第一章 5話 孤独と正しさと絶対
「少し、恐ろしいですよね、今では考えられないですね」
今では考えられない、場所によっては存在しているのかもしれないが。
世界の秩序的に、今はそんな物騒なものは
存在しない、よっぽど一部の古臭い風習でも無ければな。
僕らはその後も城の中を見て回った。
こんだけ広ければ何回か来ても見ていない箇所とかあってもおかしくないなと思った。
途中城の地下にも行った。
「ほんとに広いんだな、迷子になりそうなほどだ」
「ほんとですよね、私でも何回も来てますが、全部は知らないですからね」
こりゃ城の中を行ったり来てたりしたら1日が終わることもあるだろう。
そんな生活僕は想像もできない。
「ここが地下か」
地上の部屋とは違って少し薄暗い。
廊下が広がっていた。
それも先までまっすぐ。
途中にはいくつもの部屋があるようだった。
僕は城を見るのが少し飽き飽きし始めたし、
何も話さないと言うのもあれなので、
少し話を変えて、僕から彼女について少し聞こうと話をしてみた。
「休日はなにしてるんだ?」
「や、休みの日ですか?
ん~お休みの日そうですね、お花を見に行くのが好きです」
「お、お花か?」
この年にして、なかなか渋い。
どこで見るんだろうか?
「この街は意外ときれいなお花が多いんですよ」
城に咲いていた花も、確かに他ではあまり見たことなかったかもな。
もしかしすると、この街には他にはない種の植物が多いのかもしれない。
「そうなんだな、なかなかお花の鑑賞が趣味とは、その」
「変ですか?」
「いやいや、うん、いいと思うぞ
花からも色々勉強することもあるからな」
「勉強?」
「植物は人間と違って再生が可能なんだ、そいうところから、」
少し沈黙の後、彼女は喋り始めた。
「、、、ん、えっと」
あまりに彼女には興味が薄そうなことを話してしまったか、話題を変えよう。
「あ、他にはないのか?」
「他はですね、、寮の友達とお茶とか少し奮発して買い物とかですかね」
普通なのもあるな。
まぁそりゃそうだ。
奮発、まぁ観光の給料はそんな良くないと思うが、
そんな考察はいいんだ。
金額じゃないからな。
人生楽しむのに安い高いは関係ない。
「いいな、そう言えば
オススメのお店があるって言ったね?
後で連れってよ」
「ええ、ぜひ!いきましょう」
普段行くとこにないところ。
そんなところに彼女は連れてってくれそうな気がする。
「じゃこの城もそろそろ出るか、
腹も減ってきたしな、どこかで食事にしよう」
「いいですね、そうしましょう
といても私そんなにお金持ってないんですよね」
「あぁ、気にしないで僕が出すよ、
だから食べたいものを食べてくれればいいから」
その後、
そんなことを喋った僕らは話の通り、出口まで長い城の中を色々とを眺めつつ。
次のところへ向かった。
まだこの世の中はやり直せる。
まだ終わっちゃいないあの時空を歪ませる少女が正せれば。
私が正してやるんだ。
あの人の言う通りに、
あの人は正しい人、とても正しい
だから私はあの少女を排除しなくては、
だから私は、
「お前は、そんなとこでしょぼくれているのか」
「大丈夫、私の言う事を聞いていればなんの心配もいらない、安心したまえ」
私は孤児であった。
もう死んでしまうのか、
どこに行けばよいのか、
どこへ行っても居場所がなかった。
どこへ行っても、何をしても。
私はもう、
この世界は歪んでいる。
どうして私だけこんな思いをするのか。
どうして。
どうして。
どうして。
そんな時に声をかけてきた。
彼女はヘイトレッド・アルメルア。
彼女は私に優しくしてくれた。
私に食事や住む場所を与えてくれた。
そして、この世界が間違っていると教えてくれた。
私は彼女の言う事を聞くことで、
自分を信じていけた。
だから私の中では彼女の言うことは絶対だった。
僕らはその後城を出て、
露店が賑わう街の中央部分に来ていた。
コニステル中央通り、
どうやらここに位置する場所に、彼女の好きなお店があるらしい。
「こっちですこっちです!」
なんかさっきより少しはしゃいでいる。
好きなものだからだろう。
「あ、今行く」
店の中に入ると雑貨屋さんのようだった。
男女使えそうだが、どちらというと女性が好きそうな小物とかが色々と置いてあった。
「ここのお店よく来るんですよ」
結構年相応な店だ。
「ここが言ってた場所か」
「ステキでしょ、因みにここの奥でサンドイッチも食べれるんです
良かったらここでお茶にしませんか?」
雑貨売り場の奥には、食事がとれるようなタイプの店だ。
「あ、折角だしそうしよう」
言われるがまま通されているが、
特に意見もないし、何より
最初にあったときより彼女が笑顔になっていくのが、なんだが少し嬉しく思った。
雑貨を見るよりも先に食事を済ませるため、食堂へと行った。
食堂入ると奥から店員がやってきて、
「何名様ですか?」
「二人です」
とよくあるやりとりをして席へ通された。
食堂は感じのいい席が並び、
今時の内装といった感じだった。
席に座り注文を選ぶ僕ら二人。
「何にする?君のオススメものを教えてくれる?」
「はい!えーっとですね、
この自然派なサラダサンドイッチと、自然派な甘さたっぷりハチミツサンドイッチとオリジナルブレンドコーヒーがオススメですよ!」
「じゃそれしようか、
すみません!」
と手を挙げると、
気付いた店員がこちらにやってきた。
「これとこれとこれを、2つづつください」
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