足りないものは足せばいい ②

署から時間にして20分ぐらい車を運転して目的地に着いた

それなりに高いマンションだなと思って、管理人に警察手帳を見せて

事情説明して部屋の前まで案内してもらった

そこで管理人と別れてチャイムを鳴らして待った

暫くするとドアが少し開いた

「えっとどなたですか?」

「すいません、Sさんですか?こういう者です」

と手帳を見せた

「警察の方ですか?」

「はい、少し話をしたくてですね」

「はぁ~中にどうぞ」

「お邪魔します」

中に入って、リビングの椅子に座ってお茶を出して貰った時に質問

をした

「えっと親御さんは?」

「もぅ5年ぐらい前に他界してます」

「すいません、失礼な質問して」

「いいえ、お気になさらず」

そして、向かいの椅子に座った時に

「それでお話って何ですか?」

「そうでしたね、話す前に気を強く持って下さい」

それから今回事件を簡易的に説明した

毎回思うが被害者に説明するのは苦手だ

それに今回は、仏だからな・・・・

後輩に任せて説明させると余計なこと

言いそうだから、最初から被害者の様子を見るように打ち合わせしていた

説明が終わると口に手を当てて驚いていた

「大丈夫ですか?」

「えぇ・・・・何とか」

「質問をしてもいいですか?」

「はい、答えられることなら」

「最後にSさんはCさんを最後に見たのはいつですか?」

「姉を最後に見たのは、昨日朝ですね、一緒に朝食を食べてから先に家を出て行ったので

そこから先は見てませんね」

「なるほど、時間は覚えていますか?」

「大体8時頃だったと思います」

昨日の8時までは、生存確認は出来たとなるとそれ以降に何があったかだな

「解りました、ご協力ありがとうございます」

「いいえ、何も出来なくて」

「もし、何か思い出すことあったらここに連絡して下さい」

そう言って名刺の裏に部署の番号書いて渡した

「解りました」

「では、我々はこれで失礼します」

そう言って、家から出て、マンションの駐車場に停めている

車に乗って後輩に

「どうだった?不審な動きあったか?」

「いいえ、特には何もなかったですね、ただ・・・」

「ただ?」

「個人的意見ですが、思ったより動揺がなかったと思ってですね」

「確かに受け答えは、しっかりしていたな」

「妹さんの現在の職業を調べてみますね、もしかしたらそういう関係の

仕事してるかもしれないので」

事件に関係ないかもしれないが何かのきっかけになればいいかと思って

「ついでにCの職業も頼む」

「解りました、一緒に調べてみます」


署に帰ってから通常業務を片付けてから、コンビニに向かう

サラダ系をかごに入れて適当におにぎりもかごに入れて350の缶ビールを

1本入れて会計を済ませる

家に帰って今日の事件を思い出す

何故犯人は半分に切ったのか?

何故脳だけないのか?

そして、注射の後がある

部分麻酔だけならあんな眠った顔にならない

別の目的がある?

いくら考えても情報が少ないかと結論を付けて

ビールを一口飲んでから夕飯を食べ始めた

やることやってからベッドに入る

時間は深夜0時頃で目覚まし時計を7時に設定して寝ることにした


・・・なんかうるさい・・・

目を開けて音の方を見るとスマホが鳴ってる

眠いが緊急の呼び出しか?と思いながら通話をオンにする

「・・・解りました。今から向かいます。」

通話をオフにしてスーツを着る

時間は朝の5時頃

向かう場所は公園

時間が時間なので野次馬はいない

ブルーシートの中に入って、布をめくる

中身は、左半身だけの仏・・・

昨日とは逆か・・・が最初の感想だった

顔を見ると恐怖と痛みを感じる顔だった

仏は見た感じ昨日とは別人みたいだ

となると半身ずつまだ見つかってないという現実だけが残った

見た感じだと腐敗はしてない

そして血液も少ないけど昨日より多いと感じた

匂いは、少し腐敗臭がする

ここまでの情報をまとめると犯人は仏を隠す気はないみたいだ

昨日は、ゴミ捨て場、今日は、トイレの壁に半身を傾けて発見と

なんか見つけて欲しいみたいな置き方だった

今解るのはここまでかと思っている

後輩をまだ見てないことに気づく

まだ着いてないのか?と思っていると

「おはようございます・・・Aさん・・・」

後ろ見ると後輩がいた

ただ口元をハンカチで拭いていた

そして青ざめていた

「おはよう、もどしたか?」

「はい・・・慣れませんね・・・」

「そうだな、なかなか酷い内容だからな、でも慣れろよ

事件を解決する為には見ないと駄目だから」

「はい、努力します・・・」

とりあいず自販機に誘って水を奢って落ち着かせるのが次の行動だな

と決めてブルーシートを後にした

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る