十三
嬉しさからにやける顔を見られるのが恥ずかしくて、俺は下を向いた。そのまま、大紀の肩にコツンと頭をぶつける。
「友達、だよ…?」
「うん、分かってる…ごめん」
大紀は、顔を押さえて上を向いた。
「…みっともないとこ見せちゃったな…」
(可愛い、なんか……年上なのに、失礼かな)
顔を上げる。大紀のこと、安心させてあげたい。
「…二人は、幼馴染みなの」
「うん…」
「大切な親友」
「うん」
「親友だから…」
顔を隠す大紀の両手を握る。大紀が俺を見下ろしてきて、視線がぶつかった。俺は、大紀の手を自分の胸に当てて、
「友達だから、こうはならない…。こうなるのは、だいちゃんだけだよ?」
大紀が目を見開いた。
数日振りに会って、ドキドキが止まらない俺の胸は、大紀が触れられていると思うと、もっと鼓動が早くなる。それが伝わったのだろう、大紀が何か言いかける。
「玲…」
俺は大紀の口を塞いだ。自分からキスするのは初めてじゃないのに、ドキドキがますます加速していく。唇を離すと、大紀が目を細めてじっと見てくる。
「…」
「…わっ!」
急に体が浮いた。いきなりのことで「抱き上げられた」と気付くのに時間がかかってしまった。
(お姫様だっこ…!)
その姿勢は思ったより不安定で、俺は大紀の首にしがみついた。
「ちょっとはやいけど…今から抱くよ、玲哉」
「…っ!……ん、俺も、抱いて、ほしい…」
最後の方は声が小さくなった。大紀が微笑んだので、ちゃんと聞こえたみたいのだと分かる。言ってから恥ずかしくなって、俺は大紀の肩に顔を埋めた。
「…可愛い。僕の玲哉…」
耳に唇が触れ、また、ドキンと胸が跳ねる。
大紀の寝室。俺をベッドに降ろし、大紀も膝をつき、覆い被さるように、ゆっくりと顔を近づけてくる。ちゅっと、軽く唇が触れ合い、そこから、額、瞼、頬に唇が落とされて、また唇と唇が重なり、離れる。
「…ああ、皺になっちゃうね」
微笑む大紀に見つめられ、俺は自分がまだ制服のままだったことに気付いた。腕を引いて起こされたので、自分で脱ごうとしたら、その手を止められた。
「僕にさせて」
と、大紀が嬉しそうに俺のブレザーを肩から落とす。ネクタイやベルトを緩められ、シャツのボタンも外されていく。ズボンを足から引き抜き、下着や靴下まで全て脱がされる。
「お、俺だけ…?」
そう言うと、大紀は口角を上げて、自分もジャケットやTシャツを脱ぎ捨てた。鍛えられた上半身に目が奪われてしまう。
(すごい、かっこいい…)
と思ったのと同時に、大紀が
「玲哉は、綺麗だね」
と呟き、俺は再びベッドに組み敷かれた。そっと、頬に手が触れ、ぞくっと、体が震える。
「あ、俺…、どうしたら…」
大紀はにっこり微笑んで、
「大丈夫、僕に任せて。…嫌なこととかは、ちゃんと言ってね」
「…ん…んっ」
大紀の手が、唇が、舌が、身体中に触れてくる。そこが熱を持つような感覚は、気持ちいいとかそういうことより、まだ恥ずかしさの方が大きくて、俺は、手の甲で口を塞ぎ、大紀の愛撫に耐える。その手に大紀が唇を寄せ、
「我慢しないで」
「ひゃ…」
ペロッと、大紀の舌が触れてくすぐったい。
「あ、ああ…はあ…」
「声、蕩けてきたね」
大紀が俺の胸に唇を寄せる。色づいた部分を全部口で覆って、先っぽを舐めたり、吸ったりする。反対側も指で挟まれたり、先っぽカリカリされたり。はじめはくすぐったいだけだったのに、今は吸われたり挟まれたりすると、奥の方までツーンと響き、そこから全身に気持ちよさが広がっていく。
「あ、ああ…」
(気持ちいい…。そんなとこ…俺、男なのに…)
「あ、あんっ…」
信じられないくらい甘ったるい声が出て、恥ずかしい。
(あ、でも、こっちも…)
勃ち上がっていく下半身にも刺激が欲しくなって、俺は自分のに手を伸ばした。
全体をすりすりと擦り、付け根の方から撫で上げるようにして、先っぽの丸みを手のひら全体で撫で回す。こぷ、と先端からこぼれるものがあって滑りがよくなると、自然に手の動きも早まる。
「ああ…。…!あ、なん…」
大紀が俺の手を止めた。
「任せて、って言ったのに…」
「あ、あんっ…はぁ」
大紀の大きな手が、俺のを全部包み込む。さっき自分でしたみたいに、全体を擦り上げて、親指で先っぽをグリグリと撫でる。
「…ね、自分でもしてた?」
「…!」
揶揄うように耳元で囁かれ、耳が
顔が熱くなる。こぷっとさらに先走りが溢れた。
「…ん」
恥ずかしいのに、思いが、言葉になって、止まらない。
「…した。だいちゃんの、こと、想像しながら…あっ!あん!」
大紀が、先っぽに指先をグリグリと突き立てた。ずくんと、奥の方から何かが込み上げてくる。
「ふあっ…!あ、あ!やっ!…だいちゃん、ダメ!ダメ!出ちゃ、出ちゃうからあ!」
さっきより力を入れて、俺のを扱く。
「あ、あっ!」
「…可愛いこと言うから」
「あっ…だ、だめ、もうっ!」
「いいよ、イッて。玲哉」
耳許で囁かれて、体がゾクゾクする。
「あ…!ああ~っ!」
声も射精も我慢できずに、俺は全てを思いきり吐き出した。
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