第一章 12話 この世のどれとも説明できないできごト
とルリスと目があった。
「ああ、お主か」
もしかして、頭をうって変なことになったのだろうか?
「とりあえず、病院に」
「よい、そんなことをせんでも、
面倒なことになる、わしは怪我もしていない」
何だか、何故だか、
僕はこんなことを思った。
彼女は本当にルリスだろうか?
「僕のこと分かる?」
「分かる、
しかし、まさか、面倒なところで、
面倒なやつとあったな、
どうするか」
何故か、とても。
彼女は殺気だっていた。
それに、会った時から喋り方も明らかに変んだ。
「よかった、でも一体どうしたんだ、
さっきから何か変だ、
いつもの感じじゃないし、
それに、どうするかって・・・」
「わしがいつもの感じじゃないだと、
たわけ、
わしはいつでもわしじゃな」
これは、もしかして、
二重人格?
僕は二重人格というものを、知らなかった見たことがなかったからだ。
「ルリス、一体君は、」
「わしはルリスであってルリスではない、
しかしまぁ、
正直こいうことを知られている人間がいるのは、ちと厄介かもしれんな、
、場合によっては、この場で処理するのも」
その時、事故でぶつかった衝撃なのか、
建物のレンガが崩れ、
丁度、ルリスの頭に直撃しようとしていた。
目の前いた僕は、
手を伸ばし、彼女をかばおうとするが、
明らかに間に合わない、
レンガはもうすでに、
ルリスの頭一歩手前まで来ていた
「危ない!ルリス!」
僕は思考が停止した。
今の状況に、
情報量の多さに、思考が停止し、
一瞬目を瞑った。
それにレンガが、彼女の頭を直撃したのだから、
それを直接見るのは耐えられなかった。
しかし、そうも言ってられない。
僕は少しづつ目を開けた。
薄目で、
しかしそこにあったのは、
僕の予想とは違うものだった。
バシバシ
と音をたてながら、
レンガは彼女の頭ギリギリに浮いていた。
浮いていた、とは少し表現が違うかもしれない。
レンガは確かに落ちている。
しかし彼女の頭の上でなにか見えないものの力が働いているように見えた。
彼女の頭に触れてはいなかった。
まるで硬いものと硬いものがぶっかったように、
火花をチラして、
僕はそれを見ていた。
レンガは段々と削れてゆき。
次第に形が小さくてなってゆき。
一分たちほどして、
無くなってしまった。
「全く」
「あ、、、」
これは何かの科学技術だろうか。
それとも、
「今日は、厄日じゃな
魔力をこんなに使ってしまうんじゃから、
しかしまぁ主とっても厄日ということかもしれんな」
「厄日?」
「ああ、主は今ここで死ぬんじゃからな」
「一体なんのこと」
「流石に、ここまで見られたら
わしも看過できんからの」
ルリスは僕に向かって人差し指を向けた。
「安心性、所詮ただの人間なら一発じゃ、なんの痛みもなく、なんの未練も考える暇もなく、消してやろう
なんじことをおこすわれが命ずる
〇△〇△〇△、、、」
彼女人差し指の指先が
うっすら光りだした。
僕は本能的にか得体のしれない恐怖を感じ始めた。
何故か死ぬと思えたのだ。
ここで?なんでだ。
ただ思考の動かない中でも、
それだけは本能的になのか、
感じとった。
「あ、あ、あ、やめ」
光は次第に大きくなり大きくなり、
僕に向けられた。
そして発射された。
「うわぁ」
何故かそれは僕にあたらなかった。
そしてうわぁと声を出したのは僕ではなく。
彼女の方だった。
発射された光の玉のようなものは、
彼女の上にあった。
街灯を撃ち抜き、
途轍もない速さで照射され、
上へとあがってゆき消えた。
バシューッと音がその後に聞こえた。
彼女を見ると彼女の腕は上へと、
上げられていた。
「くっ、しまった
小娘の仕業か、まさか
わしの中でも意識が残っているとは」
僕は冷や汗をかいた。
そしてことの次第を、まだそんなに飲み込めていない。
そして足が動かない。
「一体何が」
「小娘がお前を殺すのを止めたのだ、
無理矢理腕を上げさせてな、
まぁこんな魔法何発も撃てない、
今すぐ殺すのは無理そうじゃな、、不服じゃが
それにあんな上に上げた魔法、
誰かに見られたかもしれん!
くっ下手をこいた〜
面倒じゃ〜
わしとしたことが〜」
「良く分からないが
やはり二重人格なのか?」
僕はもう本当に頭が回っていなかった。
とりあえず、そう質問するのがやっと、
今何を信じればいいのかすらわからない。
寧ろ現実感がなかった。
そして彼女はこう答えた。
「二重人格ではない!
わしは孤高の大魔法使い
アイリスである!」
そういう彼女の目は赤く真っ直ぐ、
先を貫くような視線でこちらを見ていた。
「ま、魔法、使い?
魔法って、いや何を」
「主よ、今は目の前のことを受け止めよ、社会のそれに捕らわれるなよ」
彼女の目は、今までに見た誰よりも真っ直ぐであった。
それに僕は、今見たばっかじゃないか、
今は彼女の言葉を否定するほど、
僕には材料がなかった。
それに、それに僕は知っていた。
この世のどれとも説明できない出来事。
それが存在することを。
先生の時に知っていた。
だから、今それを否定するのは違うと思った。
「分かった、、、
とりあえず、受けとめるよ、一旦この場は」
「まぁそれが賢明じゃな、
まぁーよい、
しかしとりあえず、
この場にとどまるのは賢明ではない、
少し場所を移すぞ主」
「何か問題が?」
「問題はあるかもしれんし、ないかもしれん、しかし
万が一を避けたい、
それだけのことじゃ」
「わしについてこい」
「分かった、しかしあの車の人は」
「とりあえずは大丈夫じゃ、
やつは居眠り運転みたいなもんじゃろ、
こっちも魔法を使って防いだが、
向こうには外傷は大してないじゃろう、そのままにしても多分大丈夫じゃ、それに騒がれても困る」
「そうなのか」
そういうと僕とは逆方向にくるっと彼女は回り、
歩き始めた。
僕もその後を黙ってついてゆく事にした。
とりあえずこの場は彼女の言うことに従うことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます