足りないものは足せばいい ①

明日からお盆休み

同業の飲み仲間を誘って飲みたい気分になった

飲み仲間に電話をして了承が取れたので

場所を決めて合流する

合流してから居酒屋を探すがどこも人が多くて1時間ぐらい

待ちだった

流石に日が落ちたと言っても熱いものは、熱いのでコンビニで

缶ビールとおつまみなどを買って俺の家で飲むことにした

飲み始めて1時間ぐらい過ぎた頃

「なぁ、何か怖い話ってないか?」

「急に何だよ?藪から棒に」

「夏だからさ、怪談とか定番だろ?」

「まぁ定番だな・・怖い話か・・・怖いと言うか不思議な事件ならあるぞ」

「へぇ何だよ?」

「今から3・4年前の話さ」



その日は、電話で起こされた

朝の7時頃だった

内容を聞いてから顔を洗ってスーツを着て現場に向かう

現場は、マンションのゴミ捨て場だった

簡易的だが、ブルーシートで外から見えないようになってる

その中を見ようと通勤や通学途中の野次馬が集まってる

「すいません、関係者なので開けて下さい」

と言いながら中に進んで行く

ブルーシートの前で警察手帳を見せて入る

中は、10人もいないぐらい人が現場の写真や

地面に何か手がかりが落ちてないか探している

そして、中央に白い布を被せた物がある

見ようと布に手を掛けると後ろから

「おはようございます、Aさん」

振り返ると後輩がいた

「おはよう」

挨拶を返してから

「もぅ仏は、見たのか?」

「いいえ、というか周りが、お前は見ない方が良いって

止めてくるので見てませんね」

「何だそれは、仕事だから見ろよ、もしかしたら、証拠見つかるかも

しれないのに」

「そうですね」

「それに慣れておけよ、これからも見る機会はあると思うから」

「解りました、一緒に見ます」

そんな会話をして、布を少しめくる

中は、半身だけあった

正確に言うと肉体を中央から真っ二つに切って、

右半身だけが横になっている

確かにまだ日の浅い後輩にはきついなと思っていると

「Aさんすいません・・・」

と言って外に向かって行った

吐きに行ったか・・・まぁ仕方ないか

そんなことを思いながら仏を再度見る

顔は、寝てるようだった

血液は、少ない

腐敗と腐敗臭はまだしてないみたいだ

見て解るのは、まだ犯行が起きてから時間は経ってない

そして、ここで切ってないってことだけだ

どっちにしろ報告書見てから判断するのがいいかと思って

後輩を探す為に外に出た




署に帰って今朝の報告書を見る

時刻は15時頃だった

内容は

死亡推定時刻は、昨日深夜から今朝の午前3時頃

腐敗はなし

凶器は不明

血液は体内にほぼなし

ここまで読んで、予測道理かと思った

だがここからが不思議な内容だった

脳だけがない

数カ所に注射の後あり

何だ?脳だけないって

もしかして、海外に売るのか?それともそういう趣味か?

それに注射の後?

変わった状態で見つかったな

それから睡眠薬を使っているみたいだった

ここまで読むと医学関係者か?

えっと仏の名前はCか

身元は見つかったと言うことは現場の人間が頑張って探してくれたか

そうなると被害者家族に話を聞きに行くかと

思って後輩を連れて被害者宅に向かった



「なぁ、少し質問していいか?」

「何だ?」

「俺の所にこの話回ってきてないぞ」

「あぁ、簡潔に回してるだけで機密として捜査したからな」

「だからか、なら続き頼むよ」

「あぁ、確か被害者宅行く所からだったな」







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