと3人組は敬礼し、元いた位置へ戻った。


ほとんどの難民が寝ていたが、一部はもう起きていて、仕事や料理をしていた。

ゴベアは避難所の調理場に立って、部下に指示をしていた。

声かけるのは悪いと思って、そのまま歩いた。


「おはようございます、マーシャリ様。」


夜間警備担当のスメールと彼の部下であるアンデットたちが僕の前にしゃがんだ。


「全員、立って。」


「はい、失礼いたしました。どこかお出かけでしょうか?」


「空気が吸いたくてね。夜間の警備、ご苦労様です。」


「ありがとうございます、マーシャリ様。」


スメールと彼の部下であるスケルトン20体が嬉しそうに僕に会釈しました。


彼らはある程度太陽光への耐久性が持ってたのでサマリナ隊との警備交代時間である朝の6時半まで避難所の見回りしていた。


僕は避難所から北方面約1キロにある丘へ転移した。

丘の上に立ち、広大なタラーナの森、避難所を見ていた。


その時だった、北東方面からこちらへと向かって、大きな気配を感じた。

のんびりと飛んでいるようだった、今のスピード飛行であれば後4時間に到着する見込み。


僕はわかっていた、サンノモト列島皇国の勇者の気配だった。


「キュリー、起きているか?」


僕は念話でキュリーに話をかけた。


「はい、マーシャリ様、私はほぼ睡眠を取らないので。」


「先の気配を感じたか?」


「今、感じました。大きな気配です、真っ直ぐこちらに向かってきている。」


「他の幹部を起こして、あらゆる状況を想定し、準備させて。」


「承知致しました、マーシャリ様。」


僕は感じた気配は大きかった。エリアスの勇者ではないこと、女性であるのはわかっていたが、善か悪か、知りたかった。


4時間後、皇国の勇者とその使節団と初めて対面した。

避難所の上空に魔法と科学の融合の結晶である皇国自慢の飛行戦艦、ヤマト号が止まった。


僕は気配に悪意を感じなかったものの、念のため、戦闘態勢を取った。


皇国の旗艦、ヤマト号は見事な飛行戦艦だった。攻撃力、防御力に優れ、速度が遅かったものの、

核魔法攻撃に耐えられる作りだった。


灰色の船体、飛行用魔法袋の両脇に皇国の象徴であるキクの紋様、電力で動く推進プロペラ、

巨大なゴンドラの先頭にある強力な防御結界付き艦橋、そのゴンドラの中に収納されている強力な魔法砲10門、20門の軽魔法砲と全体を包む核魔法攻撃用結界。


僕は魔法砲には攻撃魔法が込められてないと結界が発動停止になっていたことに気づいた。相手は挑発する気がなかった、僕たち同様、こちらは善か悪か確認したかった。


近距離転移魔法で僕たちの前に3人が現れた。

真ん中に立っていた一人は小麦色の肌、和装風で正装と戦闘用の間の服、上品な顔立ち、豊満な胸と長くて、黒い髪。おそらく別の世界の日本人と黒人の混血の女性。彼女は人間じゃなかった。

僕から見たら右に立っていた一人はサンノモト人と獣人のハーフの若い女性でサンノモトの軍服を着ていた。最後の一人はサンノモト人の30代の男性で僕の世界の日本の紋付羽織袴に近い服を着ていた。


「魔王マーシャリ殿、私はサンノモト列島皇国の勇者、黒岩弥生と申します。日本という異世界の国から召喚された者です。」


勇者が僕に挨拶した。


「魔王マーシャリ陛下、私はサンノモト天皇陛下の命により大使として参りました、エイサーノ・ノブタダと申します。」


男性が自己紹介した。


「魔王マーシャリ殿、私はサンノモト皇国飛行機戦闘隊、戦艦ヤマト艦長、クシヤメン・チズエ大佐と申します。」


獣人とのハーフの女性も自己紹介した。


「女神パメラ様の命により転生した魔王、マーシャリと申します。」


サンノモト列島皇国とは強硬な同盟になることは僕まだ知らなった。

それと3年後には黒岩弥生を第二婦人に迎えることも知らなった。


次回:会談

日本語未修正

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