足りないものは足せばいい 最終話

「これが変わった事件の全貌だよ」

「おい、待てよ、その姉はどこに行った?」

「さぁね・・・いくら探しても見つからないからな」

「何だよ、スッキリしない事件だな」

「そうだな・・・でも半分になった人間に健康な人間を繋いでも生きる訳ないだろ・・・」

「確かに・・・・」

納得した同僚は、一口酒を飲んで

「そういえば、何故姉の脳だけなかった?」

「あぁあれか、あの後さ医学の系の本を読んでさ、脳は記憶を補完する部分あるだろ?」

「あぁ、そうだな」

「だから、生きていた時の姉の記憶を消さないように残して中に入れたと思う」

「何とも言えない決断したな・・・」

「俺もそう思うよ」

そして、お互いに酒を口に運んだ

「そういえば、お前さ明日から実家に帰るのか?」

「そうだけど、何かあったか?」

「いやな、帰るならお土産買って来てくれよ」

「何もない田舎で何を買えと・・・まぁ何かあったから買って来るよ」

「おぅ、楽しみにしているよ」

と雑談をしながらその日は終わった



とあるE市の田舎の小さな診療所

「先生は、いつも長袖で手袋してるよ?」

と無邪気に5・6歳の子が質問してきた

「そうだよ、悪いばい菌が皆に入らないように予防するためだよ」

「へぇそうなんだ」

納得したみたいだ

すると

「ねぇ先生の顔の半分は何で色が違うの?」

また無邪気に聞いてきた

横にいた親が軽く頭叩いて

「すいません、先生後で言っておきますので」

と謝罪してきた

「いいえ、いいですよ・・・そうだね、これは昔怪我した時に早くに治す為に付けたのさ」

と答えると

「へぇそうなんだ」

同じを返答して納得したみたいだ

「さて、お薬出しておくから毎食飲んでね」

「はい」と素直に返す子供

「先生ありがとうございました」

と親御さんがお礼を言って席をたった

「お大事に」

と言って親子は退出した

ドア閉まってから手袋を取った

左右違う色の手

というか半身違う色だけど・・・

「まぁ夢は叶ったわね・・・早くSも来ないかな・・・ふふ・・」



電車から降りた時に電話が掛かってきた

「もしもし、どうした?」

「いやさ、帰省先の市を聞こうと思ってな」

「何だそれ?」

「こっちで調べて欲しいのないか調べようと思って」

「何とも姑息な考えだな」

「へへ・・褒めて何も出ないぞ」

「褒めてないよ・・・」

「で、何市よ?」

「E市の田舎だよ」

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